見出し画像

プルアップジャンパー(XL)

「プルアップジャンパー」とは何か知っているだろうか。
ユニクロの新作ではない。

「プルアップジャンパー」とはバスケ用語である。ドリブルの流れでジャンプシュートを放つことをそう呼ぶ。
ここ数年、私は国内プロバスケ(Bリーグ)の観戦にハマっている。実況と解説の話を聞いていると、どうもバスケには専門用語が多すぎることに気がついた。
リングに向かって走ることをリムラン、ボールがコートの外に出ることをアウト・オブ・バウンズ、3ポイントの内側をペリメーター、…どの用語も耳馴染みがなさすぎるのだ。バスケは戦術が年々多様化しているので、動きの一つ一つに用語を作らないとコミュニケーションや戦術の理解度に齟齬が生まれてしまうのだろう。

これでも私は学生時代、バスケ部員だった。でも上記で挙げた用語は一つも知らない。シュートはシュートで、パスはパス。プルアップジャンパーなどと、オシャレな呼び方をしたことは一度もない。
もしかして弱小校だから知らなかっただけなのかな。私たちの戦術は基本「がんばる」だけだったから、専門用語をそもそも使う必要がなかった。強豪校はきっと戦術が多彩だから、専門用語を使う必要があるのかも。
弱小校のくせに「プルアップジャンパー」とか使ってたらなんかムカつくな。お前のへなちょこシュートはプルアップジャンパーとは呼べんだろう。専門用語を使うにもある程度の実力が必要かもしれない。


やたらカタカナの多い専門用語に取っ付きにくさを感じることもあったが、最近ではカタカナ専門用語もバスケの魅力の一つだと思えてきた。
この間試合を見ていた時、解説が低身長の選手のことを「ローサイズプレイヤー」と呼んでいた。もしも日本語で「低身長選手」と呼んでしまうと、チビで不利だというネガティブなイメージしか浮かんでこない。しかしローサイズプレイヤーと呼べば、低身長はその選手の特徴の一つに過ぎず、むしろ唯一無二のスキルであるように感じられる。ネガティブなイメージは湧いてこない。これはいいなと思った。カタカナにするだけで受け取り方がこんなに変わるのは面白い。

こんな感じでバスケの専門用語はかっこいいので、聞くのも使うのも気分が良い。
こういうのは言ったもの勝ちだと思うので、私の日常所作もバスケの専門用語っぽくしたい。
手始めに、定時で退社することを「オン・タイム・プレイヤー」、二度寝してしっこすることを「トゥワイス・スリープ・ピー・プレイヤー」と呼ぶことにする。

今後も増やしていこう。使ってもらって構いませんよ。

この記事が参加している募集

Bリーグ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?