石川 葉
リリィとリリィの連作短歌
石川葉の日々のこと。その虚実。
私の世界はどこまでも平ら、レイヤーの目を入れたり消したりして、時々君の前に現れよう。 石川葉による小さなお話の連作。
ボルヘスの『幻獣辞典』から、モチーフの幻獣をピックアップして描く。そして、それをアイテム化する。 幻獣を着るのでウェアウルフ。狼男、wereをwearにして幻獣を纏う。
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0176 洗濯のシーツを被り幽霊の真似する双子メグのかみなり
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0175 幽霊がまばゆい光の奥にいる双子はそれを友達と呼ぶ
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0174 まどろみの双子の髪はきらきらと光こぼれる日だまりになる
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0173 果てしない中に君らは含まれる物語をし歌い踊れよ
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0172 珍しく寝坊をしている双子たち互いの夢から未だ帰れず
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0171 はしゃぎあいついては離れを繰り返す花辺の蝶より賑やかに舞う
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0170 登園の双子は静かに雨の中はしゃいでいいよ追いかけるから
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0169 心にも降る雨のこと鳥が鳴き慰めの歌誰かの口笛
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0168 むなしさの海が心にあふれても漕ぐ手をやめることもできずに
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0167 窓を抜け飛び込んできた鳥の影心の中の何か掠めて
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0166 たんぽぽの綿毛を吹いて飛ばしてる花の願いを知らず叶える
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0165 ほら拭いてどうしてそんなにベタベタなの とけないチョコが食べたかったのに!
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0164 綿雲を菓子に見立てて頬張れば風船の腹ぶつけて遊ぶ
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0163 赤い足ラバーダックの双子たち横なぐりの雨すいすい泳ぐ
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0162 飴玉をお口の中で転がして歌えば声に色が見えるよ
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0161 雨の日に台所にて妖精は乾いた菓子をひとつくすねる