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【小説】「渋谷、動乱」第2話
大澤美桜が、高校時代の友人の中村早矢香と、あらかじめ調べに調べ尽くしたルートを通り、その街の裏通りにある、知る人ぞ知る古着屋を訪れようと思ったのは、その日が初めてだった。
地下鉄のホームからエレベーターで地上に上がり、新宿駅の改札を抜け、平日の真昼間にもかかわらず、若者たちの姿でごったがえす竹下通りに出た時、すでに2人はかなりの体力を消耗していた。自宅のアパートから、今日だけ特別にタクシーに乗
【連載】「灰かぶりの猫の大あくび」#20【RPG編~黄泉がえりは突然に~】第3話
前回のあらすじ
城跡へとやってきたアイとミヤビの二人は、難なくターミネーターの正体を突き止める。それは外ならぬ、モノリスだった。モノリスが流した「カントリー・ロード」を聴き、現世での記憶をすべて取り戻した二人は、いよいよ灰かぶりの猫の復活のため、時空ゲートを通り、時の最果てへと向かう。
登場人物
アイ
夏目愛衣。黄昏新聞の新米記者。アニメ好き。今期放送中の『怪異と乙女と神隠し』の化野乙ちゃん
【連載】「灰かぶりの猫の大あくび」#19【RPG編~黄泉がえりは突然に~】第2話
前回のあらすじ
見知らぬ家で目覚めたアイは、母親らしき人物にそそのかされ、地元の神社の例大祭に赴く。そこで行われていたテレポーテーションショーに参加したところ、何の因果か別の時空へと転送される。転送先の魔物の森で出会ったミヤビという剣豪と共に、町で情報収集に当たった後、町の西にある城跡にターミネーターが出ると言う噂を聞き、二人は正体を突き止めるため、城跡へ向かう。
登場人物
アイ
夏目愛衣と
【連載】「灰かぶりの猫の大あくび」#18【RPG編~黄泉がえりは突然に~】第1話
登場人物
夏目愛衣
黄昏新聞の新米記者。アニメ好き。今期のオススメは、『ガールズバンドクライ』。『アイドル編』では、アイドル育成補助金の100万円目当てに、385プロダクションのアイドルオーディションに参加。しかし目論見は外れ、貯金を切り崩す羽目に。
モノリス
灰かぶりの猫の自宅のAIスピーカー。現在は義体化済み。主人公の猫の復活のため、『クロノ・スタシス』という曰く付きのゲームを用意する。
【連載】「灰かぶりの猫の大あくび」#17【アイドル編~なんとかしてアイドルに!~】エピローグ
前回のあらすじ
385プロのプロデューサー冬元が企画したアイドルオーディションの実態は、アイドル候補生たちを良いように弄ぶリアリティーショーだった。問答無用でオーディエンスによるアイドル投票が行われていく中、夏目はオーディションの中止を求め、何故か観覧席に来ていたモノリスの助けを借り、冬元を地獄の底に叩きつける。
登場人物
夏目愛衣
黄昏新聞の新米記者。アニメ好き。『学校編』のエピローグで
【短編小説】「人生劇場」最終話
タクシー運転手の小門政明は、「とりあえず出してください」と男に言われた通り、交差点を右折し、O竹橋通りをN暮里駅方面に走り出した。小門は運転手歴13年目になるが、経験を重ねるにつれて、自然と身に着いた乗客に対する目配り気配りに加え、邪な関心だと自覚しつつも、一人一人の素性を観察するのが習慣になっていた。
小門は客を乗せてまず、後ろを振り向いて行き先を聞く際に、客が素面なのか酒が入っているのかを
【短編小説】「人生劇場」第4話(全5話)
ビルの壁のパネルに、休憩90分3000円~、120分3500円~、と書かれていたホテルの前の壊れかけた室外機は、相変わらず唸るようなエンジン音を立てて、オートバイのアクロバットショーを繰り広げていた。
森野と別れた松田は、現場百篇の言葉通り、最初の現場に立ち戻っていた。現場検証というほどではないが、松田は中腰になり、辺りに何か犯人につながるようなものは無いかと、目を凝らして探し物をしてみた。排
【短編小説】「人生劇場」第3話(全5話)
6月20日。午前11時。
昨日の夜9時から深夜の1時過ぎまで、景子は1時間おきに、夫正則のスマートフォンに電話を掛け続けていたが、正則が出る気配は全くなかった。
LINEに何度メッセージを送っても既読が付かず、今朝になってから会社に電話を入れ、上司の坂本さんに「夫は出社してますか」と聞いてみたが、「え? 景子さんも知らないんですか? 私の方も何度も掛けては見ているんですが、まったくのなしのつぶ