全裸でファミマに行かないで

私は人よりも不安を抱えやすい性質なのだと自覚している。時折自分だけでなく、世界そのものが信じられなくなることがある。

例えば、銭湯。
全裸になり、脱衣所の冷たい床をペタペタ歩いて浴場へ向かう時、いつも一つの不安が頭をよぎる。

このドアを開けた先が浴場ではなく、ファミリーマートだったらどうしよう。
「この先大浴場」と書いていないし、「この先ファミリーマートではない」とも書いていない。私が知らないだけで、浴場だと思っていた場所がファミリーマートに改装されていたらどうしよう。全裸とタオル一枚でファミリーマートに入店してしまう可能性が1%はあるのではないか?

流石にここでスタッフの方に「この先ってファミリーマートではないですよね?」と聞くことはしないが、このように世界を疑ってかかる自分が私の中に存在していることは確かだ。いつかその自分が抑えきれなくなった時、私は何も信じられなくなってしまうのではないか。そして浴場をファミリーマートだと思って入場する人間が誕生する。

私が不安を感じやすいのは、自分が為すことを一切信用できないからだと思う。だから基本的に、全ての行動が二度手間、三度手間になる。
何かの申し込みをするときは本当に間違えて入力してないか最低4回は確認するし、飲み会の幹事を任されたときは、人数や日時をお店に間違えて伝えてないか不安になり、何度も確認の電話を入れる。
ああ、なんて生きづらいことか。









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