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煎茶の普通蒸し(浅蒸し)と深蒸しの違いをA4一枚にまとめたよ

序文:簡単に言えそうだけど案外難しいんだよ!うわあああああん(´;ω;`)

※今回はずいぶんとっちらかってるので、たぶんじわじわリライトします。

とりあえずできたことを喜ぼう…


ずっと書いた方がいいんだろうなぁ、と思いつつなかなか書けなかったもの・その2🙌煎茶の普通蒸し(=浅蒸し)と深蒸しの違いを表にしてみました🍵

教科書通り単純に言えば、両者の違いは「蒸し時間の長短の違い」です。

2 深蒸し煎茶
煎茶と同様な製造で、茶葉の蒸し時間を煎茶の 2 倍以上の時間で製造したもの

「緑茶の表示基準」日本茶業中央会より引用

しかし、深蒸し煎茶のデビュー当初(約50年前)ならまだしも、機械が進化してたり、綺麗な緑色のお茶が流行ったりしている影響で、ところどころ理解に注意が必要なトピックにもなっています。

こなごなじゃないけど深蒸しって書いてある、とか。長く蒸すと本当は梨の皮みたいな色と熟したような味になるはずなんだけど、色も味も青いのが主流だとか。

そして困ったことに、その注意が必要なところが後々飲み進めていくときのつまづきの原因になったりするわけでして…(つまづいてきた)。

ちょろっと、深蒸し煎茶のバックグラウンド

生まれた経緯

深蒸し煎茶は1960年代~1970年代、静岡の牧之原のあたりで生まれたと言われています。

なぜ長く蒸そうとしたか。当地は平場と呼ばれる標高の低い平地のため日当たりが良く、在来ややぶきたの煎茶が渋くなりやすいからです。その渋みを抑えようと、明治時代に作られていた、長めに蒸して色や形状よりも味わいを取ったお茶を参考に考案されたのでした。

また、そのころは輸送技術が発達し、フレッシュな味わいのお茶を首都圏へ運ぶことができるようになっていました。

…ところがどっこい。当時の東京の人のお茶の好みは、少し熟成して青みが取れた味わいのもの。しかも人が増えたところに上水道をわーっと整備したものだから、水がカルキくさい(今は美味しいです)。それに合った味のお茶が求められたのです。

しかし参考にしたお茶を作っていた明治時代はまだ手揉み。1960年代は機械製茶。最初のころは、長く蒸して作るとぐしゃぐしゃになってしまって大変だったらしいのですが、努力の末出来上がった梨色の水色のお茶は、狙い通り好評を博した…これがざっくりした深蒸し煎茶ヒストリーです。

その後、全国茶品評会に「フリースタイル部門」が創設され(「紅茶部門」がなくなり)、のちに現在の「深蒸し煎茶の部」となりました…つまり、それまでは短い蒸し時間が普通だったため、区別するために「普通蒸し煎茶」とか「浅蒸し煎茶」と従来のタイプを呼ぶようになったもよう。

そんなこんなで深蒸し煎茶の産地は比較的平地&低地なことが多いですが、例外もあるためどうやって全国に広まっていったかをもっと詳しく知りたいのですが…産地の歴史を個別に調べないとわからなそうなので、そのうち。

お待たせしました、「普通蒸し(浅蒸し)と深蒸しの違い」です

さて。そもそも「蒸し秒数の違い」って言われたところで飲む側からしたら「だからなんなのだ」って話ですよ。

その結果どういうお茶になるのか?ということを役立つ情報に落とし込みつつ、こまごまとややっこしい「注意が必要な部分」を、どう入れたらいいか悩みに悩んで、早幾年。

完璧には程遠いですが、見た目や淹れ方などの項目ごとに分けて記載して、「注意が必要な部分」は初心者の方でも「ふーんそうなんだ」くらいのライトさで眺められるよう、各項目に小さな文字で補記することにしました。

とりあえずPDFをダウンロードしてどうぞ🍵

どのくらい役に立つかはわからないけど、これが今のワタクシの限界です…

読むときの注意書き

表をダウンロード or プリントアウト後、お手元に置いてご覧ください。

「普通蒸し(=浅蒸し)」と「深蒸し」という分け方について

これは茶業中央会の「緑茶の表示基準」を参考にしつつ、本基準には蒸し時間が標準的な煎茶は「煎茶」という名前だけが書いてあるので、最も一般的と思われる普通蒸し(=浅蒸し)/ 深蒸しという二分法を採用しました。

「浅蒸し」と「普通蒸し」を別のものとしたり、「深蒸し」より蒸し時間が長いものを「特蒸し」、間に「中蒸し」…と細かく分けるお茶屋さんもいらっしゃいます🍵

なお「緑茶の表示基準」に具体的な秒数の記載はありません。

「蒸し時間」について

「蒸し時間」は淹れるときの抽出時間ではなく、このふたつの種類を分けるときの基準となる製造時の蒸し秒数のことです。まあ、これが結構資料によって幅があるのと、わざわざ袋に書いてあるものでもないので、一応製造や販売上はこれで分けてるよーってことです。なお抽出時間は「淹れ方」のところをご覧ください。

「淹れたお茶の特徴」について

「甘くてコクがあり渋くない」といわれる深蒸し。改めてきっちり調べてみたらとろみ成分ペクチンの含有量が普通蒸しより多く、それでコクやまろやかさが出る&渋みが弱く感じるんじゃないか?と言われてるんだそうです。

ただ、実際の味には蒸し度合いだけでなく、品種と育て方、そして環境も大きく影響するため、生産エリアが違う深蒸し同士で比べたりすると「渋いやつは渋いな~」ってなったり、「色が濃くてもこってりしてるとは限らないな~、むしろあっさりじゃないかしらこれ」ってこともあります(機械の設定で細かくしてたりする、とかも影響してるのかもしれない…)。

それをちょっと頭の隅に置いておいてください。

あと!!にごり=うまみじゃない!!(これが言いたかった)

「合う急須」について

これで一本記事が書けそうですけど、あまり神経質にならず、好きなものをお選びください。深蒸しは急須のボディに対して網が大きいor広いか、がなにより重要だと思います。一応簡単に類型をお伝えしておきますと、

🍵平丸急須:急須の絵に描かれているような、ごく普通の急須。球体を上からつぶしたような形。高さがありコロコロしたのもある。

🍵丸急須:ほぼ球体のころんころんしたやつ。かわいい。

🍵平型急須:ごめんなさいググってみてください。だいたい高さが4㎝くらいまででワイドな平たい急須。かっこいい。

🍵極平丸急須:パンケーキみたいなやつ。かわいい。

網の細かさは葉を出したいか出したくないかの好み、ですねぇ(確かに大きい網は細かい傾向にあるけれども)。

…あ、あと、

深蒸しにぺたんこ系急須だけはやめとけ!!

高さがない→網が小さくなりがち→お茶が網を覆ってしまいやすい

それでも普通蒸し(浅蒸し)ならば、お茶は茶葉と茶葉の間をすり抜けて出てきてくれるのですが、深蒸しだとお茶が出てこなくなり、急須の中でどんどん濃くなっていってしまいます。焦って出そうとすると、今度は蓋と胴の隙間から出てきたりします。

深蒸しにぺたんこ系急須だけはやめとけ!!(大事なことなので二回言いました)

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