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ウルトラマンヴァルキリー【第5話 空から迫る怪鳥】

雲ひとつない大空にMAGのパトロール用新兵器「ファイトスワロー」が飛んでいく。MAGと政府との会議でパトロールの強化が始まってから3日のことだ。
ツトム「やっぱり俺には、空が馴染むなぁ…」
元パイロットのツトムがパトロールをしているようだ。
ツトム「こちら中田、異常はありません。」
ツトムはMAG本部と通信を行う。
メイ「こちら三山、帰還してください。」
ファイトスワローが帰路につき始めた時、何かが物凄い速度で横切った。
ツトム「何だ!?」
目を凝らすと、それは青く大きな鳥だった。

怪鳥 スカイバードだ!

ツトム「こちら中田、怪獣を発見しました、どうやら日本に向かっております!」
マコト「こちら岡本!怪獣を追跡し攻撃せよ!」
ツトム「了解!」
ファイトスワローの速度が上がっていく。
ツトム「待ちやがれ鳥野郎!焼き鳥にしてやるぜ!」
ファイトスワローからミサイルが発射される。ファイトスワローには高性能の小型ミサイルが搭載されている。が、機体の関係上装填されている数はとても少ないのだ。
ミサイルがスカイバードに直撃する。
ツトム「うっしゃあ!このまま焼き鳥にしてやる!」
マコト「待ちたまえ、ファイトスワローに搭載されているミサイルは有限だ。状況確認のためマーキング弾を発射し帰還してくれ」
ツトム「了解、焼き鳥はお預けか!」
ツトムは不服そうな顔でマーキング弾を発射した。マーキング弾は相手に刺さる構造で、特殊な電波で位置を特定できる新開発の兵器だ。
発射されたマーキング弾は見事スカイバードに命中した。
メイ「こちら三山、電波を受信しました。帰還してください。」
ファイトスワローは再び帰路についた

ケンジ「あの怪獣と思われる資料を持ってきました。」
ケンジが山積みになった書類を重そうに持ってきた。どれも海外の新聞のようだ。
ツトム「なんだ?新聞?」
そこへパトロールから帰ってきたツトムが入ってきた。
ケンジ「そうなんです。実は海外で目撃情報が相次いでいてですね。」
ケンジが腰を叩きながら話す。
ヤエ「へぇ、スカイバード…」
マコト「日付が最近のものばかり…」
サトシ「おい中田隊員、この変な鳥を見たのか?」
サトシがツトムに新聞の一面を見せつける。
ツトム「そうそうそう!それそれ!」
ツトムが新聞の一面を指さしながら答える。そこにはスカイバードが綺麗に捉えられてる写真があった。
メイ「こんな怪獣を焼き鳥にしようと?」
メイがツトムを見つめる
ツトム「例えだよ例え!」
ヤエ「あの、ひとついい?」
そこへヤエが挙手する
ヤエ「この怪獣、私が間違ってなければ人を喰うって…」
隊員達がヤエの持っている新聞を凝視する。
マコト「…本当だ、人を喰うと書かれているな…」
ケンジ「一応持ってきた資料を読んで見たのですが、どうやら被害に遭った人の多数はスカイバードに食べられたという報告があったんですよ…」
サトシ「つまりこいつの餌は人間…こいつは相当ヤベェぞ…」
ツトム「…やっぱり焼き鳥はダメだったか?」
サトシ「馬鹿!そんな話をしてる場合ではない!」
マコト「まぁ落ち着け、そうなると対策が必要となるが…」
そう話しているとメイが大きな声で報告する。
メイ「隊長!スカイバードが動き始めました!」
マコト「なんだって!?」
レーダーにはマーキングしたスカイバードがこちらへ向かっているのがわかる
マコト「下手すると死者が出るかもしれん…これは一刻を争う事態だ!全員、スカイバードを迎撃せよ!何としてでも市街地へ行かせるな!」
一同「了解!」
マコト「それとメイ、今すぐ政府に連絡し、スカイバードの進行方向圏内に住んでいる人に避難勧告を出すんだ!」
メイ「了解!」
隊員達が乗ったバスターホークが空へ飛び立つ。

一方スカイバードは獲物を探していた。スカイバードはエネルギーを補給せねばならぬのだ。見えてきた陸地を見つけるや否や、海岸に近い村を見つけた。そこには避難勧告を受け逃げ惑う人々がいる。スカイバードは村に着陸した。

ツトム「いたぞ鳥野郎!今度こそ焼き鳥にしてやるぜ!」
MAGはスカイバードを発見した。
マコト「避難が完了していなかったか…」
ヤエ「隊長、ここは私が行きます!」
ヤエはバスターホークから飛び降り、パラシュートを展開した。
ヤエは浮遊しながらMAGガンを構えた
ヤエ「これでも喰らえ!」
ヤエは今まさに捕食しようとしているスカイバードに1発弾丸を注ぎ込んだ。
弾はスカイバードの目にヒットし、スカイバードは悶えた。
スカイバード「ギエェェェェ!」
ヤエは着陸した後も応戦しつつ村民達を避難誘導し続けた。
その間にもバスターホークはスカイバードにミサイル攻撃を続ける。
スカイバードはついに怒り、地ならしをし始めた後、地面を啄ばみ始めた。
その嘴がヤエを襲おうとしたその時!
シュワァー…
ウルトラマン「シェアッ!」
ウルトラマンのアッパーが炸裂した。
村民「ウルトラマンだぁ!」「よかった!おら達は救われたんだ!」
村民達はウルトラマンの登場に歓喜した。
ウルトラマンはヴァルキウムショットで牽制し、スカイバードが怯んだところへダッシュし殴った。スカイバードは大きく倒れた。
スカイバード「ギエェェェェ!」
スカイバードは立ち上がると飛び上がり、ウルトラマンに体当たりした。
ウルトラマン「シュワッ!」
ウルトラマンはスカイバードの嘴を掴むと上へ投げ、そこから足を掴んだ。
スカイバード「ギェッ!?」
ウルトラマンはスカイバードの足を掴むと大きく振り回し始めた。一回、二回と回数を増すごとに回る速度が上がっていった。そして海へ投げ飛ばした!
ウルトラマン「シェアァッ!」
スカイバードは大きく吹き飛ばされ悶えた。スカイバードは立ち上がり、翼を大きくはためかせ、空へ逃げていった。ウルトラマンはそれを追跡する。
マコト「ウルトラマンを追うんだ!」
ツトム「了解!待ちやがれ焼き鳥野郎が!」
サトシ「お前どんだけあいつを焼き鳥にしてぇんだよ!」
バスターホークも追跡する。

太平洋という名の大海原をスカイバードが物凄いスピードで飛行する。そこへウルトラマンが追跡する。ウルトラマンはヴァルキウムショットを放つ、スカイバードに直撃するものの怯まない。スカイバードは大空へ高度を上げた。ウルトラマンも高度を上げつつヴァルキウムショットで攻撃する。バスターホークも高度を上げる。
ツトム「あいつ、なんて速さだ!追いつけねぇ!」
マコト「諦めてはいけない!追跡するんだ!」
ツトム「了解!」
やがてスカイバードとウルトラマンは雲を突き抜けた。スカイバードがホバリングをしているとウルトラマンがこちらへ殴りかかってきた。拳は見事スカイバードに直撃した。スカイバードは反撃の突進で急接近する。ウルトラマンは間一髪で回避、スカイバードが旋回しこちらへまた突進した所をヴァルキウムショットで攻撃、スカイバードが大きく体勢を崩したことを確認するとウルトラマンはヴァルキリーアームを天に掲げる。そこへバスターホークが到着する。
マコト「いまだ!ミサイル発射!」
バスターホークのミサイルがスカイバードを直撃する。
ウルトラマンの掲げたヴァルキリーアームに集まった太陽光が球体となった。スカイバードはウルトラマンに急速接近してきた、そこへウルトラマンの必殺技「ライジングサン」が発射される。集まった太陽光が球体となり、それを相手に発射するものである。スカイバードは回避できず直撃!
スカイバード「ギエェェェェ…」
スカイバードは燃え盛り、進路方向から大きく外れ、段々と高度を下げていき、やがて火の鳥となったスカイバードは海へ墜落した…
チュドォォォオン!
海ではその衝撃が、大きな爆発が起こった。
ウルトラマンはスカイバードの最期を見届けると天空の彼方へ飛んでいった。

帰還後、ツトムは神妙な顔で買ってきたねぎまを食べていた。
ツトム「………」
ヤエ「ねぇ、あれはそっとした方がいいんじゃない?」
サトシ「だな…」
ツトムがこちらを振り向く。
ツトム「なぁ…」
2人は唾を飲む
ツトム「せっかくならあの鳥を焼き鳥にして焼き鳥パーティをしたかったぜ!」
2人はずっこける。
サトシ「なんだよ!ねぎまくっておきながらまだスカイバードのこと考えてんのかよ!」
ヤエ「そもそも屍は爆散したから回収が難しいし、というか怪獣を食べるってあんたねぇ…」
ヤエはもはや呆れていた。
ツトム「でも、久しぶりに大空を飛べて良かったぜ。なんだか懐かしくって…」
マコト「そうだな、中田隊員は元パイロットだったからな。」
そこへ隊長が入ってくる
ツトム「あっ隊長!ねぎまどうです?」
マコト「すまない、私はこれから仕事があるんでな」
そういうと隊長は出て行った。
ツトム「なぁ、2人は?」
2人「結構です」
そういうと、2人は出て行った。
ツトム「だぁー!つまんねぇの!」
ツトムの叫びが部屋中にこだました。
ツトム「…でも、こうやって1人でねぎまを食うのもいいな。」
ツトムはねぎまを1人で食べ続けたのだった…

続く

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