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うりずん

てるる詩の木(うたのき)工房メールマガジンへようこそ!Vol,39

2024年4月9日号

春分の日の山原(やんばる)。うりずんの新芽が美しい。


こんにちは。
てるる詩の木(うたのき)工房、高良のり子です。

今日は4月9日、旧暦3月1日の新月、
日本では見ることができませんが皆既月食だそうです。
新学期や新生活が始まり、ピュアな気持ちを新たにします。


今回は『うりずん』についてです。


「うりずん若夏」とはちょうど今頃の季節を表す
沖縄の言葉です。
冬の寒さが完全に過ぎ、花や新芽が美しく、
陽光まぶしくうっとりするような季節。

でもなぜ「うりずん」というのでしょうか?
ある時西表島ではこの季節を「ウルチム」と呼ぶと聞き、
少しヒントをもらった気がしました。

「ウル」とは日本に古代あったとされる文字(ホツマ文字)では
「太陽」という意味です。
(ちなみに月は「ナミ」といいます。)
「チム」は「肝」もしくは「染みる」。
太陽の魂の季節、または太陽が日に日に「染みて」くる、
そんな春の日が「うりずん」では?
と勝手に仮説を立てています。

「染みる」とは沖縄の言葉ではとても大切に使われています。
てぃんさぐの花の歌詞の中でも
「てぃんさぐの花(ホウセンカ)の花は爪を染めて
 親の寄言(教え)は心に染めなさい」と歌われています。

先日ある方に出会い、いろいろなお話を聞かせていただきました。
この方は若いころ馬車を曳いて生計を立てていたそうです。

「私は馬車ムッチャ-(馬車持ち)で無学で鉛筆を持ったこともないし、
持たないと決めている。

昔、名護親方という人がいて、
その人は「筆の先は槍(ヤリ)の先と思え」と言っていた。
筆で書いたことが人を殺してしまうこともあるからね。
そして「意見寄言や 身の上の宝耳の根ゆ開きて 肝に留みり」
という歌を読んだ。
だから昔の人は無学でも肝に染めて忘れなかった。
戦で書物は全て燃えてしまったけど
無学の人がまた沖縄を復興させた訳さ」

「昔ある馬車ムッチャーがいた。田舎から那覇まで行くので
いろいろな人にお使いを頼まれた。
この人も無学だったが
100件余りの村人の買い物の注文をいつも一つも間違わずに買ってきた。
ところがある人が「忘れないように」と紙に書いて渡したが、
この人は字が読めなかったので間違えてしまった。笑」

たくさんのお話を聞かせていただきましたが、
「肝に染みる」ことの大切さを改めて思いました。


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 ご購読いただきありがとうございます。
 今日も良い日となりますように。


私たちは沖縄県うるま市で、 楽器を制作する工房です。
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編集後記
先日沖縄本島北部をドライブする機会があり、
新緑の美しいことに目を奪われました。
ウイリアム・モリスは「すべての模様には道理にかなった成長か、成長の暗示が必要である」と巡り反転する植物を描きました。
季節が廻るごとにいつも元気をもらいます。
(のり子)

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