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わらび手

てるる詩の木(うたのき)工房メールマガジンへようこそ!Vol,40

2024年5月8日号


『わらび手』は私たちの楽器の大切な部分です。

こんにちは。
てるる詩の木(うたのき)工房、高良のり子です。

今日は5月8日、旧暦4月1日の新月です。
透き通るような新緑が本当に美しい季節となりました。
皆様ゴールデンウイークはどのように過ごされましたでしょうか。

今回は『わらび手』についてです。

私たちの竪琴の上部の渦巻部分を『わらび手』と呼んでいます。
これは楽器にもともとそういった呼称があるわけではなく、
私たちの楽器だけの呼び名です。

以前宜野湾市羽衣祭りで使用する、琉球国王の乗っていたお神輿を作ったことがあります。
屋根の四隅には『わらび手』が配されていました。
わらびには邪を払う力があるとされているそうです。
赤ちゃんの握りこぶしのような伸びゆく形に、
昔の人は何か神聖なものを感じ取っていたに違いありません。

また、世界は反転する二つの渦巻から生まれたという説もあります。
竪琴の二つの『わらび手』の渦巻は天と地を表しています。

バイオリンのヘッドの部分は、昔は天使や人の顔、ライオンや龍などの装飾が施されていましたが、いつしか渦巻(スクロール)となりました。
音響には関係ないとも言われていますが、制作者の腕が現れるところだともいわれています。
ちなみにストラディバリウスのスクロールは均整がとれて美しく、
グァルネリのそれは荒々しい形だそうです。

イギリスのデザイナー、アーツ&クラフト運動の創始者であるウイリアムモリスは、
「すべての模様には道理にかなった成長か、成長の暗示が必要である」と壁紙やテキスタイルデザインに、巡り反転する美しい植物を多く描きました。

私たちの竪琴も、この『わらび手』を形作るのに多くの時間を必要とします。
切り出したばかりの材にはまだ動きがありません。
小刀ややすりで削りながら内側から伸びゆく形になるように仕上げていきます。
この部分に楽器の生命が宿っているといっても過言ではありません。

皆様が楽器を弾かれるときにはこのわらび手も愛でていただけると幸いです。

*今回もてるる詩の木(うたのき)工房メールマガジンを
 ご購読いただきありがとうございます。
 今日も良い日となりますように。


私たちは沖縄県うるま市で、 楽器を制作する工房です。
2002年より、 厳選した沖縄の木を用い、
手加工で竪琴・ライアーをはじめ
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編集後記
あやはべる32弦の完成が間近です。ご予約をいただいている桑・しいの木から仕上げに入っています。新月の今日から弦の準備が始まりました。
お届けまでもうしばらくお待ちください。
(のり子)

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