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うつ病を脳みそに突然変異させて治療する?オプトジェネティクス(Optogenetics)とは?


光遺伝学ともいわれるオプトジェネティクスとは何か?

ざっくりと言いますと、光で人間の行動や感情をコントロールする研究のことを指します。
1979年に フランシス・クリックというイギリスの学者が神経細胞を光でコントロールをできないか?と提唱したことがはじまりといわれており、2009年にスタンフォード大学で生物工学科にいたカールダイセロスが光遺伝学ツールを発表したことにより話題の研究トピックとなった。

なぜ光なのか?

そもそも、脳は何千ともちがった神経細胞といわれる細胞でできており、それらの細胞どうしは、電気で通信をしてる。その電気を介して通信しているサイクルのパターンが人間の「感情」や「考え」を成形しています。

逆にこのサイクルに問題がある場合、なにかしらの病があると判断されることがあります。

optogenetics とは光から電気に変えることができる分子を、この神経細胞の中に入れ、光をONにしたりOFFにしたりすることで、神経細胞をコントロールするということになります。

光遺伝学研究の課題

人間の行動や感情はこの神経細胞が行う電気を介して通信しているサイクルのパターンというのは判明していたものであったのですが、光をどう使い治療をしていくのかが、問題でした。
光は散乱・屈折するものであり他の神経細胞に伝えず、いかに特定の神経細胞のみに通信するということが課題でした。
そこで現在の研究では単細胞生物が活躍するのではないかと考えられ研究が進んでいます。

海藻たちが脳みそを助ける?

この、光から電気に変えることができる分子ですが、残念ながら人間の脳内には存在しておりません。
ではどこにあるのかというと、海藻や酵母のような単細胞生物たちです。

海藻や酵母のような単細胞生物は、生存するためのエネルギー生成として表面にタンパク質を成形し、そのタンパク質に穴をあけ、そこの膜から光子を吸収させカリウムやナトリウムをチャージします。

このナトリウムの移動というものが脳内の神経細胞が電気で通信をしてる動きと同じであり、いままで難しいとされていた、特定の神経細胞に電気を送るということが可能にしたということです。

Optogeneticsを使用した実例

この光遺伝学ですが、サンクトペテルブルグ出身のBotond Roska 氏は両目が失明していた患者の目の網膜にオプシン(視物質タンパク質とビタミン A誘導体 (レチナール; retinal) の複合体)を投与し見事、失明していた患者を物を認識し拾い上げることが出来る程度まで治療することに成功しました。


まとめ

光で人間の行動をオンオフすることができる、オプトジェネティクス。
サイエンスフィクションで聞くような話ですが、現在で数々の大学で研究されており、実際にBotond氏のような医師が治療に使用されているようです。
これから数々の病の治療方法が変わってきそうです。

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