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2022年 映画ベストテン(音楽部門)

■音楽という切り口で2022年の映画を見ると面白い。

まずは断トツトップの『ウエスト・サイド・ストーリー』。これは流石にこれ以外ない。2022年上半期総合で断トツのトップだったのは伊達ではない。本来なら『アメリカン・ユートピア』や『イン・ザ・ハイツ』、『ロード・オブ・カオス』、『クルエラ』といった音楽に優れた映画が犇めいていた2021年に公開されるはずだった『ウエスト・サイド・ストーリー』。こうした強力な音楽映画や音楽使用にインパクトがある映画が少なかったことが幸いだった。それでも2位の『ガンパウダー・ミルクシェイク』だって2022年では音楽使用にインパクトがある映画だった。ジャニス・ジョプリンやジ・アニマルズといったロックをアクションシーンで効果的に、クエンティン・タランティーノ風に使った。

2022年映画ベストテン各部門で常連の『リコリス・ピザ』、『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』、『トップガン マーヴェリック』といった2022年映画ベストテン常連作品に混ざって『ソー:ラブ&サンダー』と『C.R.A.Z.Y.』がベストテン上位にランクインしたのが面白い。特に『ソー:ラブ&サンダー』は全編にガンズ・アンド・ローゼズの楽曲を使い、エンドロールでディオの「Rinbow in the dark」をかけて個人的に驚いた。

それと『ミニオンズ フィーバー』、『すずめの戸締まり』、『SING/シング: ネクストステージ』といったアニメ勢のランクインも新鮮。特に、70〜80年代の懐メロを意図的に使った『すずめの戸締まり』は印象深い。日本映画、というか北米映画作品以外で唯一のランクインというのは快挙というか殊勲とでもいうか。この分野で無理だと思われていた日本映画にもチャンスがあることが分かった。

惜しかったのは『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』、『バルド、偽りの記録と一握りの真実』、『ブラック・フォン』、そしてタイ映画の『プアン/友だちと呼ばせて』と『バルド〜』以外はあまりベストテンに挙がらない作品が惜しくもベストテン漏れ。『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』なんかは完全に筆者の個人的好みの傾向でランクイン出来なかったかな。

あと、音楽系ドキュメンタリー映画をほとんど見ていなかったので、2023年はこのあたりにもトライしたい。


1位:『ウエスト・サイド・ストーリー』

2位:『ガンパウダー・ミルクシェイク』

3位:『ソー:ラブ&サンダー』

4位:『リコリス・ピザ』

5位:『C.R.A.Z.Y.』

6位:『ミニオンズ フィーバー』

7位:『すずめの戸締まり』

8位:『SING/シング: ネクストステージ』

9位:『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』

10位:『トップガン マーヴェリック』

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