梱包材として使われた植物
現在では、プラスチックの梱包材が普及しているが、プラスチックが利用される前は、植物を梱包材として使うことがよくあった。
牧草であるクローバーの和名がシロツメクサとなったのは、梱包材となる草、「詰め草」だったからである。
ヨーロッパ貴族を魅了したランの花は、1818年にブラジルで活動していたプラントハンターが熱帯植物をロンドンまで送った際に、あまり大切ではなさそうな植物を詰め草として詰め込んだ。荷物がロンドンに届いたとき、詰め草の一つが花を咲かせていた。これが、ロンドンの人々がランの花を最初に見た瞬間だった。この花の美しさはヨーロッパ中にフィーバーを巻き起こした。ヨーロッパの各国から一攫千金を狙いオーキッドハンター(ランを探し出すハンター)たちが武器を敵して南米、アフリカ、東南アジアの熱帯の奥地へ、より危険な地へと入っていった。猛獣と戦い、遭難、水難、感染症、現地人とのトラブル多くの死者を出しながらランは広まっていった。
『参考資料』
歴史を進めた植物の姿 河野智謙著
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