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精進料理のお話


私が知っているのは本格的な精進料理ではなく、かなり緩いものになります。
また超偏食な母から教わったものなので、○○が入っていないとか、○○は良いの?と思う物もあります。

母との食事は通常の食事でも4つ足(豚肉や牛肉)は食べないことが多かったです。
4つ足を食べるのは野蛮な行為と言い嫌っていました。

精進料理のレベル

一番緩いお節料理

一言で精進料理と言っても、通常の食事は鶏肉とお魚を食べるのでそれなりに蛋白質を食べていました。
私が知っている一番身近なものがお正月に食べるお節料理です。
完全精進料理ではなく、だしに使う鰹節や蒲鉾は食べていました。
生魚と卵をお休みという感じです。
詳しくは以下の記事を読んでいただけると嬉しいです。

今でこそお節料理に肉類も使われるようになりましたが、そういうのが普及したのは私が中学校に入ったころからです。(1980年ぐらい)
雑誌などで洋風おせちとして肉料理が多く紹介されるようになりました。
それまではお歳暮の商品に、ハムや焼き豚などがありそれらの加工品がお節料理に加わるくらいでした。
我が家では三が日は肉を食べませんでしたし、通常の食事でも肉類は頻度が少ないので贈答品にあるような塊のハム等に物凄くあこがれていたこともあります。

お盆中の食事

通常のお盆

お盆の食事は通常のお盆と新盆では少し違っていました。
通常のお盆では、だしに使う鰹節は見逃しになっていました。
その他は動物性の物が禁止になっていました。

新盆とお悔やみの時

完全な精進料理になります。
削り節も抜いたものになります。
祖母が他界したとき、母の実家では見慣れない女性たちが台所で忙しそうに食事の準備をしていました。
多分ご近所の方や祖母にゆかりのある方だったのだと思います。
台所のそばを通ったら伯母に呼び止められました。
うっかり使うといけないから向こうの部屋へ置いてきてほしい。と言われて渡されたのがけずり節とほんだしでした。

母が伊東へきて驚いていたことがあります。
ある方のお悔やみへ行ってきて生魚がでたそうです。
母は、こっちの人は仏事でも関係なくいろいろ食べるのね。と言っていました。

お祭りの時のお話

私は小学校4年の時、漁村の地域に引っ越しました。
母の転勤に伴ってと言う理由でした。
いろいろ季節の行事の時、母はお煮しめと言って野菜の炊きあわせを作っていました。
筑前煮の鶏肉の代わりに蒲鉾が入ったものでした。
そして神様、仏様に関する行事の時はたいてい精進料理になっていました。
蒲鉾は魚の形をしていないから良いのだとも言っていました。

神社のお供えに鯛などのお魚が備えられているのを見て、私は思わず言ってしまったのです。
お供えは精進料理じゃなくて良いのですか?と傍にいた巫女服を着たお婆ちゃんに聞いたのです。
笑いながら答えてくれました。
ここの神様は海の神様だから海の物をお供えするのだよ。
精進料理など出したら怒られちゃうよ。
仏様の時は4つ足は食べないけれども海の物は良いのだよ。と言っていました。

カレーライスのお話


今でこそ24時間年中無休のお店が多くなりましたが、私が中学校の頃(1980年くらい)は三が日はお店が完全にお休みになるのが普通でした。
三が日が明けて4日から平常営業になるところが多かったです。
我が家の食事も4日から自由にいろいろ食べることが出来ました。

そんなある年の1月、母と二人でカレーが食べたいと言う事になりました。
家に冷凍で保存するなどと言う事をしなかった母です。
スーパーの精肉コーナーはお正月明けで空っぽでした。
近所のお肉屋さんもまだお店が開きません。
お肉を買う事が出来たらカレーが作れると言っていました。
我が家のカレーは鶏肉です。

7日が過ぎてもまだお肉屋さんも開かず、スーパーの冷蔵庫も空っぽです。
11日が過ぎてもまだ空でした。
15日近くなりようやくスーパーにお肉が並び、近所のお肉屋さんもお店を開けました。
これでカレーが食べれる!と思ったのです。
お肉屋さんに聞いたら、屠場があかないからね。と言っていました。
それでは仕方がありません。
今では考えられないお話だと思います。

2024年のお正月


今まで特に食べる物を意識することはなく、何となく食べたいように食べていました。
しかし今年はちょっと意識して、三が日はお肉を食べない生活をしてみました。
三が日が過ぎて、お肉解禁!としたら何となく今までよりもおいしく感じました。
たまに日を決めて所定の物を食べないとするのも良いかな?と感じたのです。

お肉やお魚を避けた食生活


完全に避けるつもりはないです。
通常は何でも食べますが、お盆とかお正月とか決めた日にちょっと縛りのある食事にします。
食べる物のメニューに悩まないので楽です。
最大のメリットは食費節約になります。
解禁にしたとき、今まで避けていたものが美味しく感じます。

デメリットは同居家族が居ると難しいです。
家族からクレームが出る可能性があります。

母が他界する直前に教えてくれたこと


母の姉妹でお寺や神社に嫁いだ人はいません。
しかし母の従妹は近所のお寺や神社に多くいたようです。
つまり母も私も、もし母の実家である佐渡に住んでいたのであれば、お寺や神社に嫁ぐ可能性が高かったのです。
それが嫌で島を出たと言っていたこともありました。

また普段は何を食べていても良いのだけれども、特にお正月などは長期間お店が休みになるので生鮮品は手に入りません。
ある物(お供え物)で所定の期間食べていかなければいけないので、神社やお寺の奥様などは大変なのだと母から聞かされました。

私もそういうお家とご縁はなかったですし、もうこの年齢では可能性は限りなく薄いです。
その為なんでも自由に食べれば良いと思うのですが、子供の頃の特にお節料理など特別の日の食べ物は変わらないのだと感じました。



最後まで読んでいただきありがとうございます。

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