見出し画像

蔵出し映画レビュー『トップガン マーヴェリック』

 

『トップガン』が公開した36年前は筆者もまだ小学生高学年だったため、VHFで後追いで見た。そのトム・クルーズ主演映画『トップガン』の正当な続編に当たる『トップガン マーヴェリック』。前作で監督を勤めていたトニー・スコットが亡くなったから続編は不可能だろうと思われた『トップガン』の続編が本当にトム・クルーズ主演映画として36年ぶりに蘇った!!

『トランスフォーマー』シリーズの脚本を手掛けているアーレン・クルーガーや最近のトム・クルーズ主演映画の監督・脚本を手掛けているクリストファー・マッカリーらによる脚本の設計に非の打ち所がない。前作を匂わせるオープニングで始まったかと思いきや、現在のテストパイロットの任務で緊迫の展開を見せる緩急自在の濃密脚本。『トップガン』らしさはもちろん、トム・クルーズ主演映画の看板シリーズ『M:I』シリーズを随所で被せた数々の訓練やミッションで相変わらずのトム・クルーズへの無茶振りをたっぷり味わえる感覚はまさしく『ミッション・インポッシブル:トップガン マーヴェリック』であり、もうすぐ60になる大スター、トム・クルーズ健在を示し、『トップガン トム・クルーズ』とでも。

やはり最大の見せ場は数々の飛行シーン&ドッグファイトシーン。冒頭の人類最速のテストパイロットシーンをはじめ、現役世代である若者たちとのゲーム的な訓練、無茶な超低空飛行&高G訓練、そして本番、と難易度を上げながらスリル、緊迫感が半端ない。○分○秒と時間を設けられた訓練もそうだが、敵機の発見を避け、目標物を爆破するミッションなど、見るものの集中力まで引き上げられる。これまでドッグファイトシーンといえば高空位置でのバトルや飛行が定番中でまさかの低空飛行の連続。ギリギリでの上昇やまさかのトラブルなど、そりゃあ、凄いと言いたくもなる。

酒場のシーンやペニーとの甘いシーンも思いの外面白い。そこに前作以上に余裕のコメディ演出まで隠れており、この辺りは近年のトム・クルーズ主演作品を監督、脚本を手掛けるクリストファー・マッカリーの脚本らしさがある。また、近年の『M:I』シリーズを手掛けるクリストファー・マッカリーの脚本だけあり、『M:I』シリーズっぽくなるのも当然。次々と首脳陣との話やバーのシーン、マーヴェリックとルースターの過去のしがらみ、その他数々の出来事やトラブルが椀子そばのように展開され、そりゃあ、飽きるわけがない。

トム・クルーズだけでなく、ペニーを演じたジェニファー・コネリーの超美魔女ぶりや、グースにそっくりな息子ルースター役のマイルズ・テラー、妙に存在感があるフェニックス役のモニカ・バルバロといった若手の目立つ役、さらには要所で訓告と辞令を告げたり無人機推進化運動をするハンマー役のエド・ハリスやルースターやフェニックスらにとっては嫌味なやつでしかないハングマン役のグレン・パウエルなど優れたキャクスティング。そしてまさかのヴァル・キルマー。あの状態を巧みに使ったシーンはもはやズルいと言いたいぐらいの感動シーン。

ドッグファイト、トム・クルーズ、アラフィフラブストーリー、ルースターやハングマンなど現役の若者たちとの世代闘争、マーヴェリックとルースターの二世代に渡るしがらみ、さらにはレディー・ガガによる新テーマ曲の良さなど、繰り返すが、非の打ち所がない。緩急の“緩”の部分をどう感じるかで評価が変わりかねないが、まずは“考える”よりも“行動”!映画館に行って体感する以外ない!!

この記事が参加している募集

おすすめ名作映画

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?