見出し画像

秋の吉野山に行ってみたらこんなところだった!

 近鉄を利用して大阪難波から1時間半、名古屋から3時間で行くことのできる奈良県中部にある吉野町。吉野は、吉野山を中心に、1300年もの歴史を感じる場所でした。吉野山は春の桜の名所ですが、今回は秋の紅葉を見るために秋に行ってきました。

金峯山寺(きんぷせんじ)

 吉野山ロープウェイ吉野山駅から徒歩15分。
 7世紀後半に創建。当時から聖域とされてきた吉野山一体。全国の霊山で修行を積んだ役行者によって金剛蔵王大権現を祀ったことから歴史が始まりました。吉野山信仰の中心です。訪問時は工事中により、奈良国立博物館に派遣されていました。
 シンボルは、室町時代制作の金剛力士像と青黒色の金剛蔵王大権現。近くで拝むことができ、強いオーラを感じます。
 日頃の感謝を忘れぬように参拝しましょう。

仁王門と金剛力士像
 国宝であり、世界遺産に登録されている仁王門。2022年11月時点では、解体修理中。修理は2028年まで続きます。南北朝~室町時代に建てられ、金峯山寺に現存する建物の中では最古。20.3mの巨大な門で金峯山寺の入口にあたります。
 仁王門内に納められている阿吽の2体の仁王門の解体工事中のため、奈良国立博物館へ移されて公開されています。特徴は武士が台頭した鎌倉文化の力強い彫刻。阿吽の2体で5.3mで1338~1339年につくられ、約700年もの歴史を誇ります。

解体工事中の仁王門

蔵王堂にある青黒い金剛蔵王大権現
 金峯山寺本堂である蔵王堂。高さ34m、四方36mの巨大な木造建造物。東大寺大仏殿に続く大きさ。現在の建物は1592年に再建しました。
 内部には、青黒色に覆われた3体の御本尊である金剛蔵王大権現。3体で7mという巨大な本尊。近くで正座して拝観すると強いオーラと迫力を感じます。自問自答するように日頃の悩みなど内省するのがオススメです。不定期(春秋)で特別公開開催で撮影禁止です。            
 誕生の理由は、開祖の役行者は、苦しみから救われるための本尊を求めていたため。最初、釈迦・観音・弥勒の三体が現れましたが、東大寺大仏や薬師寺如来などのように表情が柔らかかったため、求めていたイメージとは違いました。役行者は、荒ぶる世の中で人々をを救える本尊を求めてました。祈り続けることによって求めていた荒々しい姿の3体が現れ、その仏を山桜の木に彫ってお祀りしたのが現在の金剛蔵王大権現のルーツとなりました。怒りの中にも全てを許す姿をしています。

拝観時間 8:00〜16:30
蔵王院拝観料 大学生以上800円、中高生600円、小学生400円
秘仏御本尊特別御開帳時は倍額
アクセス 吉野山ロープウェイ千本口駅から徒歩15分

𠮷水神社

  歴史上の偉人にも愛され、現在も桜の名所として存在感を示す神社です。源義経の避難場所、後醍醐天皇が南朝の皇居とした場所、豊臣秀吉がお花見で滞在した場所といったように約1300年の歴史を誇っています。
 元々、山を聖域として奥深くまで入り、修行することによって神秘の力を得て人々を救済するのを目標にした山岳信仰の宗教の一つである修験道の信者のための宿坊として7世紀に創建しました。明治時代の神仏分離により、1875年、神社になり、現在では関西屈指の桜の人気スポットとして知られています。

偉人が住み続けた書院

 𠮷水神社の見どころの一つ。世界遺産に登録されており世界最古の書院かつ日本初の住宅建築であり、鎌倉時代から800年以上もの歴史をもちます。
 内部は歴史上の偉人が滞在しており、お宝が現在も残っており、拝観料を支払うと見学でます。
 鎌倉時代、源義経が弁慶らとともに、兄の頼朝から逃れるため、現在の潜居の間に1185年、隠居していました。源義経にまつわるお宝として、当時に身に着けていた鎧などが展示されています。
 南北朝時代、南朝の皇居として利用されており、後醍醐天皇が1336年に引っ越しました。現存する唯一の南朝の皇居跡であり、後醍醐天皇の玉座、占いやお祈りのための鏡などが展示されています。
 豊臣秀吉がお花見の会場としてもてなしました。お茶の会、歌の会、能の会が開かれました。当時、豊臣秀吉が愛用していた金屏風やお花見で使用された能、茶碗など道具が展示されています。
 鎌倉文化の力強さ。優美な公家文化。華麗な桃山文化。時代のトレンドを書院にいるだけで見ることができます。
 さらに、秀吉設計の庭園も見どころです。

一目千本

 目の前に広がる白い肌。これが、桜の木。千本の桜が一目で見渡せる絶好の場所だから一目千本と呼ばれています。実際は約3万本もの桜が植えられています。秋は桜の部分が雪山かのごとく白く、ところどころ紅葉の赤、黄色が見られます。春(3月下旬〜4月中旬)になるとピンクに染まる山々は圧巻で一生に一度は見たい風景であり、残したい日本の風景です。豊臣秀吉も花見会を開くなど歴史的な絶景スポットとしても現在も残ります。

春にはピンクに染まる山々

開門時間 9:00〜17:00
書院拝観料 大学生以上300円
秘仏御本尊特別御開帳時は倍額
アクセス 吉野山ロープウェイ千本口駅から徒歩15分

吉野神宮

1889年、明治天皇によって後醍醐天皇を祀る神社として構想されました。1927年に本殿が建てられました。後醍醐天皇は学問、歌に優れていたエピソードがあり、あやかって学問の神様として信仰されています。広大な境内の中に様々なみどころが集まります。千羽鶴、風車などフォトジェニックな風景も見られます。



開門時間 8:30〜17:00
アクセス 近鉄吉野神宮駅から徒歩30分

吉野山ロープウェイ

 近鉄吉野駅から徒歩3分、吉野山ロープウェイ千本口駅から350m、3分の小さな旅で吉野山駅まで上がります。麓の千本口駅の辺りには紅葉が広がります。上下線1時間に4本、始発は9:20、終発は17:20。お花見シーズンやイベント開催時は臨時便がでます。1.3km10分、1929年開業で日本最古のケーブルカーであり、歴史を感じることができます。



片道450円、往復800円(中学生以上)
片道230円、往復400円(4歳~小学生)
金、土、日、月曜、祝日のみ運転。(火~木は代行バス運行)

 山岳信仰から始まり、皇居もおかれ、現在では500年以上も続くお花見スポットになり、歴史を感じさせる吉野。歴史は机で軽めの予習をしてから、実際に行ってみて感じ取った方が理解が進みます。

関連記事

参照サイト

よろしければサポートお願いいたします!いただいたサポートは、よりよい記事の作成、クリエイター支援などnoteのクリエイター活動に利用させていただきます!