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伝統と大衆との狭間で生きる僕ら-秋の読書週間に寄せて-

昨日、10月18日はスペインの哲学者ホセ・オルテガ・イ・ガセットの命日だったとの事。

思考のバランス

僕は思考にはバランスが必要だと思っています。

どちらの主張を持っていても、どちらに偏るでもなく聞く耳を持つバランスが。

イマヌエル・カントのカウンターパート

イマヌエル・カントは現代思想の源流を流れるまさに主流と言っていい。

その訳の難しさから読むことを忌避する人もいるが、自分の力で消化すれば、確実にあなたの人生に影響を与えるであろう哲学者。少なくとも、大人であれば名前を知って入ると思います。

過去の体制というものを批判し、ひとつのレジームを作ったカントは、間違いなく思考の一端であると思います。

そして、僕の主義に基づけばそれに対するカウンターパートが必要です。

それが本日紹介するオルテガです。

オルテガ「大衆の反逆」


『大衆の反逆』はポピュリズムに揺れる現代にも重なる不朽の名著です。過去の伝統や信仰を壊し、理性と言う金字塔を打ち立てた哲学会のスーパースターのカントに対して、一般的にはオルテガはモブかもしれません。

しかし、オルテガは未熟な判断をする大衆が蔓延するポピュリズムを憂いて、「貴族」への回帰を主張します。

それは身分制度としての貴族ではなく、民主主義社会において、ノブレス・オブリージュを尊ぶ、より道徳的な人物像を指します。

オルテガの定義する大衆とは自らを特別な理由によって良いとも悪いとも評価せず、自らが他人と同様であることに苦痛を覚えず、自らと他人が同一であることをかえって良しとする人々全部を指すもの。

貴族とはその対であり、自らより優れた存在を規範とし、自ら訴えることが必要であると心底から思い、その規範のために奉仕する人と定義しています。

では、その理想の世界とは?


ぜひこの機会にカントと共にオルテガを読み、そのふたつの潮流から現代に通じる危うさをご堪能ください。




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