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着物のお話


#着物入門 #普段着の和装 #着物のすすめ


着物の着かた


先日ある方とお話をしていまして、彼女いわく「私、着物は縁が無かったから何をどう着れば良いのかわからないのよね」と言っていたのです。
自国の民族服なのに縁がないとそういう物かと改めて思いました。
そこでわかる範囲で書いてみようと思います。


私は高校卒業後、和裁の学校へ行きその時にお茶を少しお稽古しました。
諸事情により和裁の道は断念しましたが、手まりを作る仕事をしてきました。
正直着物のプロではないので、販売のプロである呉服屋さんや着こなしのプロである茶道、華道の先生にはかないませんのでその点はご容赦ください。


基本的な着物をどう着たらよいかと言いますと、肌襦袢(はだじゅばん)を着て、長襦袢(ながじゅばん)を着て、着物を着て、羽織やコートを着ると言う順序になります。
肌襦袢は完全な下着になり上下別々になっています。最近では着物スリップが売られているようです。


長襦袢はつい丈(紐で丈の長さを調節しない物、くるぶしより4cmほど上の長さ)で作ります。
最近は二部式(上下別々の物)が主流になっていて、うそつきと呼ばれる物も多いです。
うそつきとは上半身の身頃が晒(さらし、木綿布の一種)で作り、お袖と裾よけ(すそよけ、巻きスカート式になった物)を襦袢の生地で作った物です。


この上に着物を着ます。
そして着物の上に羽織(はおり)又はコートを着ます。
これが基本の着かたですが、暑い季節はどう省略するかという事になります。


浴衣などは元々、湯帷子(ゆかたびら)からきたと言われ入浴の際に着た物が、湯上りに着る物に変化したと言われています。
つまりお祭りなどでは着ますけど、外出着ではないという事になります。
その為、着かたとしては汗取りに肌襦袢を着て(タンクトップで代用可)その上に着る事になります。


肌襦袢は省略しても良いのですが、女性など身八つ口(みやつぐち、わきの下にある開いている部分)から生肌が見えると良からぬことを考える方も居ますので、中に何か着る事をお勧めします。
所作を上手にする事で身八つ口から肌が見えないようにする事が大切なのですが、慣れない方は難しいかもしれません。


着物のちょっと堅苦しいお話をしますと、着物の模様や材質によってTPOが決まっています。
ところがきちんと着付けをする事や、模様を選ぶことで少し格上の場所も許されるようになります。
洋服で例えるなら、TシャツとGパンが浴衣と同じようなランクになります。この上にジャケットをはおると少し格上の場所にも行けますのでそれと同じような感じです。
では浴衣のランクを上げるにはどうすれば良いのか?というお話をしましょう。


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浴衣をランクアップさせる


まず下着を整えます。
通常は浴衣の下には襦袢を着ません。
しかしきちんと襦袢の襟を整えます。
最近では見せかけのTシャツに着物の襟がついた物もあるようです。
二部式のうそつき襦袢を着るとお袖も襦袢を着たような感じになりますので、これで1ランク上の場所へも行くことが出来ます。


足元は浴衣であれば素足に下駄などを履きますが、足袋をはいて草履を履くことでランクアップさせます。
また女性は帯をお太鼓にする事で、改まった雰囲気になります。
でも所詮は浴衣なので、場をわきまえる必要があるでしょう。


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浴衣の模様


浴衣の生地の特徴は模様だと思います。
浴衣には浴衣の良さがあるのですが、最近では和柄の洋服生地も数多く出ています。
またブラウスなどを作るにはちょっと着るのに勇気がいる模様でも、浴衣の感覚であれば着てみたいと思う布も売られています。
洋服生地で浴衣感覚で単衣(ひとえ、裏地の無い着物)を作るのも良いと思います。


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洋服生地で作る着物


では洋服生地で作る着物は、着物のランクで言えばどこに入るのでしょうか?
模様にもよりますが、基本的には浴衣と同ランクと考えておけば間違いありません。
しかし模様を選べば、その上のランクの小紋(こもん)として着る事も出来ます。
ただし小紋として着るためには、下着と足元を整える必要があります。


小紋のTPO


小紋を着る事ができる場所としては一般的な外出着になります。
あとはお稽古事のレッスンも可能です。
私としては洋服生地で作る着物は小紋と同じレベルぐらいまでかな?と感じています。


とは言っても木綿の扱いが簡単な、しかも安価な生地で縫った物が日常生活の大部分で問題なく着る事ができるのですからもう少し気軽に和装を取り入れたいと感じています。


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着物の不便


着物で不便な事は何といっても丈が長いです。お洗濯が大変です。
そして足元に布が巻き付いているので動きが不便です。
しかし作務衣(さむえ)や甚平(じんべい)であれば下はズボンですから動きやすくなります。


作務衣は元は僧侶の作業着ですので、着物の格としては浴衣と同じレベルになります。
洋服生地で作れば手軽に着る事ができますので、とても良いと思います。
また襟元を整え、履物を整える事で外出着にもなりますので積極的に取り入れたい服装と感じます。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

読んでいただきありがとうございます。 アトリエを無事引っ越すことが出来ましたが、什器等まだまだ必要です。 その為の諸費用にあてさせていただきます。