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浅田真央 BEYONDツアー  私が初めてアイスショーを見に行った理由

バンクーバーオリンピック(2010年)終了後、競技活動を終える2017年まで、真央さんの演技を見たのはソチオリンピック(2014年)のショートとフリーだけでした(全てテレビ観戦ですが)。見れなかった。バンクーバーで一段低いところに立っている真央さんを見て、「もう競技の世界はいいよ、真央ちゃん」という思いがした。採点結果は抜きにして、どうしてもその光景を受け入れることができなかった。その時から、真央さんがこのようなショーの中で躍動している姿をずっと思い描いていましたが、本当に実現するとは思っていなかった。NHKの番組「私を超える」の冒頭で、「シェヘラザード」の短いシーンが映し出された時、正直涙が出てきた。感無量というか、本当に感動しました。

 2月に投稿した記事に演目を追加し内容も見直し、新たに投稿します。どちらかというとダンサーとしての浅田真央さんに惹かれているフィギュアスケートの知識には全く疎い自分なりに見た、『BEYOND』と浅田真央さんの魅力です。

※「シェヘラザード」と「幻想即興曲」以外はほとんど衣装と映像のことしか書けませんでしたので、そこはご容赦ください。
※大千秋楽公演のライブビューを見て、演目内容に加筆・修正を加えました。だいたいの演目時間も追加しました。(2023.7.21)
※ブルーレイを見ていくつか書き加えました。(2023.10.8)


・ アイスショーも進化する

 前回の「サンクスツアー」で、浅田と専属メンバーが時間をかけて演目を仕上げ全国各地をツアーで巡る、という劇団のような公演形態を新たに確立した浅田が、新たなメンバーで内容も一新した浅田真央ツアー第2弾。バラエティー豊かで華やかでキュートな一面もあるが、ズシリと手応えのある重厚なショー。手のこんだ仕立ての豪華な衣装、大型スクリーンの想像力をかき立てる映像、時に情動的/内省的なテーマ、バレエ題材の大作、そして革新的な振付けと演出 。「覚悟と進化」というショーコンセプトのとおり、『BEYOND』は前作を超えただけではなく、アイスショーの概念も大きく変えた、と言えると思う。  

♬ 01   
Sing Sing Sing⋆                                                                             
(3:40)

                     Louis Prima(Benny Goodman)
 浅田/今井遥/小山渚紗/松田悠良/今原実丘/小林レオニー百音/田村岳斗/柴田嶺/中村しゅう/山本恭廉たかゆき/マルティネス・エルネスト

 草むらで眠りについている真央さんの手のひらに、金色の一粒の雫が落ちる。真央さんは目覚め、明るく降り注ぐ光に向かって昇っていく。そして、旅がはじまる。光のスピードで。 

こ れ は 、私 た ち の 進 化 の 物 語 。

映像によるメンバー紹介が続き、いよいよはじまる。
”座長” 浅田真央とメンバー全員によるオープニングを飾るナンバー。大型スクリーンの眩い光を背景に、影絵のように浮かび上がる一人一人の個性的で粋なフォルム。このアイスショーがひと味違うショーになることを予感させる。照明がメンバーの姿を映し出し、金色に輝く『BEYOND』のタイトルロゴをバックに、スパンコール煌めくゴールドのハットに燕尾服、ジャズスタンダードの軽快なリズムに乗せて、ショーの幕が切って落とされる。それはクラシカルなレビューの雰囲気。規律の取れたフォーメーション、キレのいい動き、ハットを巧みに使った振り付け、スピード感あふれる滑り。会場の空気を震わすように打ち鳴らされるドラムと響き渡るハイトーンのブラスの音色に合わせ、迫力あるパフォーマンスが繰り広げられる。11名総勢のラインダンスも披露され、そのメンバー全員の笑顔が観客をショーの世界に一気に引き込んでいく。浅田を中心にした最後の決めのポーズがカッコいい。

『 ようこそ、BEYONDツアーへ  ! !  』

costume:村田 菜穂

♬ 02   
I Got Rhythm⋆                                                                               
(5:40)

                          George Gershwin
浅田/小山渚紗/松田悠良/今原実丘/小林レオニー百音/田村岳斗/中村優/山本恭廉/マルティネス・エルネスト

 水玉/チェック/ストライプ、フレアスカート/バンダナ/サスペンダー、50年代風のカラフルな衣装。背景は、そびえ立つ山並みと麓にある大きなログハウス。cafeの文字が見える。田舎のレストランをイメージしたものか。若い店員(?)に扮したメンバーたちが、小道具のモップやお盆を持って踊るミュージカル風の楽しい演出。事実、ジョージ・ガーシュインがミュージカル用に作曲したものだそう。HIROMI氏によるリズムに乗った振り付けを満面の笑みで踊るメンバーが可愛い。赤/青/黄色/オレンジ/ピンク/水色、可愛さに見惚れていると、カラフルなお菓子たちが踊っているように見えてきた。ディズニーアニメやディズニーランドのショーという雰囲気もある。フィギュアスケーターに憧れる女の子は、きっと目をキラキラさせて見ていることだろう。ちなみに浅田は「平和を願うやさしい女の子」の役回りとか。グループナンバーとしての完成度は非常に高いと思う。

costume:村田 菜穂

♬ 03   
ラヴェンダーの咲く庭で                                                               
(3:30)

                              Nigel Hess
今井遥/柴田嶺 ペアプログラム

 一面に広がるラベンダー畑の向こうに見えるのは、小高い丘の上に浮かぶ大きな太陽。ゆっくりと沈んでいき、周りが茜色から少しづつ薄闇に変わっていく。ラベンダーの紫色を薄く薄くした色合いの衣装。バイオリンの心を揺さぶる音色、郷愁を誘いながらも次第にドラマティックにクライマックスに上り詰めていく。美しくも切ないラブストーリー。

今井遥のしなやかで流麗なすべりが冴え渡る。まさにこれぞ正統派のフィギュアスケーティングという印象。ジャンプは1本も飛んでいないが、それが個人的には好印象。ジャンプは観る側も少し緊張するので、特にこの演目のような儚さや切なさが主題の場合は、それを抜きにしたほうが心穏やかに見ていられて、その趣に浸れる。最後の最後、エンディングで披露する高速スピン?のシルエットが美しく感動的。一方、柴田嶺は飛んでいるが、これは女性の優しさと男性の力強さの対比を鮮やかにする意味でとても効果的に感じた。ジャンプだけでなく、軸のしっかりした綺麗な身体のライン、表情豊かな身のこなしとスケーティングが見事。

「I Got -」の賑やかで楽しい雰囲気から一転し、しっとりとした大人の雰囲気で、ショーに落ち着きが出てくる。

costume:SATOMI  ITO

♬ 04   
Say Hey Kid                                                                                   
(2:30)

                          John Pizzarelli
松田悠良/マルティネス・エルネスト ペアプログラム

 ニューヨークの夜のダウンタウン。映画館、ネオンサイン、イエローキャブ。なんと呼ぶのかわからないが、レインボー色のふわふわのフェイクファーをスカートみたいに、尻尾みたいにくっつけて、キラッキラの上半身の衣装が照明に映える。松田悠良の笑顔とエルニの組み合わせもぴったり。真央さんの小学生の頃のプログラムだそうで松田がその振り付けを一部取り入れているとか。4連続ジャンプも可愛く決めている。二人の掛け合いのパートでは、お洒落なジャズダンス(?)的な振り付けで、コンビネーションも巧みでリズムにもよく乗っていて、見ていてるこちらも楽しくなってくる。子供達にもウケがいいと思う。

costume:村田 菜穂

♬ 05   
Pick Yourself Up                                                                            (3:00)

                    Jerome Kern/Dorothy Fields
田村岳斗/中村優/山本恭廉

 前の演目の松田が扮する女性を誘おうとするが振られて、男3人が気を取り直し街へ繰り出す。背景は夜の高級バーのカウンター。ナット・キング・コールのあの歌声が、いやが上にも大人の雰囲気を盛り上げる。田村岳斗が黒を基調にしたスーツ、中村優と山本恭廉が白の上着に黒のパンツ。どれもラメが散りばめられている。頭のボルサリーノがキザ。

田村岳斗が、若い二人に男のお洒落な振る舞いを教える兄貴分という感じ。3人の小粋な演技、男性スケーターの力強さ、ダイナミックさが魅力の演目。中村優の3アクセルをはじめ3人がそれぞれジャンプを披露している。踏み切りや着地の時にブレードが氷を噛む音を間近に聞くアリーナ席では、そこから感じる迫力や見事にキメたときの華麗さがまた格別なのだろうな、と2階席から想像していた。これがお目当ての女性ファンの方も多いのでは? エンディングの帽子を小道具に使ったキメのポーズなど、演出も気が利いている。兄貴分、田村岳斗の貫禄がシブい。

この演目で、ショーに「男っぽさ」という新たなスパイスが加わる。

costume:村田 菜穂


〜 舞台は現代のニューヨークからアラビアンナイトの世界へ 〜

♬ 06   
シェへラザード⋆                                                                            
(6:00)

                           Rimsky-Korsakov
浅田と柴田嶺によるペアプログラム。バレエ「シェヘラザード」の『ゾベイダと金の奴隷の踊り』がベース。(公式プログラムより)

 氷上のフィギュアスケートで、「男と女」の愛の核心を大胆に描ききっている。柴田嶺が、浅田の魅力に負けない存在感で浅田と対等に渡り合い、互いに高め合い、従来の表現の限界を超えていく。二人の熱演が見もの。

肌も露わな色香漂う衣装と濃厚な振付け、エキゾチックで妖艶な雰囲気を醸し出すLEDのアラベスクの揺らめき。その世界観を官能に傾きすぎず神話的に演じきれるのは、ごく限られた人だけに許された特権だろう。この演目に、浅田のこのショーに賭ける並々ならぬ意気込みと本気がうかがわれる。

冒頭、リンクの手前右隅に、あけぼののような照明を浴び、孔雀の飾り羽を1本だけあしらったティアラを着けた浅田が佇む。バイオリンによるシェヘラザードの主題が聞こえると、両手を伸びやかに天に差し揚げ、陽の光を全身で受けとめるように胸を反らし手を広げる。いったん客席の方を振り返ると、泰然とした眼差しを向け、一歩踏み出しながら半ば威嚇するような素振りから、獲物を仕留めた鷲のように悠然と両腕を広げる。くるりと向き直ると、籠から解き放たれるように、そこからそろりと滑り出す。両腕を交互に羽ばたかせるように上下させ、大空を滑空するが如く緩やかなS字を描きながらリンク中央を縦に切るように、しだいにスピードを上げていく。頂点に達すると、つむじ風のようなツイズルに移行しながら左に方向を変え、ロングサイドの客席と相対しその直前で氷飛沫しぶきをあげてピタリと止まる。その場で、脚を揃え両腕を広げ十字架のようなフォルムになり、両側から迫る壁を押しとどめるかのようにてのひらを立て、顔を上げ真正面を見据え、短く刻むバイオリンの音色に合わせ、そこに至る柔らかな曲線の軌跡を断ち切るように、後ろ向きで真一文字にリンクを横切っていく…

 … 氷上の十字架、あるいは氷に突き立てたつるぎか。 スポットライトを浴び銀盤にひとり凛と浮かび上がるその姿は、そこに宿る揺るぎない強さと自信によって、その場を支配する。見ているのは私達ではなく、私たち観客が浅田真央によって見られるのだ。そして、その刹那、フィギュアスケーター『浅田真央』像 が真の ”浅田真央自身” にピタリと重ったかのように、私には感じられる。そこには、たった一人の浅田真央しかいない。演じるでもなく、評価されるでもなく、見守られるでもない存在。自立、自由、解放…

王が狩りに出かけている留守の隙に、好みの美しい奴隷と戯れる王の愛妾あいしょうゾベイダ。挑発し奴隷の心を弄ぶような仕草。近づき、時には離れ、寄せては返す二人の距離が、欲望と躊躇ためらいの間で揺れ動く心のあり様に見えてくる。しかし、境遇は異なるが、お互い囚われの身であることには変わりはない。しだいに惹かれあっていく二人。見つめ合う眼差し。肌と肌が触れ合う。熱い熱い抱擁。氷の上で二つの炎が絡み合っていく。うねるような時間。身分の境界が破れ、二人の時間がひとつに溶けていく…

柴田の頭上より遥かに高いリフト、柴田のサポートによるスロージャンプ、柴田の膝の上で氷に頭が付きそうなくらい体を反らすポーズ、柴田に体重を委ね両手を離すスウィング。浅田がそこで見せる柴田への信頼感は、ゾベイダと金の奴隷の関係性を想像させ、その浮遊感はゾベイダの心の高揚を表現しているようにも感じとれる。意識の宿ったような指先の表現が、張り詰めた空気感をリンクの上に作り出している。

場面は変わり、

巨大な紅蓮の炎を思わせるイメージが大型スクリーン全面で揺らめく。暗闇の中に左右に延びる真っ白な帯がライティングで氷上に浮かび上がり、その中央に何かを達観したような二人が背中合わせに座る。炎を背景に佇む二人。濡れたように光る肌。その構図、色彩、光のコントラストの美しさ、神々しさ。絵画のようなこの一瞬は、アイスショーの歴史に永遠に残る名シーンだと断言したい。

ひとときの静寂は去り、ここから曲は胸騒ぎを覚える不穏で激しい旋律に変わる。二人は何かに突き動かされるように、この演目のクライマックスといえるリンク全面を縦横に疾走する躍動的で緊迫感のあるペアスケーティングに移行し、ついには劇的なフィニッシュを迎える 。 二つの魂が繋がる。巨大なアラベスク模様は神の目か。

このラストの70秒間、心臓の鼓動や宇宙のエネルギーのうごめきのようなものもイメージさせる映像と、柴田・浅田による凄みさえ感じる渾身の滑りが重なり合い、神聖とか輪廻転生とか運命とか、そのようなものもそこに見えてくる。回る、周る、まわる、二人も、アラベスクのイメージも 、時間も、空間も…。『BEYOND』の”核”が密やかにそこに在るような気がする。

オリンピック金メダリストで、後にフィギュアスケートとバレエを高度に融合したアイスショーを主宰したイギリス出身のジョン・カリー。自分の中では、カリーの最高傑作と謳われる、同じくバレエが原作の「牧神の午後」のとなりに、この「シェへラザード」は位置している。贔屓目かもしれないが、総合的には負けていないと思う。浅田の現役時代のプログラムを数多く手がけた振付師のローリー・ニコルが、若い頃にカリーのショーの一員だったという事実にも、何か運命のようなものを感じたくなる。

そして、冒頭50秒間の浅田真央の一人滑りを目にして、バンクーバーオリンピックからの12年間の胸のつかえが下りた。ツイズル前からツイズル後への表現の変化、『柔』から『剛』へ、『曲線』から『直線』へ 、その明確な演じ分けに、強い意志そして意図も感じる。浅田真央が作り出した最高傑作のシーケンスだと思う。

costume:SATOMI  ITO

最も個人的なものが、最も創造的だ

マーティン・スコセッシ

♬ 07   
カルメン                                                                                         
(11:00)

                              Georges Bizet
今井遥/小山渚紗/今原実丘/小林レオニー百音/中村優/山本恭廉/マルティネス・エルネスト

 女性4人、男性3人のコラボレーション。衣装が素晴らしい。女性陣は比較的シックにまとめられていると感じるが、男性陣のマタドール風の上着に施された装飾の豪華さ。アカデミー賞も受賞したデザイナーの石岡瑛子さんが、「衣装の出来しだいで俳優の演技も変わってくる」という趣旨の発言をしていた。このマタドールの衣装も、身につけるだけでスケーターの演技にもプラスアルファが生まれている気がする。

女性メンバーは各々がソロを取れる構成になっている。優しさの今井遥、大人の魅力の小山渚紗、溌剌とした今原実丘、熱情溢れる小林レオニー。今井の背景映像は淡い色合いの花びらのカレードスコープ、小山、今原、小林は真っ赤なグラフィックが舞い、赤の照明とともにリンクの上を情熱で埋め尽くす。それぞれの衣装のメインカラーは、マゼンタ、赤、ゴールド、黒。四人のカルメンも4者4様でそのコントラストが妙。

最後に全員が揃って滑るパートは、真央さんがその衣装を見て演出に追加したとか。確かに、宝石箱の宝石を並べたような煌びやかさがある。豪華絢爛。

costume:SATOMI  ITO

♬ 08   
バラード第一番⋆                                                                            
(4:00)

                              Chopin
 浅田のソロ
 
 公式プログラムの本人のコメントによると、テーマは「孤独」。前述のジョン・カリーも、ドキュメンタリー映画※の中で、「フィギュアスケーターは孤独だ」と吐露している。浅田はこうも言っている、「自分自身の心の奥底に思いを巡らせ孤独と向き合います。そしてその中に小さな希望を見出し、最後は孤独を超えていく」。孤独と向き合っている姿に、彼女の強さと聡明さが見えてくる気がする。このコメントを聞いて演技を見ると、私はただ沈黙するだけなのです。それは、ショパンのピアノの一音一音がそのまま一筋一筋の雨粒に変わったような静謐なブルーの映像を背にしてはじまる…

※「 The Ice King (邦題)氷上の王 ジョン・カリー」

costume:村田 菜穂

♬ 09   
幻想即興曲⋆                                                                                   
(4:30)

                              Chopin
Seishiro氏の振付・演出によるメンバー全員による群舞。

 長く柔らかな衣装の裾を翻したスケーターは、弧を描きながら滑らかに集合し花を咲かせ一体となった後、花びらが散るように、また離れ離れに広がっていく…

二手に分かれひざまずきながら控えるスケーターが氷上に斜めに花道を作る。浅田がひとり袖からあらわれ、光のように、風のように、そこへ入って行く時、『BEYOND』の成功を確信する。女神である浅田はピアノの旋律を唄いはじめ、従者であるスケーターはハーモニーのチェロを奏であわせる。浅田の腕の動き、指先の仕草、首の振り方、ステップの踏み方、上体のしならせ方、反らし方、タイミング… 。そして、チェロの稠密な音をイメージさせる各スケーターのアシンクロでゆったりとしたからだの揺らし方。振りそのものから、ピアノの音色が聴こえ、芳醇な和音の色彩が立ち現れるかのようだ。その、なんと甘美なことか。そこには、萌え出でる命、不揃いなものの完全なる調和、心打たれるなにか、がある。フィギュアスケートに新たな表現が誕生した瞬間である。

浅田を中心に展開される、淀みなく連鎖する互いの動きの複雑なコンビネーション、変幻する幾何学的で美しいフォーメーション。引き延ばされ、捻れ、さらにまた収斂し、虹色の光を放ちながら揺らめく時間と空間。その、たゆたい渦巻くような舞の美しさは、ほかの舞台芸術の世界でも決してなかっただろう。どんな舞踏やバレエでもこの表現は出せない。アイススケートが元々持っていた可能性、”重力の束縛”から”半分自由になれる”という特性が、この演目によって完全な形で実を結んだと実感する。群舞の中に作り出す「動」と「静」の滑らかで鮮やかな対比から、繊細微妙な色彩感が醸し出されている。

レースと薄い透き通る生地をふんだんに使った、その羽衣のような純白の衣装は、演出のイメージとその舞と奇跡的なほどに見事に溶け合い、天上の世界をリンクに浮かび上がらせていく。

柔らかな微笑みをたたえた天女
翼を拡げ宙を舞う鳥
咲き誇る大輪の花
ひらひらと乱舞する蝶
楽しそうにワルツに興じる天使
満天にきらめく星座
淡い光を放つ天の川

女神の祈り…

そして… 私たちの見ていたものは静かに消えていく… 夢のように

革新的作品だと思う。

costume:村田 菜穂

何事の
おはしますかは
知らねども
かたじけなさに
涙こぼるる

西行

♬ 10   
シュニトケ:タンゴ                                                                       
(4:30)

                      Alfred Garyevich Schnittke
田村岳斗/中村優/山本恭廉/マルティネス・エルネスト

 男性陣4人によるリレー形式のソロのコラボレーション。調べてみたら、映画「ロマノフ王朝の最期」(1981年ソ連、ロシア)の挿入曲として使われた、旧ソ連出身の作曲家 アルフレート・ガリエヴィチ・シュニトケの曲。何かそこはかとない陰鬱さが漂う。背景映像もモノクロ調で、蛍の光跡のようなグラフィク、石積みの黒い壁、大きな換気扇から薄暗い室内に差し込む光、というかなり不気味な演出。臙脂色のシースルー?の衣装がこれまた妖しい。

エルニの特徴的な振り付けが目を引く。さすがタンゴと縁が深いスペインの出身、一味違うものを感じさせる。特に演目のはじまり、静止状態の物憂いな表情で黄色の照明に浮かぶ、タンゴというかフラメンコの趣もある両足のブレードを交互に前後にスライドさせるステップと手の仕草の風情。そこから移動しながら、タンゴのリズムに合わせ、後ろに蹴り上げるような膝から下のしなやかな動きが艶かしくも見えるステップの独特さ。一方、田村岳斗はその陰鬱な雰囲気を吹き飛ばすように、ジャンプやスピンなどの技を次々繰り出し、最後は凛々しい顔のかっこいいポーズで締める。

※ブルーレイで何度も見ていたらクセになってきた。この演目の山本恭廉もいい。真央さんがこれを滑っていた姿は想像できないのだが…
※この曲はわりと短い同じメロディーが基本的に繰り返されるのだが、ここではごく小編成の演奏からはじまり楽器のアンサンブルを変えながら音数もしだいに増えていく。ラベルのボレロに少し似た雰囲気だ。その曲調の色合いの移り変わりとエルニ、中村、山本、田村の順番がピッタリハマっているということに気がついた。気怠い雰囲気の冒頭はエルニでなくてはいけないし、ダイナミックさや前向きな活力のようなものも感じる最後は田村岳斗のスケールの大きな滑りでなければならない。中村、山本の順番もいいのだ。中村は若武者的、山本は中性的。起承転結の「承」と「転」をきっちり担っている。また、リンク面を照らす足元のライトも変化していく。エルニはすべて暗い青、中村は赤と青の混合、山本は赤/青/緑の三色、そして田村では明るめの青に戻るが、そこに格子柄が浮き出ている。そして田村のフィニッシュと同時にリンク一面が真っ赤に染められる。このように曲調の変化と視覚的効果、そしてそれぞれの個性を生かした滑りの変化で、一見単調なようで知らず知らずのうちに引き込まれていくようだ。

costume:村田 菜穂

♬ 11   
白鳥の湖⋆                                                                                      
(18:30)

                            Tchaikovsky
 浅田/今井遥/小山渚紗/松田悠良/今原実丘/小林レオニー百音/田村岳斗/柴田嶺

 悪魔ロッドバルドにより白鳥の姿に変えられてしまった娘オディット、そのオディットに恋するジークフリート王子、オディットを装い王子をたぶらかそうとする悪魔の娘オディール。浅田がオディットとオディールの二役を演じ、王子を柴田嶺、ロッドバルド役に田村岳斗の役どころ。女性メンバー全員が白鳥に扮する。バレエの舞台をかなり忠実になぞった構成のようだ。

もやが漂う月夜の穏やかな湖面。お城の尖塔が遠くに霞んで見える。映像と照明でブルーに浮かび上がるアイスリンクが、まさに夜の湖になっている。冒頭、白鳥役の5人が輪になって低く佇む。上体をわずかに揺らめかしながら、翼をゆっくりゆっくり上下させる。水面みなもで羽を休める五羽の可憐な白鳥。もう、それにしか見えない。静けさ ー 月夜 ー 儚さ。ただただ、美しい。

今井遥を中心に白鳥5人が横一列に並んで、リズミカルな曲に合わせ可愛く品をつくり、正面客席に向かってゆっくりステップを踏んで進んでいく。客席からも手拍子が湧く。そのあと5人がVの字に展開し、後ろの二人ずつが後方にはけていく。4人が輪を描いて回るその真ん中で今井遥が見せるスピンが、蝋燭の灯火のようにも見え美しい。そこへ、王子とオディットが登場し、楽しそうなダンスを繰り広げ、最後は白鳥5人に囲まれて、オディットが王子の腕の中で体を目一杯反らし、王子はそれを優しく見つめ片手を美しく伸ばして、二人のなんとも美しいフォルムで締める。個人的にはかなり気に入っているシーンだ。(バレエでは第2幕 No13.白鳥たちの踊り CODA)

浅田が纏う黒鳥(オディール)の衣装が強烈。全身黒だが、粗い柄のレースの黒いストッキングを片方の脚にだけ身につけたそのルックスから、魔性、邪悪さが漂い、可憐な白鳥とのコントラストが鮮烈。浅田自身が持つ多面性の反映と見えなくもない。田村/柴田によるオディールの高い高いリフト、まさに空飛ぶ鳥のようなポーズが、エンタメ的な華を添える。オディールに騙されているとは知らずに恋に浮かれた王子-柴田が、一人滑りで披露する複数回のバレエジャンプは高さもありそのフォルムが美しい。リンク中央で、大きな円を描きながら浅田が舞う鬼の連続グランフェッテは、オディール(黒鳥)が高い空から魔性・魔力を誇示しているかのようだ。これも、この演目の大きな見せ場のひとつ。

白鳥、ロッドバルド、王子、オディット、オディール、それぞれの演者が袖から入れ替わり立ち替わりリンクに現れ、あたかも一幕一幕、物語を繋いでいく。アイスリンクという奥行きのある”舞台”が、見るものを物語の世界により深く引き込んでいくような気がする。白鳥、王子、オディットの登場シーンでは照明でリンクは真っ青に染められ、それに対し悪魔であるロッドバルドとオディールの場面では血のようにおどろおどろしい真っ赤な色がリンクを覆う。終盤、王子がオディールの魔の手にはまり二人が偽りの愛のダンスを繰り広げる場面では、リンクはその魔性の赤を帯びていて、王子の悲哀が視覚的にも強調される。そして、そのダンスを踊り終えた王子の顔には、悪魔に魂を奪い取られたような、どことなく邪悪な雰囲気が漂っている。

我に返って、王子がひとり悲嘆にくれるラストシーン。叩きつけるように激しいオーケストラの音と、王子の心中を映し出したような歪んだモザイク模様の照明の中で、柴田嶺の役者も顔負けの真に迫る演技が感動的。あの白鳥たちは、今、何処に…

BEYOND一番の大作で尺は長いが、序盤の静かな曲調から終盤の盛り上がりまで、全く緩まずグイグイとその世界に引き込んでいく。格調高く、愛おしくなる時間体験を味わえる。ラストの照明が落ちた瞬間、思わず立ち上がって「ブラボー」と声を上げそうになったが、すんでの所で思いとどまった。

costume:SATOMI  ITO

人生は祭りだ、共に生きよう

フェデリコ・フェリーニ 『 8  ½ 』

♬ 12   
チャルダッシュ                                                                               
(5:40)

                           Vittorio Monti
今井遥/小山渚紗/松田悠良/今原実丘/小林レオニー百音/田村岳斗/中村優/山本恭廉/マルティネス・エルネスト

 衣装はバレエの衣装を製作しているアトリエヨシノの作品。ヨーロッパの古い民族衣装風のデザイン。一見して豪華で本物感がある。曲はハンガリー舞曲?フォークダンス風?

古びた本のセピア色の挿絵の世界からメンバーが飛び出して来る設定。ヨーロッパのどこかの古い街並み。風車も回っている。町の広場で、若い男女が年に一度のお祭りで、お目当ての相手を探すフォークダンス、という感じか。メインアクトは松田悠良のようだ。ところどころで、田村岳斗のおどけたサービスパフォーマンスがいい味を出している。44才! さすがに照れが入るのか。とにかく健全で楽しい楽しい雰囲気の演目。女性スケーターが回ると花が咲くように裾が広がるスカートが、一層華やいだ雰囲気を演出する。エンディングでは、背景のセピア色だった街並みが、いつの間にかフルカラーの彩りに変わっていた。

「シェヘラザード」〜「白鳥の湖」の濃密な6作品を堪能し、ここでほっと一息。「I Got Rhythm」「Say Hey Kid」と並ぶ、ファミリー向け娯楽三部作。3演目とも家族みんなで楽しめるが、決して雰囲気だけで楽しませるのではなく、いずれも完成度の高い丁寧な仕上がりになっていると思う。

♬ 13   
カプリース⋆                                                                                    
(3:30)

                       Paganini(Bilen Yildirir)
浅田のソロ

 09'-10'シーズンのエキジビション用プログラム曲(このエキジビションでの真央さんは、ほとばしるように瑞々しい若さと才能と情熱に溢れ、目も眩みそうなほどに輝いていましたね)。浅田真央が、鋼のような強さを持った本物のアスリートであることを改めて認識させられる。彼女のイメージとして真っ先に思い浮かぶキュートさとは対局の一面を見ることができる。バイオリニストにとって超絶技巧を要するとされるパガニーニの難曲。目も眩みそうな細かい音の連なり。浅田はまるで、それに挑みかかるように立ち向かう。氷を削る鋭い音を響かせながら、観客の目の前を疾走する高速ステップのキレと迫力に圧倒された。その強さ、逞しさ! 公式プログラムの「私はまだまだやれる!」というコメントに、浅田真央のフィギュアスケーターとしての意地とプライドが滲み出ている。最後のソロ演目で”座長”の貫禄を見せつける。その勇ましさ、「真央姐さん」というイメージ。

costume:村田 菜穂

♬ 14   
愛の夢⋆                                                                                           
(5:00)

                             Franz Liszt
全員  costume:村田 菜穂

「森で深い眠りの中にいた私が光とともに旅に出る」
「光が集まるように」
「一人ひとりとのふれあい」
「感謝と慈しみ」
「大きな光の中に全員が消えていく」
「たくさんの愛と夢の余韻を残しながら、私たちの旅は続きます」
              
 (公式プログラム 『愛の夢』本人コメントより抜粋)

♬ 15   
BEYOND⋆                                                                                       
(2:10)

                          Devin Kinoshita
全員 大団円    costume:村田 菜穂

大きな翼をあしらった衣装を身につけ、メンバーが登場する。金色にキラキラと輝くシャボン玉のようなグラフィックと、黄金こがね色に染まったアイスリンクが、旅路の終着を祝福しているかのようだ。そして、金色に縁取りがされた羽をつけた真央さんは、手塚治虫の「火の鳥」と私の中でイメージが重なる。曲が終わり、リンクに一人だけ残った真央さんが、会場を見回しながらみせる微笑みは、聖母マリアのようにも見えた。

最後に、真央さんのこの演目に対する思いを引用させていただく。 

今日この時間は、BEYONDの最後のフィナーレの振り入れしようかなと思ってて、これBEYONDで作ってもらった服なんですけど、裏テーマとしてはフェニックスっていうのがテーマで、これまでも色々あったじゃないですか。多分このショーも1公演1公演、きっと、それなりに自分の中ですごい辛かったりとか大変だったりとか乗り越えなきゃいけないこともあるとは思うんですけど、最終的にこのショーの最後は、自分たちの気持ちはフェニックス、強い自分たちをそこで表現する。毎回毎回どの公演もすべて乗り切って、私たちは絶対に崩れない、強いフェニックス(不死鳥)になる。

NHK BSプレミアム「浅田真央 私を超える 〜完全版〜 」2023.1.21放送より

【 上演時間:1時間 45 分 】

・ 浅田真央がイメージしているもの

 浅田自身がショーコンセプトや演目構成の立案、曲の編集、振り付けも担当(「Sing Sing Sing」「I Got Rhythm」はHIROMI氏に、「幻想即興曲」はSeishiro氏に、ダンサーでコレオグラファーの両氏に依頼  )。ジャズ、ポップス、オペラ、バレエ、ピアノ曲、その選曲もバランスを考えて組み合わせたとのこと。小さな子供から、長年のファンの方、初めてアイスショーを見る方まで、幅広い層の人に楽しんでもらいたいという配慮と、より多くの人にスケートの魅力、素晴らしさを知って欲しいというスケートへの愛も伝わってくる。

各演目ごとにお気に入りのデザイナーに依頼した衣装も、このショーの見どころ。どれも素晴らしいが、個人的に特に印象に残ったのは、この衣装無くしてはこの演目は成り立たないと言っても過言ではない、まさに天女の羽衣と見紛う「幻想即興曲」(一見、柔かく薄い生地を使った普通の丈の長いフワッとしたドレスだが、スカートの部分が幾重にも生地が重ねられ、しかも裾の部分が揃っていなくギザギザになっている。それが、普通に立っていると目立たないが、スケーターが滑ったり回ったりすると、まさに風にちぎれる雲のようにヒラヒラとなびき流れていく。それでいて、一切まとわりつく感じがない。付け袖の部分のなびき方も同様。男性スケーターは、腰の後ろに長く柔らかい透きとおるプリーツのはいった布地を垂らしていて、それがジェンダーレスで幻想的な雰囲気を醸し出すのに一役買っている)。ポップでカラフルで可愛い「I Got Rhythm」もいい。そして、金糸・銀糸の刺繍、ラピスラズリ・ルビー・ターコイズ・ホワイトなどのストーンやビーズ、頭の飾り羽 ー 数え切れないほどの煌びやかな装飾を施した、息を呑むほどに美しい「シェヘラザート」。豪華絢爛な「カルメン」。リンクサイドの方は、衣装を見ているだけでも豊かな気持ちに浸れるだろう。

公式プログラムによると、映像演出の山崎大佑氏には、「音楽ライブのようなアイスショーをつくりたいんです」と要望したそうだ。街並みや自然などの緻密でリアルな描写から、抽象的イメージの表現まで、山崎氏による映像が、照明の効果と相まってショー全体のクオリティーと完成度を飛躍的に高めている。正面ショートサイドの大型スクリーンと残りのリンク3方を囲むように設置された背の低いディスプレイの映像が、客席のどの位置からでも、リンクをそこに浮き上るステージのように見せている。観客は、無意識にそこに非日常の世界を立ち上がらせる。また、演目間の幕間もイメージ映像でつながれ、雰囲気の流れが途切れないようになっている。この映像効果なしでは『BEYOND』の世界は成り立たなかっただろう。特に「シェヘラザード」。序盤のシーンで、正面観客席に向かって見得を切る浅田演じるゾベイダの背後にある牡丹の花のようなグラフィック。ゾベイダと金の奴隷の禁断の恋を静かに見守っているかのような、絶え間なく移ろっていくアラベスク模様は、二人の心の内を写す鏡のようでもあり、極上。

音楽、衣装、映像、そして演技により次々と移り変わる世界観。アルプス ー ニューヨーク ー アラビア ー スペイン ー 天空 ー ロシア ー ハンガリー…。見るものは ”時空の旅” に導かれていく。結果的にそれは、ファンタジー/ロマンス/悲劇/ドラマ/フォークロア/アートなど、様々な作風の演目を取りそろえた、贅沢なチョコレート菓子の詰め合わせのように、味わい深く魅惑的なオムニバス作品に仕上がっている。sweet、そして、bitter。このような完成度の高い良質のエンターテイメントを生で観劇できるのは、地方在住の人たちにとっても凄くうれしいことだと思うし、このショーを見た子供達の中からきっと将来のスターが出てくるかもしれない。夢と希望の種を蒔いている。

・ フィギュアスケーター浅田真央と自由

 そして、何よりも私がこのショーを見たいと思った理由は、浅田真央自身が競技としてのフィギュアスケートではできなかった表現、制限されていた欲求をそこで叶えていると感じたから。定められた技があり、定められた型があり、それに忠実であることが要求されるその世界で、「フィギュアスケーター浅田真央」という大きなキャンバスには、”まだ余白が残されている” という ”漠とした思い” が、どうしても頭から離れなかった。

 ここでは、その余白が埋められていくように、より自由に ー 伸びやかに ー 創造的に ー 滑り、舞い、踊り、翔んでいる。そのような生き生きとした姿を見ることができるのは、いちファンとしてこの上ない喜びであるとともに、その時、フィギュアスケーター浅田真央の真の輝きと強さがそこにあるような気がする。言葉をそこに添えるなら、これがいい ー   Heart of Gold .   

人生でたった一回見たアイスショーだったとしても、それがどこかの記憶に残ってパワーになってくれたらいいなと思っています。

AERA誌インタビュー/2022.11/14号

・ 終わりに

 稀代のフィギュアスケーター『浅田真央』に、舞踏家・クリエーターである浅田真央さんに、いつまでも私たちの心を惹きつける真央ちゃんに、「誰もやったことのないアイスショーをやりたい※」という "passion" に、そして、その実現をサポートしたマネジメント、スポンサー、ツアーメンバー(田村岳斗、柴田嶺、今井遥、小山渚紗、中村優、山本恭廉、松田悠良、マルティネス・エルネスト、今原実丘、小林レオニー百音)、演出の岡本祐次氏、衣装デザインの村田菜穂/伊藤聡美両氏、振付のHIROMI/Seishiro両氏、映像演出の山崎大佑氏、照明デザインの樋口祐加氏をはじめ各スタッフの方々に、敬意を込めて心から拍手を送りたい。そして、選手時代から浅田真央さんを絶え間なくサポートし続けてきたファンの皆さんにも、敬意と感謝の気持ちを伝えなければならない。公式パンフレットの巻末に記されている真央さんの言葉のとおり、そのサポートあったからこその『BEYOND』でもあるのだから。

会場で見終わった時、なにか、生きている歓びのようなものさえ、私は感じた。『BEYOND』は自分の人生で忘れられない体験になった。この素晴らしいショーの海外公演も、ぜひ実現させてほしい。

※:AERA誌インタビュー

<BEYONDツアーの軌跡>

   ※ 当初の予定:2022年4月より開催
・2021年11月 全体練習開始
・2021年12月下旬 最初のランスルー
・途中、コロナ禍などによる複数回にわたる開催スケジュールの延期、練習中断
・2022年5月中旬 練習再開
・2022年7月4日 メディア発表会
(以上、NHK BS「浅田真央 私を超える」より)

〜 2022年 〜

  • 9/10-11     滋賀 滋賀県立アイスアリーナ(3公演)<初日公演>

  • 9/17-19     青森 FLAT HACHINOHE (4公演)

  • 10/1-2       兵庫 尼崎スポーツの森アイススケートリンク(4公演)

  • 10/9-10     帯広 帯広の森アイスアリーナ(3公演)

  • 10/15-16   神奈川 相模原市銀河アリーナ(4公演)

  • 10/27-30  福岡 アクシオン福岡(4公演)

  • 11/12-13    京都 京都アクアリーナ(4公演)

  • 11/25-27   江戸川 江戸川区スポーツランド(4公演)

  • 12/3-4       釧路 釧路アイスアリーナ(3公演)

  • 12/17-18    愛知 アクアリーナ豊橋(4公演)

〜 2023年 〜

  • 1/14-15    広島 ひろしんビッグウェーブ(4公演)

  • 1/21-22   長野 長野ビッグハット(4公演)

  • 2/4-5       熊本 アクアドームくまもと(4公演)

  • 2/11-12    山梨 小瀬スポーツ公園アイスアリーナ(4公演)

  • 2/25-26   群馬 ALSOKぐんまアイスアリーナ(4公演)

  • 3/4-5       大阪 東和薬品RACTABドーム(4公演)

  • 3/18-26   立川 アリーナ立川立飛(10公演)

  • 4/22-23   栃木 栃木県立日光霧降アイスアリーナ(4公演)

  • 5/13-14    札幌 札幌市月寒体育館スケート場(3公演)

  • 5/27-28   新潟 MGC三菱ガス化学アイスアリーナ(4公演)

  • 6/10-11    愛知 モリコロパーク アイススケート場(4公演)

  • 6/24-25  宮城 ゼビオアリーナ仙台(3公演)

  • 7/1-17      立川 アリーナ立川立飛(15公演)<千秋楽公演>

 全103公演 《全国 22ヶ所》

 黄金の - 夢の - 旅² 


公式ツアースポンサー
・株式会社エアウィーヴ(airweave
・株式会社 アルソア慧央グループ(ARSOA
・日本航空株式会社(JAL
・佐藤製薬株式会社(sato
・クリヤマジャパン株式会社(MONTURA
・株式会社サカイ引越センター
・株式会社立飛ホールディングス
・株式会社ジャパネットホールディングス(Japanet
・宝酒造株式会社

注:「シェヘラザード」についての記述は、 ” NHK BSプレミアム「浅田真央 私を超える 〜完全版〜 」” の滋賀公演の映像を見た印象を強く反映しています。ツアー中のその後の演出・演技内容には、多少変化も見られたようですので、その点はご了承ください。

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