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『87歳、古い団地で愉しむひとりの暮らし』 多良美智子著


『80歳。いよいよこれから私の人生』の著者、多良久美子さんのお姉さんは、85歳で始めたユーチューバー多良美智子さんだった。

職場で話したら、結構知ってる人も多くて有名な方だったらしい。

この方も楽しいおばさま。『87歳、古い団地で愉しむひとりの暮らし』を上梓してる。

きっかけは中学生の孫が手伝ってくれて始めたユーチューブ。それが大バズり、今や六万人の登録者だそう。お孫さんと二人でハイタッチしてる姿が目に浮かぶ。

遠くに住む家族で楽しもうと無欲で始めた事が、人を惹きつけてるのだと思う。そこには、なんの衒いもない。

自分の希望に忠実な素直さ、今の自分を受け入れる潔さ、その瞬間を楽しもうという姿勢、丁寧な暮らしぶりが、言葉からにじみ出てる。

幸せの極意が、自然と身についてる彼女の話しっぷりが心地よい。そしてためになる。

・住むところ
・食べること
・健康の秘訣
・ひとりの愉しみ
・人付き合いのコツ
・お金との付き合い方
・今を生きること

と、章立てされてる編集も抜かりない。みんなの知りたいことが網羅されてる。

言わば、幸せな生き方の実践事例。


ひとり暮らしの良いところは、好きなものに囲まれて暮らせること。周りには嫌いなものが一つもない。すべて自分が選んだものと思えば愛着が溢れだす。

時々、訪れる家族や友人たちにはとびっきり優しくできる。そのほどほどの距離感がまた良い。

日常の生活が規則正しく流れれば、残された時間への愛おしさも増してくる。

新しいことへのチャレンジも、スローペースで自分自身の成長を祝うことができる。

自分のリズムで生きることができるのは、長生きした人間の最後のご褒美。

ゴールのテープカットまで、ゆっくり進もう。




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