見出し画像

私にゲームを買わせた作品~FF零式~

小学生まではポケモンとかやってはいたけど、年頃になるとゲームもアニメも縁遠くなった。でも、そんな中ゲームをやりたいと思った作品がある。

ファイナルファンタジー零式だ。

今回はそれにまつわるお話をしていきたい。

ゲームを買うまでのお話

私がオタクの道に足を踏み入れたのは大学生になってからだった。
高校のときに友人から誘われコスプレらしきことはやったが、大学での友人たちがボカロだの漫画だのアニメだのが好きな人ばかりで影響されたのだ。
当時アニメは妹と時々プリキュアを見る程度、ネット環境もちゃんと整ってなかったため動画というのも友人たちの話題についていくため見始めた。
そしたら案外あっさりハマるもので、歌ってみたをよく聴いていた。友人がカラオケで初音ミクの『1925』を歌っているのを聴いて、良い曲だなあ、と思ってニコニコ動画で調べてみて。そこで今や伝説とされるHoney Worksのゴムさんの動画とも出会うわけだ。

今度はゴムさんの他の動画を見始める。そこで見つけたのが「まっがーれ↓スペクタクル」の歌ってみた動画。キャラソンというものに馴染みがなかったため興味を持ち、原曲も聴いた。しかも、「涼宮ハルヒの激奏」の映像で。

初めて声優、というものを意識させられた。そして思ったのは、

このミスターに似てる人誰!?

というものだった。当時二次元には興味がなかったが、「水曜どうでしょう」にドはまりしていた『藩士』もとい『どうバカ』だった。そのため、小野大輔さんとミスターこと鈴井貴之氏を重ねてしまっていた。
そう見えてしまってからはそうとしか見えない。小野大輔、という人物に興味を持った私は彼の出演するアニメを見て、神谷浩史さんとのラジオ「Dear Girl Stories」を毎週聞くファンとなった。
そのラジオ番組でしばしば名前が出たり出演もあったりした中村悠一さん、杉田智和さんなんかも気になり、アニメの影響で花澤香菜さんや沢城みゆきさんも好きになっていった。

そんな中私は、「ファイナルファンタジー零式」の存在を知る。

憧れのゲーム

好きな声優さんがたくさん出演されているゲーム、しかもファイナルファンタジーなんて知識のない私でさえ名前くらいは知っている。欲しいに決まってる。

ただ、しっかりゲームをプレイするのはたぶん10年ぶりくらい、しかも最後に遊んだ記憶のあるポケモンなどはクリアした記憶がなかった。そのため私にはゲームが苦手だ、という意識が埋め込まれていた。
それにPSPも買わなくてはならないし、金銭的にもハードルが高かったため即購入、とはならなかった。でもなにか関連のものはほしい、と「ファイナルファンタジー零式 ワールドプレビュー」という冊子は購入した。

時を経るほどに欲しいという気持ちが大きくなっていく。もう買わないと気が済まない!金欠なわけでもないし!とあるとき思い切ってPSP本体と「FF零式」を購入してしまった。それでも発売から半年ほどは経過していたと思う。

美しいグラフィックと音楽

ゲームと言えばゲームボーイのポケモンしか知らなかった私のとってみればすべてが革命的だった。

画像1

これは、実写かなにかですか…?

というのが第一印象。グラフィックがほんと綺麗で、まあ今のゲーム作品に比べれば当然劣りますけども、人間が動いてる!!という感動がしばらく続いた。
それに加えて音楽。主題歌のBUMP OF CHICKENの「ゼロ」が世界観にぴったりすぎて胸がいっぱいになるのもだが、オーケストラ・合唱を交えた劇伴が最高で立ち止まってずっと聴いていても飽きないほどだった。
中でも「我ら来たれり」はテンション上がる。

重厚なストーリー

ストーリーの濃さも魅力の一つだ。

舞台となるのはオリエンスという土地。ここにはルブルム、ミリテス、コンコルディア、ロリカという4つの国があり、それぞれが力の根源である「クリスタル」を持っている。物語はルブルムがミリテスに激しく攻撃を受けているところから始まる。
ルブルムはクリスタルの力で魔法を操り、同じくクリスタルの力で化学兵器に特化したミリテスに対抗するもそのミリテスはルブルムのクリスタルを無効化する『クリスタルジャマー』を発動させ侵攻を優位に進めていた。
魔法が使えずルブルムの兵がどんどん倒れていく中、平然と魔法を使い戦う者たちが現れる。オリエンスの伝承にある救世主「アギト」を育成する魔導院の候補生「0組(クラスゼロ)」だ。赤いマントを翻しながら、戦火のオリエンスを駆け巡る―――。

物語の導入としてはそんなところだろう。
プレイヤーは0組の面々を操作しルブルムを救い、オリエンスのこの大戦の終結を目指す。

画像2

クリスタルには「生きている人間から死んだ人間の記憶を消す」という特性がある。これがまたひとつのスパイスとなり、イベントやストーリーのアクセントとなる。
泣けるんですよ、ええ…。

どうやら『ファイナルファンタジーXIII』を中心とする作品群「ファブラ・ノヴァ・クリスタリス」のひとつ、らしいが私にそこまでのFF知識はなかった。

魅力的なキャラクター

操作キャラである0組の面々は全員で14人。どのキャラも個性的で戦争という思い風景に明るさを加えてくれる。ここでは私の推しに絞って紹介していきたい。

画像3

ナイン

CV.小野大輔
言動が荒いヤンキータイプでおバカさんではあるが一本気な憎めないタイプ。
ダイナミックに槍を扱う中距離攻撃型で操作性も良く、なおかつ声が良いのでよく使っていた。イベントで見られるおバカさんエピソードが大好きです。

画像4

セブン

CV.青木まゆこ
クールで男前な言動が目立つお姉さんキャラ。賢くて強い、カッコイイ!!、という印象しかない。
鞭剣を振るう姿は勇猛でありながらしなやかな美しさもある。中距離、しかも範囲攻撃も可能ということでセブンもよく使ってました。声がイケメンお姉さん。

画像5

トレイ

CV.中村悠一
賢い。鼻につくほどに賢い雰囲気を纏っている。隙あらば持ちうる知識をひけらかそうとしてくるちょっとめんどくさい秀才。でも好き。
専用武器は弓で遠距離特化型。この弓、ボタン長押しで「チャージ」と呼ばれる弓の引き絞りができ、チャージレベルが高いほど強く弓を引いてダメージ量を大きくできる。このチャージの感覚が好きで、さらに「キルサイト」と呼ばれる一撃で倒せるタイミングで打ち抜くと快感だった。とにかく声が良い。

画像6

キング

CV.杉田智和
冷静沈着、クールで硬派な男。寡黙さが怖そうな印象を与えるがほんと優しい良い子。
戦闘では二丁拳銃をぶちかます。アビリティで「エンドレスワルツ」ってのがありまして、これがとめどなく発砲し続けるめちゃくちゃかっこいい技だったんですよ。遠距離型だから本音は近距離系のアビリティ「マガジンボム」を使ってロックンロールさせたいんだけどエンドレスワルツのアクションがかっこよくてずっと使ってた。当然声が良い。

ゲームに不慣れだったので基本遠距離型のキャラを使ってました。エースがアホほど使いやすいんだけどエースに頼るのは負けな気がして頑張ってまんべんなく動かしてた。
近距離だとエイトのステゴロ戦闘が好きでした。苦手意識が強かったのは動きが遅いジャックとシンクちゃん。あとキャラ像的にマキナには常にイライラしてました。

14人もいればお気に入りが必ず見つかるはず。操作キャラ以外のキャラクター含めとにかく声が良いのでそこが入り口でも良いと思います。
一例を挙げますと、櫻井孝宏さん、石田彰さん、水樹奈々さん、林原めぐみさんなどが出演されてます。

FF初心者的に、優しい

FFのナンバリング作品から外れる外伝に当たるため、FFの世界観をベースにしながらも他の作品をあまり気にせずここだけで完結させても十分楽しめるので、やってみたら思いのほかハードルが低かった印象。

むしろFFファン的には操作性も違うし、FFというには内容がちょっと、なんて声もあるので、ターゲットは新規・ライトユーザーだったのかな、とは思う。携帯機で出てるくらいだし。

後にPS4でHD版が出ており、そちらもプレイしましたがほんと綺麗になってて感動した。
大きい画面で0組の物語を見られることに心からの喜びを感じた。

ちなみに今回参照した画像はHD版のHPから拝借。

続編は?

FF零式は今のところ続編はリリースされてない。

HD版には特典映像として続編を匂わせる「TYPE-NEXT」がおさめられている。その映像ではエースとよく似た人物が武士のような鎧を身に纏い忍者のような動きをする。まさに和風FFが続編?と思っていた。ディレクターの田端氏も「続編があるとすれば壱式」みたいなこと言ってたし。
でも一向に壱式の報はない。

続編、ではないがFF零式の世界観を共有している「ファイナルファンタジーアギト」というスマホアプリがあった。2年くらいのサービスだったろうか、インストールしたもののあまりやらずにサービス終了していた印象。
PS Vitaで「ファイナルファンタジーアギトプラス」という移植版も開発されていたがそれも中止となっている。

その発表の後、「ファイナルファンタジー零式 ONLINE」のリリース予定が発表されているものの、リリース時期や内容についてはまだ公にされていない。が、零式の名である以上続編ではない気がする。

私としては「FF零式」という物語は終わっているという気分でいる。それと同じ舞台だったとしてもゲーム本編の結末には変わりないわけだし、あの結末でないとオリエンスは救われないのだから他の物語に入れ込むことのできる自信はない。0組の面々が好きで、0組を囲む人々が好きで、そこに生きる人たちが好きだったのだから、零式の並行世界にある物語は一番にはなれないのだと思う。

ただ、平和を迎えたとはいえ大戦の傷の深いオリエンスが立ち上がる物語は見たい気がする。しかしそれは、零式の結末上、もはや「ファイナルファンタジー」ではなくなる気がする。

何にせよ、「FF零式」は私の大好きなゲームで、ゲーム初心者にお勧めしたいことには変わりない。

物語だけであればコミカライズが、ちょっと違うシナリオでノベライズもされている。結構前に出版されたものなので古本なら安く手に入ると思います。
ちなみにコミカライズなら「氷剣の死神」という外伝が好きだった。
これは0組の担任・クラサメの候補生時代の物語で、ゲーム本編で語られるクラサメの過去の真実が描かれている。

発売から時間は経っているものの、「FF零式」は未だに褪せない名作だと思っている。機会があったら触ってほしいし、かつてのプレイヤーもたまに思い返してほしい。

この記事が参加している募集

全力で推したいゲーム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?