見出し画像

浅田真央のトリプルアクセル

トリプルアクセル、フィギュアスケートのジャンプの一種。前向きに踏み切り後ろ向きに着氷する。3回転半。高難度の技。これをプログラムに常に組み込む女子選手は少数。しかし、いい時、浅田真央のそれは「美」である。その一瞬、そこに一輪の赤い薔薇が咲く。技(わざ)を超えて、純粋に「美」そのものに昇華している。浅田真央も、もうそこにはいない。「美」のみである。ビル・エバンスの奏でるピアノのように。それが彼女のトリプルアクセル。こんなフィギュアスケーターを私は他に知らない。

トリプルアクセルは精神的にもすべてを強くしてくれるもの。アクセルがないと、ほかのものが逆に不安になっちゃう。大きいボスがいるから、ほかができる。(2013年3月23日 姉・舞さんとの対談で)

浅田真央100の言葉/扶桑社



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?