日本漁業界のオオタニを待つ
福島第一原発から処理水が放流されました。
私は、自分への悪影響については一切心配していませんし、営業としても太平洋側沿岸の魚は、これからも仕入れて天ぷらにして販売していきたいと考えています。
興味深い記事がありました。
中国は、今回の日本の決定に反応して日本の魚を一切輸入しない措置を取った記事。
最大の日本の水産物の輸入国だったそうです。言われてみれば当然だけど知らなかった。
日本の近海では魚が激減しています。
その中で、いい魚がドンドン中国に行っていたのか、と知りました。
本当に魚市場の品揃えが淋しくなっていた。
うちみたいな商売だと、これで少しは魚が市場に並ぶのかも、うっすらとした期待を持っています。
特に福島沿岸を中心としたリアス式海岸から千葉に至る漁港で採れたものが安くて種類が増えたら…
ところで、興味深いのはタイミングを同じくして中国が日本への旅行を解禁したんですよね。
日本食への興味、魚の生食の旨さへの関心はすごく高いと思います。
今回、石巻に行って、旨い魚のレベルの高さと、全く連動していない値段の安さに圧倒されて帰ってきました。
今こそ、中国人旅行者をこのエリアに呼んで(強烈に魚好きの人達)、一生忘れられないような魚料理を食べて帰って欲しいと、思います。
そして、それがどれくらい美味かったかを、中国語でSNSで書いてほしいと思います。
人って、割とどの国の人であっても結局、強く話題になるニュースに関しては敏感に、時にデモにまで反応するけど、あまり話題にならないことに関しては、もっと深刻なはずのことにも気にならないんですよね。
放射性物質が海に流される、と思うと怖いことだけど、でもその薄さ以上に、それとは違う危険な有害物質が海の中にはあって、それが食物連鎖でどんどん大きな魚に蓄積されているというニュースがあったけど、もう報道されていない。平気で食べている。
人はそれくらい、いい加減な生き物だと思います。
禍福は糾える縄の如し、人間万事塞翁が馬、ピンチはチャンス。
日本を訪れた世界中の人が世界中の人に、何気ない旅の中の最高の経験として、日本の魚文化の素晴らしさを発信して欲しい。
そして、何より、日本人が乱獲をなくし、本当に海洋資源を守ろうとしているのか、最後にはそこに落ち着いてしまう。それは消費者の強くて大きな関心が必要なのだと、師匠(と勝手に思っている)勝川先生は言っていた。
胸を張れる世界三大漁場の一角を、いつまでも守れますように。