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「お茶の淹れ方ざっくりチャート」補足編① 紅茶



はじめに ~心より厚く御礼申し上げます~

先日…いや4か月前にアップしたこちらの記事、たくさんリツ…リポストしていただきありがとうございました!(Xになってだいぶたつのにリポストという単語に慣れない)。

さて、このチャート&シートのみだと「なぜこうなるのか?」が分かりにくい部分があるかと思いますので、補足を各茶種ごとに解説していこうと思います。

なんとなく「こういう理由/理屈だったな~」ということがわかっていると、順序や動作も覚えやすいですし、あとで好みやお茶に合わせたり勉強で違った淹れ方をしたいと思ったときに便利なので抑えておいて損はないかと。

まずは紅茶から!

(ちなみに本編未読の方はこちらをどうぞ👇)

紅茶のコツと淹れ方

これさえ抑えればこっちのもん

紅茶って実は、コツさえおさえてしまえばそんなに失敗の多い茶種ではありません。順に説明していきましょう。

紅茶のコツ①まず茶葉の大きさチェックから始めよ🍂

ブレンドにしろ産地別(ダージリン、アッサム、ルフナ、日月潭…)にしろ、フレーバードでもノンフレーバードでも、紅茶でまずチェックすべきは茶葉の大きさ(細かさ)です。なぜか?

なぜなら細かい茶葉は抽出が早く、大きい茶葉は抽出がゆっくりだから。それさえおさえてしまえばこっちのもん。

茶葉の大きさチェックのクセをつけて、これなら時間は○分くらいかな~というアタリがつけられるようになれば「なんじゃこりゃ?」という茶葉に遭遇してもグッと楽になります(大きさの目安は写真をそえて後述します)。

細かいか細かくないか、それが問題だ。

初心者さんが気にすべきポイントは、
茶葉の細かさチェックと熱湯死守

紅茶のコツ②沸きたてのお湯を使うべし

紅茶は泡がぼっこんぼっこん連続で出てくるくらいちゃんと沸いた、つまり100℃になってるよなこれ、というお湯を”すぐ”使いましょう♨

ぼっこんぼっこん状態で待つと空気が抜けて味が落ちます。なるべくスピーディーに!

紅茶のコツ③熱湯を死守せよ♨️

紅茶のコツのなかで、実は一番大事かもしれないのがコレです。

気づかないうちに温度が下がってしまってぽやーんとした煮え切らない味になるか、細かい茶葉を長く浸しすぎて苦くなる、が初心者さんに比較的多い失敗。なので熱湯死守は大きなポイント。

とはいえ、特別なことは必要なし!最初に空のポットに熱いお湯を注いで温めればなんとかなる!

手順を文字起こしするとこうなる

なお手順を文字に起こしておくとこんな感じです。

文字の方が認識しやすいこともあるかと

*1: 渋みやフレーバードティーの香りが強すぎると思うときはポットの余熱をはぶく手もあります(温度が下がりマイルドになります)。ただ、まずはお湯の温度をキープすることに慣れましょう。

*2: ポットの中で紅茶の濃さが均一になります。ただし、かき混ぜすぎると雑味が出るので漢数字の「一」を書くようにすっと軽く!

すべては熱湯を守り抜くために♨️

では、実際の茶葉の形や大きさを写真で見ていきましょう!

普通・大きめ系茶葉とは?

普通と大きめを見分ける

「普通・大きめ系…ってそもそも普通が分からないんじゃい!」

ですよね!私もわかんなかった!というわけで、ちまちま写真を撮りました。まずはこちらをどうぞ。

左:FTGFOP(インド/ダージリン産)
右:ホールリーフタイプ(日本/茨城産)

左の葉、「あ、なんかフツー」って感じしません?くるっとカールした、だいたい1㎝前後の大きさの茶葉です。

産地名で売っている紅茶だと産地名や茶園名のあとにアルファベットの文字列がついていることがあります。それがFTGFOP、FOP、OPなどの場合、だいたいこの「普通」の大きさと形です。

このグレード(等級区分)*3と呼ばれるアルファベットの文字列はインドやスリランカでの大きさ・形に基づく分類で、国や産地、茶園によっても異なりますが、慣れてくると買うときの目安にはなります(無理に覚える必要はないです)。

ただ、ブレンドだったり茶葉が日本産や台湾産だと書いていないことも多い。なので茶葉の見た目で「あ、これは普通」と判断するクセを付けると便利です。

それに対して右の葉はふわっふわで大きいですね。日本や台湾の紅茶でわりとよく見かける、茶葉をあまりカットしていないスタイルです。

どっちもホールリーフタイプ
左:台湾産
右:日本産

「ホールリーフタイプ」、すなわち全葉型という言い方がどれくらいメジャーなのかわかりませんが、ダージリンの茶園でもカットを入れないこのスタイルをホールリーフと呼んでいるのが確認できたので、この記事では便宜上そう呼び分けました。

それでも普通と大きめを見分けるのが難しかったら

どうしてもわかりにくかったら、まず茶葉をいくつかとってお湯に落としてみましょう。

ほぼ完全な葉の形に戻ったらこの「大きめ系」となります。個人的には、最低4分はほしいですね。

左が普通、右が大きめ

*3 グレード/等級区分:もともとは茶樹の葉の位置を示していましたが、現在は仕上がった茶葉の大きさや形状+芽の含まれ具合を表します→参考

細かめ・つぶつぶ系茶葉とは?

細かめ・つぶつぶ系を見分ける

さて、では続いて細かめ・つぶつぶ系を見ていきましょう。これはとーーーーーってもわかりやすい!!

左:BOP(ウヴァ産)
右:CTC(アッサム産)

…ね?

細かめ系はかなり葉が細かくなっているため、まったくカールしておらずさらさらした感じです。さっきお話ししたグレード(等級区分)では、BOPBOPFとなります。

私も一生懸命覚えたけど、正直試験を受けるとかでなければ「なんか細かいやつ」「ティーバッグをうっかり開けたら出てくるやつ」くらいの認識で問題ないです✨

たまにBOPとついていてもこの写真のような感じのもありますが(FBOP→香りのいいBOPくらいに思ってください)、これくらい形が残っていたら「普通」扱いで3分くらい抽出時間を取っていいです。やっぱり目で慣れるのが一番。

FBOP(スリランカ・ルフナ産)

また、つぶつぶ系は大きさに違いはありますが、あからさまにつぶつぶしているので一発でわかります。産地で言うとインドのアッサム、ケニアをはじめとするアフリカ諸国に多い形です。

つぶつぶ系はその製法の名前を取って、CTCと呼ばれています。"Crush, Tear, and Curl"、つまり「つぶして・裂いて・丸める」の略。専用の機械でこの形を作っており、厳密にはグレードもあるのですがCTCとしてひとまとめにしちゃうことが多い…というか、CTCだとわかれば充分。

細かめ・つぶつぶ系の長所…濃い・安い・早い・ミルクティー

この2タイプの長所はなによりも「濃い・安い・早い・ミルクティー」。

ぼくがかんがえたさいきょうのミルクティー

なにしろ製造工程でギッタンギッタンに刻まれたり丸められたりしているため、早く抽出ができて、比較的安価で(一部茶葉にもよりますが全体的には)、しっかり濃く出るのでがっしり系ミルクティーを作るにはもってこいなのです。

ストレートで飲みたいときは茶葉を少なめにするか、濃く出してお湯で割るのもあり。

製法の関係で香りはやや控えめと言われることもありますが、気の置けない友達の集まりなどであれば、濃いめに淹れてどーんとコーヒーサーバーか何かに移しておき、カップに注いだ後ストレート派はお湯で、ミルクティー派にはミルクで好きに割ってもらったりしても楽なんじゃないでしょうか。

忙しく好みの多様化している現代人にぴったりですね!☕

おわりに ~とにかく淹れてみよう~

お茶の「なんじゃこりゃ」を楽しむ

さて、今回も字数多めになってしまいましたが…

あんまりギチギチに悩みすぎず、まずは淹れてみてください!

お茶の世界は広いので、「よし!買ってきたぞ!細かめか普通か見分けるぞ!…アレ?これ、どっち?」となることはザラにあります。これは紅茶に限らず。

私も一応、紅茶・緑茶・烏龍茶・ハーブティーを合わせて300種以上扱う専門店と、今の日本茶専門店と勤めてきて、趣味でもお茶を飲んでそこそこいろいろ見たつもりでいますが、それでもなお「なんじゃこりゃ」がいまだにあります。1㎝くらいのボール型の緑茶とか、悪役令嬢の縦巻きロールヘアみたいな緑茶とか…。

悪役令嬢系縦巻きロール緑茶

そんなときはとりあえずざっくりチャートを参考に分量・時間を決めて淹れてみて、「なんじゃこりゃ」を楽しんでください。

それでもし濃かったら時間を短くしてみたり、葉の量を減らしてみればいい。ロジックや基準を全く持たずにやみくもに試すよりも、グッと自分の好みに近づきやすいはずです。

それで好みに淹れられたら、おめでとうございます!
あなたによる、あなたのためのあなたのレシピの完成です!🎊

どうか「お茶の淹れ方ざっくりチャート」と、この補足記事がその一助となりますように。Take it easy!

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