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昭和に比べてこんなに進化⁉ウルトラマン・ガイアのプロレステクニックと受け身

平成ウルトラマンシリーズ第三作目となるウルトラマン・ガイア。第一作目のウルトラマン・ティガに関しては以前少しだけ触れたが、二作目ウルトラマン・ダイナの視聴はスルーしたので、今回のプロレス技検証に一作分の空白が生じてしまうが、ご了承のほど。

ティガは時代背景としてK-1全盛期だったこともあり、キック、パンチ、突きが多くみられたが、これはガイアにも同じことがあてはまる。

基本的な技としては、正拳突き、回し蹴り、後ろ回し蹴り(スピンキック)が最も多く、トラースキック、ローリングソバットも時折使用。
K-1とプロレスの蹴り技どちらも取り入れており、一度だけかかと落としを見せ、80年代の男性ミュージシャンがよく見せた、一方の足を高く上げて逆の足を使う形の前蹴りもよく見せる。

ガイアはK-1だけでなく、プロレスに関してもだいぶ研究を積んだようで、第1話でいきなり大技ジャーマン・スープレックスホールドを炸裂させ、筆者を驚かせた。
ジャーマンは第31話でも見せており、この時は投げ切った後、ヘッドスプリングで起き上がってみせ、第28話ではフロントスープレックスをブリッジしてホールドする高技術も披露。
これらスープレックス系の技におけるガイアのブリッジは、プロレスラー以上に高角度で、きれいであることが特筆される。

プロレス技に関しては、昭和ウルトラマンシリーズとは比べ物にならないほど多く使用されており、回転ギロチンドロップ、投げ捨てブレンバスター、バックフリップ、三沢光晴ばりのローリングエルボー、小橋健太ばりのローリングしてのチョップ、延髄斬り、フライングニールキックといった大技が確認できた。しかし決してそれらを多用することはなく、それぞれ一回づつしか確認できていない。

当時プロレス界で流行っていた、ドラゴンスクリューは2度ほど確認できるが、最初の時は怪獣の尻尾をキャッチして投げ捨てたのに対し、2回目は相手の片足をキャッチしての正調式というように、同じ技にならないように違いを見せている。

この作品には、ウルトラマン・アグルというもう一人のウルトラマンが登場するのだが、2人によるプロレス的連携プレーも一度だけ行われている。

それぞれが怪獣の頭をヘッドロックにとらえ、怪獣の頭と頭をぶつけるべく向かい合わせとなるが、すっぽ抜けた形で怪獣にはずされてしまう。ここでガイアとアグルが同士討ちしてしまうかと思いきや、ガイアがあおむけにスライディングして倒れこみ足を差し出して、走ってくるアグルをルチャリブレ式のモンキーフリップの形で投げ飛ばし、飛んで行ったアグルは怪獣に飛びつき、腕を取って投げる、いわゆるルチャでいうところのハポネサ・クルサの形になったのだ。これはだいぶ研究しないとできない、高水準の連携といえるだろう。

アグルもガイア同様突きと蹴りを主武器としているが、一度延髄斬りを披露している。特筆すべきは右手のひらを上に向け、手招きするようなザ・ロックと思われるポーズも見せている。

受け身に関しては、両者ルチャ式前回り受け身「トレス・クアルトス」が多用されているが、それ以外にも空中で一回転する前宙受け身を見せている。
この前宙に関しては、プロレスの教科書に載ってもおかしくない、きれいな受け身が何回か確認できるが、まあまあ普通のレベルの時もあり、その時によってレベルには差が生じていたようだ。

放送終了後ビデオ作品として制作された「ガイアよ再び」では、久しぶりの実戦とあってか、ガイアの感は鈍っていたようで、動きに切れがなく、怪獣に放ったローリングソバットも、スピンキックともとれるどっちつかずな中途半端な形であった。

この時点では当時人気のあったレスラーの技が、しばしば取り上げられるようになったウルトラマンシリーズだが、おそらくこの後の作品では、さらなる見栄えのする技の導入があるはずで、改めてまた検証していきたいと思う。




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