国民民主党の進むべき道とは?

10月25日にも衆院選が行われているのではないかと噂されていますが、今回は次の選挙に国民民主党はどのような形で臨むべきかを考察します。まず国民民主党がとりうる道として

①今の党のカタチそのものを存続させる

②どこかの党と合流する

③解党または分党する
という3つの選択肢が考えられると思います。

まず、1つ目の選択肢についてです。今のカタチのまま選挙に突入した場合どうなるかかについて検討します。
国民民主党には小選挙区に強い議員がいます。それは組織に応援されている議員です。例えば、愛知県選出の議員にはトヨタの労働組合連合会がバックについている議員が複数おり、選挙に強いです。


しかしながら、5月に行われ月例世論調査の政党支持率各社平均を見てください。

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これを見ると国民民主党は0.9%であり、1%に満ちていません。またここ1年間は1%前後で推移しているような状況です。このような状況で選挙に突入すると、恐らく比例での議席配分がかなり少なくなり比例復活もかなり厳しくなります。選挙に強い議員がしっかり小選挙区当選すれば、議席の増加がないとは言えませんが、党が浮上するきっかけとなるには弱いと思います。玉木代表の積極的に政策提案をする姿勢は素晴らしいと思いますが、中々それが支持率には表れていない状況では、これでは現状からの脱却には至らないと思います。
 

続いて2つ目の選択肢についてです。他党との合流について、まずは立憲民主党あるいはれいわ新選組と合流・連携するケースについて見ていきます。

巨大与党に対抗するには野党共闘ではなく1つの党にまとまった方が良いというのはその通りだと思います。しかしながらそこにはハードルがあります。1つ目は外交安保リアリズムです。2つ目は組織です。

1つ目の点については政党間の一致性を見る上での根幹をなす最も重要な政策だと思いますが、保守系の議員とはそこが合いません。

2つ目の点についても特にエネルギー政策などを巡って組織とは相性が良くありません。そこで例えば、組織に配慮してエネルギー政策などに関する主張を抑えるなどの方法もありますが、それこそ旧民主党の復活に近いものになってしまい、多くの有権者がウンザリしている民主系の離合集散と変わらないものになってしまいます。ただ、1つだけ支持が得られる可能性があるとするなら、それは反緊縮で1つにまとまることです。野党第一党である立憲民主党の経済政策は民主党政権時と方向性が変わらないなどと左派からも批判があります。

そこで、民主党政権時とは全く違う方向性の経済政策を打つ出すのです。山本太郎氏や減税政策研究会の主張を全面的に取り入れるなどします。しかし、そのためには枝野氏がかなり譲歩しないといけない、あるいは保守系が逃げ出し左派色が強まる(有権者のメインゾーンから離れる)可能性があるなどの問題はあります。

次に日本維新の会と合流・連携する場合についてです。

過去に希望の党の結党時、第二自民党だと揶揄する人がいた中で、結党直後の世論調査の比例投票先で無党派では自民党に次ぐ高い数字をたたき出していました。


これは当時、希望をの党を第二自民党だと揶揄していた人達が支持者のメインゾーンだと思われる立憲民主党抜きでもそれだけの支持を得られる可能性があるということを意味しています。当時、最終的に立憲民主党が議席を伸ばしたのは排除された人の対応などでがうまく立ち回ったためであって、絶対的というより相対的に立憲民主党が良いということだったと思います。逆に言うと相対的に立憲民主党を支持している人は選挙時の立ち回り次第では他の党を支持する可能性もあるということです。

ただやはり、日本維新の会との合流にもハードルがあります。一番大きいのは、維新の会のグローバリズム・新自由主義志向の政策です。かつて民主から希望を経て自民に行った長島議員や細野議員が維新に来なかったのはその辺が合わなかったのだと思います。

また身を切る改革についても多くの反緊縮派がゼロサム思考などとつなげて批判していますし、そのような方々とも合わないと思います。

二つ目には組織との相性があります。維新はしがらみのない政治を主張していますので言うまでもなく組織との相性は良くありません。しかしながら組織系議員とは組織を除けば政策的に一致する部分は多くあるので統一会派レベルでの連携はありうると思います。まあ組織系の議員は選挙に強いので、仮に無所属でも多くの方は当選できるのではないでしょうか。
 

そして第三に、国政政党ではないですが、都民ファーストの会と合流・連携する場合についてです。

都ファは民主党出身の議員も多くおり、組織との相性も悪くありません。そのため都ファは国民民主党が党を分党することなく合流できる唯一の政党であると思います。都政与党にもなれます。

しかしただ単に都ファと合流するだけなら、その効果は限定的であろうと思います。この路線で行くならやはり小池氏との連携は必須だと思います。前回の都議選で都ファが躍進したのも小池氏の存在があったからです。支持率を上げるためにはその存在は欠かせませんが現在、都ファと小池氏との間に隙間風が吹いていること、国民民主党の党内にも小池氏を快く思っていない議員がいるなど連携へのハードルはあります。

今の国民民主党には主に立憲民主党との合流を推進する議員、維新の会との連携を模索する保守系議員、保守系ともかぶりますが組織の応援を受ける議員の3通りの方向性の違う議員いる状況です。党を割ることなくその3通りの議員を納得させる方向に進むのは正直非常に困難と言わざるを得ません。榛葉議員が「批判だけしている野党では国民の負託に応えられないと学ばなければならない」と仰っていますが、国民民主党がどのような道に進もうとも個々の議員レベルで国民民主党の提案型野党の色を継承しながら活動されることを願います。

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