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就職時、自動車部品業界を選ぶ際の留意点 #10

こんにちは。

記念すべき10回目の投稿となります。

本日は就職先としてはそこまで人気はないが裾野が広い自動車部品業界について語っていきたいと思います。


自動車部品業界とは?

読んで字のごとく自動車部品ですので自動車を構成する部品群を指します。
自動車部品メーカー(以下サプライヤー)が自動車メーカー(以下OEM)と自動車部品仕様を合意のもと設計・製造を行い、納品を行います。
OEMは納品された部品群を組み上げて世の中に自動車を供給します。

https://car.motor-fan.jp/tech/10014529より引用

自動車部品とは?

自動車部品とは何か?と聞かれてパッといえる方、イメージできる方、意外と少ないと思いますので改めて自動車部品とは何か書き出してみたいと思います。

  1. ハンドル

  2. ミラー

  3. メーターパネル

  4. シート

  5. ドア

  6. ウィンドウガラス

  7. エンジン

  8. ペダル

  9. タイヤ

  10. ライト

ざっと書き出してもこれだけの部品が出てきます。
知っている部品、または現在これらの部品に関わっている方、興味を持っている方いらっしゃると思います。

これ以外にも普段は目につかない部品があります。

  1. ハーネス

  2. トランスミッション

  3. サスペンション

  4. ガソリンタンク

  5. アンダーカバー

  6. ボディー

  7. エアバッグ

  8. 運転支援系のセンサー類

  9. 横滑り防止装置

  10. 補器類(鉛バッテリー、ウォッシャー液…)

ここに記載した以外にも細かく分類していけばもっと出てくると思います。
自動車部品はガソリン車ですと総数約10万点ともいわれています。

自動車部品業界就職するなら?

おすすめは電気・電子分野の部品を扱っているサプライヤーです。
例えば上記で挙げたメータパネル、運転支援系のセンサー類、横滑り防止装置などを扱っているメーカーです。

具体的には….

ボッシュ・・・ドイツ系企業

コンチネンタル・・・ドイツ系企業

デンソー・・・日系企業

ZF・・・ドイツ系企業

アプティブ・・・アメリカ系企業


ヴァレオ・・・フランス系企業

マグナ・・・アメリカ系企業

日立アステモ・・・日系企業

これらのメーカーを挙げた理由としては自社で標準設計された製品を持ち、特定の領域において開発力、シェアが高いメーカーだからです。
これらの企業はシステムサプライヤーと言われるカテゴリーに属し、ハードウェア、ソフトウェアを組み合わせてシステムとしてソリューションを提供することができる企業となります。

系列ではないため特定のOEMに依存せず分野によってはOEMと対等な立場で仕事ができます。
また近年の車両開発はソフトウェア開発に比重が高くなってきているため上記企業は今後も業界の中では大きな役割を果たしていくと考えております。

*開発部隊に入る場合は英会話が必須となります。

日本の自動車部品業界の問題点

自動車部品業界はOEMを頂点としたピラミッド構造で成り立っています。
そのため基本的にはOEMの無理な要求を受けざるをえない構造的な問題点があります。

この無理な要求(短納期、苛烈な原低要求、低単価/高品質要求)を受け入れなかった場合、次のプロジェクトの受注に影響するようなことを購買担当者(発注責任者)から言われたりしますのでその度に現場はギリギリの調整を行って要求を受諾するといったことが頻繁に起きています。
(場合によってはコンプライアンスに抵触するような案件も実際は起きていると思います。)

近年、自動車業界で不正が次々と発覚しているのはこういった背景からだと思います。また縦割りで部署を分割し、柔軟に物事に対処できなくなっていることもこういったことを冗長していると思います。

全員ではないですがOEMの社員でサプライヤーを見下している社員は少なくないです。本来であれば協力関係でありサプライヤーなくしてOEMの企業活動は成り立たないはずですが「できないことは認められない、なんとかしろ」とサプライヤーに対してふんぞり返っている社員は少なくないです。

こういった風通しの悪い雰囲気が不正を助長する流れを作ってしまっているのは間違いないと思います。

特に系列サプライヤー(OEM子会社、OEMが大株主、主要顧客)がその傾向が強いですが上記で挙げた系列を持たない独立系システムサプライヤーでも似たような状況が起きていますのでこれから自動車部品業界へ就職される方は上記のような状況を理解の上で入社することをお勧めいたします。

ダイハツ不正発覚に思うこと

いつものトカゲのしっぽ切りで終わらせてほしくないというのが業界関係者としての意見です。

「なんとかしろ」
この魔法の言葉がすべてを可能にしてしまっているのが最大の問題だと思っています。トップマネジメントの方々は不正でもなんでもして評価試験を通せとは絶対に言わないです。

「この日までになんとかしろ」
これだけで具体的な方策は言わないのです。
その後、何かを行った後の結果だけ見て「よしよしうまくいっているな、次も頼むよ。」
こんな感じです。こういったトップ、マネジメント層が責任をとらない形態が不正を助長する空気感を作り出してしまうのだと思います。

最後に

自動車部品業界は自動車好きで数年働くという意味ではいい業界だと思います。上場企業筆頭に大きな企業ではそれなりにWLBも保証されています。

私は自動車開発がしたいという方は自動車部品業界へ行くべきかと思っています。なぜならOEMの仕事は基本的にサプライヤーの管理、評価だからです。

OEMが決めるのは仕様定義までとなり、実際に仕様として成立させるのはサプライヤーとなります。

部品によりけりですが近年の自動車開発においてはボッシュ、コンチネンタル、デンソーといったシステムサプライヤーに対して開発を委託するような形態が一般的で上述の通りOEMが仕様を決めて、サプライヤーが仕様を作りこみ、実現させます。
また世の中的にはOEMが自動車の未来を描いているように見えますが実際には上述のシステムサプライヤーが各部品ごとに将来を描き、OEMへ提案します。実際には彼らがあたかも自分が作り上げたかのように宣伝しているだけなのです。

サプライヤーで働くことは辛いことの方が多いかもしれませんが(特に開発部隊)その分「俺が、私が、この車の部品を設計したんだ」という非常に強い達成感を抱くことができると思いますので興味のある方は是非一度、会社のホームページなどをご覧いただければと思います。














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