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【デザイン学習者向け】デザイン力が伸びない人に見られる4つの傾向

元WEBデザイナーが、デザインについてつらつらと書いていきます。今回はデザイン学習中で、デザイン力に伸び悩みを感じる人に共通してみられる傾向について語ります。職業訓練、スクールで学んでいる人、就活中の人に読んでいただければ幸いです。


「アイデアを練る」ステップが欠けている

デザイン案を作る時、デザインが「できない」人の初手として、いきなりデザイン案を作り始める、明確なビジョンもイメージもないまま、掲載要素、写真素材をただ並べ始める、という事をやりがちです。

そして、漠然と要素と素材を「並べた」だけ、「デザイン四原則をなんとなく適用した」だけの、中身に乏しい味気ないデザインができあがります。

一方、デザインが「できる」人、熟練者はデザイン案を作る際の初手として、課題と同じ分野のデザインをリサーチし、いきなりPCで作業を始めず、スケッチブック等にラフスケッチや言葉で課題に必要なイメージ、アイデアの抽出、錬成を行います。

デザインができない人はやらないけれど、デザインができる人、熟練者がやっている事、それは作業を始める前に「アイデアやイメージを練る」というステップを挟む事です。

「デザインの引き出し」を増やしたつもりで身についていない

一度見たものは細部まで鮮明に記憶できる、完全記憶能力の持ち主ならともかく、気に入ったデザイン、参考になるデザインを眺めて、キャプチャして、ストレージに格納して満足しているだけでは、まったく「身についていいない」し、ストレージの肥やしを作っただけで、「デザインの引き出しを増やした」事にはなりません。

デザインを学び、デザインの引き出しを増やしたいのであれば、良いと思ったデザインの要素を分析し、そこで使われている表現手法、演出を「お手本無しで自力で再現できる」ように練習しましょう。

また、他人が作ったデザインを分析、言語化しただけで満足して終わるのも、大して意味がありません。必要なのは「自分の意図を言語化&視覚化」「自分の意図で作ったデザインを言語化」する能力です。

手数が圧倒的に足りない

デザインが「できない」人の傾向としてよくあるのが、「1案件につき、デザインを1案しか提案しない」というものがあります。

筆者が美大受験生だった頃、予備校の講師からは「ラフ案は最低でも20案は出すように」とよく言われました。

クライアントワークにおいては、案件の方向性やクライアントの意向を探るために、デザイン提案段階では常に相手に選ばせる余地を持たせる必要があります。故にデザインができる人、熟練者は方向性の異なるデザイン案を複数案用意します。

デザインを勉強中の人達の多くは、1課題につき1案しか作成しない傾向がみられますが、それでは圧倒的に手数が足りません。あくまで「課題」であり、提出期限もあってないようなものなのですから、1つの課題につき、複数のデザイン案を作る事を心がけましょう。

「表現する」「演出する」事に対して強い思いがない

グラフィックデザイン、WEBデザインのような平面的なデザインの領域は、「視覚伝達」「ビジュアルコミュニケーション」と呼ばれる事があります。

UIデザインは「機械と人とのコミュニケーションのデザイン」、広告デザインは「人(企業)と人(消費者)のコミュニケーションのデザイン」であるとも言えます。

視覚伝達、ビジュアルコミュニケーションの領域は、言葉を用いる普段の会話以上に、「相手に伝える」「表現する」「演出する」事を強く意識する、伝える事の熱量を普段以上に持たなければ、相手に伝わりません。

デザインが「できない」人は、「作る事」「ものつくりの作業」に必死になるあまり、「相手に伝える」「表現する」「演出する」事に意識が向いていない、まったく考えていないという傾向があります。

伸びない人は総じてアウトプットが足りてない

デザインができない、伸びない人によく見られる傾向を4つあげましたが、それ以前の問題として「学ぶだけ」で行動しない、アウトプットしない人が多い様に感じられます。

デザインを学ぶにしても、1日1~3時間程度の隙間時間で「学んだだけ」の3カ月と、1日8時間以上、インプット&アウトプットをみっちり実践する3カ月では、後者の方が伸びる確率は圧倒的に高いはずです。

デザイン力が伸びない、上手くならないと悩んでいる人は、まずは今まで自分がどれだけアウトプットしてきたかを振り返ってみるのもいいかもしれません。

数をこなしたけれど伸びていないと感じるようなら、上記の4つの傾向に当てはまっていないかを確認してみましょう。


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