一時的自由人

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時間を味方につけること

腕と肩の境目あたりを骨折したのだが、病院に行くと「これはひどい、すぐ手術しなさい。手術しても後遺症が残るだろう」という医者と、「このぐらいなら手術しなくても自力で治せるだろう」という医者がいる。 どちらを信用すべきなのか分からなかったし、私自身も骨折から1ヶ月経って固定していた布を外したときに、腕が全く上がらなくなったのには少なからず動揺した。そうなると、やはり悲観的なことを言う医者の意見をベースに考えるようになる。 おそらく、普通に過ごしていたのでは、完全には治らないの

    • 本を聴く習慣

      audibleという本の朗読サービスがある。かつて別の朗読サービスを契約していたことがあるが、どうしても集中力が続かず、内容が頭に入ってこないのでやめてしまった。ここ数年は、専らYouTubeか、spotifyでCOTENラジオを聴くぐらいである。本は、やはりもともと目で文字を読むことを想定して作られているから、朗読されたものを耳で聞いても理解が深まらないと思っていた。それに、一冊の本で14時間とかあったりするので、時間的にも膨大な感じがする。 1週間前に、YouTubeに

      • 統計上の例外

        骨折の仕方が悪かったらしく、まだ腕が上がらない。私はスポーツを全然しないので生活への支障はそこまで大きくない。しかし、医者から「あれ?まだ上がらない?おかしいな」と言われると不安になってくる。「もしかしてずっとこのまま上がらないのかな」などと。もちろん医者はそんなことは言わず、「まあ時間はかかるけどそのうち上がるようになるでしょう」と言う。 普通に考えて、医者が「そのうち治る」というものは大体治るのであって、私の腕だけが医者の想定外に推移する可能性は低い。それでも、自分はそ

        • 毎朝お寺に行く

          朝、近くのお寺に行って瞑想するのは、私にとってハードルの低い行動である。6時に目覚めさえすれば、ほぼ確実に実行できる。そして、6時に目覚めることは、前日に目覚ましをかけさえすれば、よほどのことがない限り実行できる。 (いま、自分で文章を書いていて、目覚ましが自動的に毎朝6時にセットされれば、自分は毎朝きちんと寺で瞑想でき、生活満足度も向上するだろうと気づいた。なのでその設定をやってみた。) 早く起きてすぐに外に出ると、早朝の良い匂いがする(都内でも早朝は平等に良い匂いがす

        時間を味方につけること

          骨を折る

          一ヶ月ほど前に右腕を骨折した。生まれて初めて骨折したので、どういう経過を辿ってどのぐらいの時間でどこまで治るものなのか分からず、骨折当初はそれなりに不安であった。 私は基本的に健康で、健康診断もほぼ問題なしなのだが、一昨年に耳が聞こえにくくなる病気になった。原因は厳密には不明だがおそらくはストレスで、コロナで外出が大幅に制限されたこと、その状態でさらに家族と離れて一人暮らしだったことが理由だろうと思う。 たかが耳じゃないか、と思うかもしれないが、感覚器官の不調は想像以上に

          怪我の功名

          健康に本気で気をつけるには、大きな病気をするとか、いずれにしても主観的に追い詰められなければならない。逆に、特に追い詰められてもいない人間は、健康という漠然とした状態を維持するために、長期間本気を出し続けることは難しい。 健康であるときに健康を維持するための努力をし難いのは、その人にとって「健康」というものがリアルではないからだ。怪我をしたり病気をしたりすると、それらの怪我や病気が取り除かれた「健康」な状態というものを、逆にリアルに想像できるようになる。それを手に入れるため

          子供の習い事

          小学校3年生の息子がサッカーを習っている。私としては、体を動かしてもらえば健康になるし、サッカーを通じてそこはかとない友情や、最低限の礼儀などが身に付いたらいいなあ、ぐらいの感じで始めさせたものだった。うちの息子は、運動よりゲーム、争いごとはあんまり好きでないし、ボールの扱い方一つとっても明らかにセンスは平均以下と見えた。親の私自身が全くの運動音痴だから、息子の活躍してない練習風景や試合を見ても「まあ、そりゃそうだよね」というぐらいで、かなりつまらない気持ちで土日を潰していた

          子供の習い事

          名著『継続するコツ』

          『継続するコツ』という本を読んで、久しぶりに目から鱗の感覚。最近は本を読んでも、「どこかで聞いたことあるよな」という感じだったが、今回はなかなか興奮した。 何が自分にヒットしたのか、あえて正確でなくなるように原文を調べずに書き連ねてみよう。 著者は物書きだから文章を書くことを継続している。で、継続がもう生きる目的のようになっているそうだ。この感覚、自分もいっとき掴みかけた(というか一時的に掴んだことがあった)からよくわかる。 著者が継続できるのは、書きたいことだけを書いて

          名著『継続するコツ』

          続ける技術2

          例えば、お菓子が好きな人がお菓子を我慢するのは大変で、私もしょっちゅう誘惑に負けてスナック菓子を一袋まるごと食べてしまうし、でっかいアイスなんかも一口だけのつもりが一箱完食し、最後はフタの裏までなめてしまうぐらいだ。「もうこれ以上食べない!」と決めてゴミ箱に捨てたかっぱえびせんを、ゴミ箱から拾って食べたこともある。そんなバカみたいに食べてしまうのは、今日一日食べても、体にすぐに異変が起こるわけではないからだ。 もし、お菓子をちょっとでも食べたら即座に15キロ太る体質の人がい

          続ける技術2

          続ける技術1

          ありあまる暇と孤独の日々をすべて、やたら時間のかかる瞑想にぶつけてみる。それによってどういう変化が自分に起こるかを、自分の人生で確かめる。私の人生の中で、2021年という1年は、その実験のために投資するのだと思いを定めた。分散投資はせず、集中投資の一点張りである。 ところが、生身の肉体を持っている私は、頭で決意した通りに体を動かすことに苦戦する。頭の方でも、「今日は天気がいいから、瞑想するより外に出る方が楽しそうだな」「瞑想する期間はまだ数ヶ月もあるから、何も今日始めなくて

          続ける技術1

          ありあまる暇と孤独の活用

          これは、私自身の無聊を癒すために書く文章である。 私は、日本のある大手企業に勤めるアラフォー男子である。いまは、とある国に駐在員として派遣されている。その国の名はここには書けないけれど、とにかく日本からはあらゆる意味で遠い。そして、その国ではコロナが猖獗を極めていて、2021年6月の今になっても、何度もロックダウンを繰り返している。私には美しい妻と可愛い子供がいるが、こういう状況なので愛すべき家族は日本に帰った。私は一人でこの国に残り、この国の人たちと仕事をしている。仕事は

          ありあまる暇と孤独の活用