てゐてゐぼうず

淡々と生きたいです

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マガジン

  • わたしのじんせい あれやこれ

    人生のある時期を振り返って、自分の記憶や思い出を整理する場所。 色んな人の人生を覗き見してみたい、という興味本位だけでできているマガジンです。 寄稿してくださる方は記事にコメントまたは以下のアドレスに一言くださるとありがたいです。 noteやっていない方は原稿だけ送って貰えれば代筆します。 teiteibouzu.note@gmail.com

  • 一日一憲法

    思想ゼロ。ただ何となく、憲法と日常を絡めただけ。

  • 絵の練習

    絵が苦手なので練習をしています。色々描きます。

  • 読書記録

    好きなように書いてます。あらすじとか書きません。

最近の記事

4年前の私、そして4年後の私

すっかり忘れていた。4年前の今日、私は今日の私にメッセージを送っていた。 PRESENT4229は4年に1度、2月29日にだけ利用出来るサービス。なんのきっかけで知ったかすら覚えていないけれど、とにかく私は4年前、このメッセージサービスを利用したらしいのだ。 なんとまあ、まずは生存確認しているのが私らしい。とりあえず生きてる。これは大丈夫。 大好きだったCreepy Nutsのラジオは終わってしまって、少し熱も冷めているけれど、未だに好きです。これも、大丈夫。 編み物…は

    • サイドミラーの空はピンク

      這い上がったのか、それとも勝手に浮き上がったのかは分からない。 二度と思い出したくないあの日々から抜け出して、この暖かい部屋で前髪を切るか悩んだり、マグカップで少し冷めたお茶を飲んだりしている時間を、死ぬほど守りたいと思っている。 10月に職場を変え、数年振りに車通勤が始まった。かつて、全ての幸せを吐き出すほどの深いため息や、理由も分からなくなるほど流れ続けた涙を吸い込んだこの車内に、あの頃とは全く違う自分がいる。 16時半に仕事を終え、職場の駐車場を出る。まだ陽の落ち切

      • 始まれば終わりに近づくから

        • 死を迎え撃つ

          母から、祖母が緩和ケア病棟に移ったと連絡があったのはおよそ一週間前のこと。 想像もし得ないほど煩雑な手続きを終えたのであろう、母の声はどこかすっきりとしていて、達成感すら感じられた。 母の実家に生まれ育ち、祖母とは私が大学を卒業して家を出るまでずっと一緒に暮らしていた。その祖母が特別養護老人ホームに入ったのは私が家を出てから数年後のことだった。 どんな経緯でここに辿り着いたのかさえ、私は詳しく知らない。共に暮らしていた時代を含め、10年近く母はずっと祖母の面倒を見てきた。

        4年前の私、そして4年後の私

        マガジン

        • わたしのじんせい あれやこれ
          9本
        • 一日一憲法
          75本
        • 絵の練習
          7本
        • 読書記録
          3本

        記事

          正しさとどう向き合うか

          どうしたものかと、この歳になってもうそういうことは考えたくないんだよなあ、と思う。見て見ぬふり、聞かぬふり。 それが一番穏便に過ごせることは分かっているけれど、昔から「誰かが誰かを悪く言っている」というシチュエーションにかなり喰らってしまうタチで、31歳にもなってまだ苦しいんだと、まだしんどいんだと、なんだか笑ってしまう。 たった20人の職場。 歯科医院という小さな空間。 私は日々歯科衛生士として、その数少ないスタッフとそれなりの距離感を保って働いている。だけど、他の誰かが

          正しさとどう向き合うか

          飲み込んだその言葉の味は

          職場の目の前の桜が満開になっていた。満開どころか既に少しずつ散り始めていて、玄関マットに落ちたその花びらは無情にもダイソンの中に吸い込まれていった。 春先の生ぬるいこの空気がとても苦手だ。10代の頃からずっと、この季節になると毎年体調を崩していた。 だけど今年は何だか、桜の木を見上げて「ああもうこんな季節か」と目を細めることができた。 年々、色んな面倒なことが削ぎ落とされていく。特にこの1.2年は自分の思考回路に迷い込んでどうしようもなくなる、なんてことはなかった。その代

          飲み込んだその言葉の味は

          結婚が決まってからの私といえば

          彼は私より7つも歳上で、当然彼の友人たちもみんな私より歳上なわけで。彼と彼の友人たちと一緒にいるときは、多少無鉄砲な発言をしたり生意気な態度を取っても、妹のように扱われて許される。元々の末っ子気質も相まって、彼らに存分に甘えている。 そういう、なんていうか以前の私だったら好きではなかった女に私が今なっている気がする。それはそんなに悪いことではなくて、俯瞰で見るとどちらかと言えば「こんな女は嫌」なんて言ってる女の方がその「嫌な女」より嫌だなあと思うようになった。 彼の友人が働

          結婚が決まってからの私といえば

          世界はゴミの日で回っている

          昨日の話。 久し振りに外出した。 家だとどうしてもだらけてしまうし、睡魔にも逆らえない。 近所のサンドイッチ屋に行った。割と空いていて長居もできるところ。一番端の席でノートを広げた。やっぱり家より捗る。 自動ドアが開き、大きなリュックを背負った若い男の人が入ってきた。同時に「出前館でーす!」と元気な声が聞こえた。 レジで注文番号とメニューの確認等を行い、商品を受け取ると再び「行ってきまーす!」と元気に出て行った。 何か、とっても良いなと思った。 今日の話。 人に何かを教える

          世界はゴミの日で回っている

          受験生の脳内はちょっとおかしいのかも

          一番手前のトイレだけ、ずっと閉まっていた。 勉強をしに学校へ行っていた日曜日、4階と5階の間にあるトイレには多分一日で2〜3回行ったと思う。最初に気づいたのは12時の休憩のとき。次は14時半くらい、最後は帰る間際の16時。 いつ、どの時間に行っても一番手前のトイレだけ鍵のところが赤になっていた。 教室を見回しても、みんなてんでんばらばらに座っているため、誰がいて誰がいないのか分からない(あとクラスメイトの顔を覚えていない)。 急に心配になった。 物音もしないし、もし倒れてい

          受験生の脳内はちょっとおかしいのかも

          つまらない男とつまらない女の話

          「普通に彼氏ができて、普通に結婚して、普通に子どもを産んでー」 「結局60点の人生だったなってー」 「それなら今やりたいことをやってー」 向かい合って座る男女の姿。女は机に突っ伏すような形で何か(恐らく男の話す言葉)を書いていることもあり、こちらからはソファにふんぞり返って座る男の正面の姿しか見えない。 二人の関係も目的も分からないが、広い店内の端の席に座る私のところまで、反対の端に座る彼の言葉が不快に響いてきたことだけは事実だ。 「『20代後半の女が言いそうなこと』とい

          つまらない男とつまらない女の話

          愛を知るまでは死ねない私なのだ

          一年に一度くらい、突如として「やっぱり自分の好きなことを仕事にしたい」という欲望が湧いてくる。 この「一年に一度」というのが多いのか少ないのかは分からないけれど、年がら年中自分の好きなことで生活していくことを夢見て、そしてそれができると信じて疑わなかった10代から20代前半の私と、夢を見る時間も心の余裕もなくなり、好きなことどころかギリギリ生きているだけの私を知っているから、多い少ないよりも「懐かしい」という感情が正しいかも知れない。 年末は30日まで仕事をし、31日は母親

          愛を知るまでは死ねない私なのだ

          家族未満の私たちを繋ぐお金の話

          「まだ家族じゃないんだし」という言葉には、「いずれ家族になりたいけどね」「ほぼ家族みたいなものだよね」という願望と厚かましさが混じっている。 大学を卒業して3年半勤めた会社を辞めたのは25歳の時。 それから専門学校に入ることを決め、同時に派遣社員として働き始めて丸3年。 今の会社に入ったのは去年の9月で、そこで出会った人と付き合い、一緒に暮らし始めて半年が経った。 希望と絶望を繰り返し、なんか絶望の割合多くないか?とかまともに食らった時のダメージえげつないな、などと苦笑いの

          家族未満の私たちを繋ぐお金の話

          結婚と恥の歴史

          アクアパッツァを作れるようになった。今まで作ろうと思ったことさえなかったのに。 やってみたら簡単だった。オリーブオイルとニンニクを炒め、好きな魚を軽く焼く。上からアサリやらイカやら好きな海鮮とトマトや葉物をどさっと入れて、ワインと水を加える。それだけ。 魚丸ごとなんて買わないからいつもその日安かった白身の切り身を買って、冷蔵庫に余っている野菜を適当に放り込む。ワインがなかったら日本酒でも良い。 近所にあるイオンリカーでワインを買った。最近冷蔵庫を新調し、今まで使っていた一人

          結婚と恥の歴史

          焼きたてのパンをまだ温かいか確認しながら帰る

          一緒に住み始めて半年が経った。互いに忙しない日々が続き、ろくに休みも合わないままここまで来た。それでも、駅前のスーパーで夕飯の買い物をしたり、新しい家電を揃えたりと僅かな時間を共にするだけで、「今日は良い日だった」と思えるくらい、うん、今書いていて思ったけれど多分それくらい好きだ。 先月の初め、彼と私の父親に挨拶をした。同棲の挨拶なんて別にしなくていいだろうと思っていたが、ちゃんとしないと、と彼が言ってくれたためその言葉に甘えることにした。 母親とは同棲する前に会ってくれた

          焼きたてのパンをまだ温かいか確認しながら帰る

          ベッドの上でお互いに携帯をいじる。彼は新しい服を買おうと、私は美味しいすき焼きを食べようと、それぞれの欲望のもとに。

          ベッドの上でお互いに携帯をいじる。彼は新しい服を買おうと、私は美味しいすき焼きを食べようと、それぞれの欲望のもとに。

          彼の友人の店に行って食事をした。「久し振りにしっかりとしたお嬢さん」と言われ、“久し振り”にドキッとするより、“しっかりした”に喜べるくらいには大人になれた。

          彼の友人の店に行って食事をした。「久し振りにしっかりとしたお嬢さん」と言われ、“久し振り”にドキッとするより、“しっかりした”に喜べるくらいには大人になれた。