戸原 多津子

主に朝、思いつくままに浮かんだ考えを記録に残していきます。

戸原 多津子

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№34 2024 

大いなる力の 長い長いスケール その一目盛をさらに区切る 小さな狭間に 僕たちの時代がある 諦めに 希望という光が差しても 苦しみは消えずここにある 地に落ちているそれを 抱えて歩き出す力はまだない 何より大切なものだけを 一心に見つめることで 絶望から身を守り 過去も未来も見えない今は 昨日と明日の狭間の今日を 繰り返し生きる

    • №59 下車

      生きてさえいれば いいのだと 小さくても 幸せを感じられれば それでいいのだと 道と信じる崖っぷちを 果てにぶつかるまで 背負う荷を下ろせず 右往左往 歩いている 誰か許して 私は ひとやすみしたいだけ こころを そっと取り出して 空っぽになりたいだけ

      • №58 水溜

        雨上がりの夕方 街灯がつく前 グレーの通りを帰る僕 明日の朝日と風が 街を乾かすまで 泥の跳ねたスニーカーも 畳んだままの傘も そのままに今日を終える

        • №57 新緑

          君が 何故泣いていているのか わかりすぎるほどわかるけど わかると伝えた瞬間に それは嘘になるし 誰にもわからない悲しみは どの鏡にも映らない 涙が止まるまで 君を待つだけ

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        №34 2024 

          №56 反転

          バンジージャンプに踏み出すような やけっぱちの気持ちでは足りず かき集めた勇気を両手に 勢いよく歩いていく 知っている 追い詰められてると思ってもまだ 崖っぷちじゃない 見苦しく 詰みまで打って 恥をさらし 憐みの視線と蔑みの声に 感情が落下を始め 脳が自爆しかけたその時 ようやく 見える強い光 震える指が 再起動を指示して 僕の心が 希望をつかむ

          №56 反転

          №55 落水

          今度きっと という嘘 ついた君は わずかな時間をやり過ごし 明日は明日 花か嵐か凪の日か 約束という嘘の櫂で 急な瀬の岩を 避けながら 西日の落ちる河口の先 暖かく染まる水平線まで ひとりゆく

          №55 落水

          №54 招待

          桜のない道にころがる 風に運ばれた花びらも 舞い散ったあとは 綿菓子のように消えてしまい 上昇する気温とともに テンション高い季節が始まる その船に乗りたいんだと 勇気を出して 大声で叫ぼう 手を振ろう 僕はここにいる

          №54 招待

          №53 名残

          僕の予定を知るはずもなく 散り始める花を 急いで見に行く 人生の節目に似合う季節の中を 普段着で 自転車に乗って ゆっくり走る 僕の選んだこと 今からそれを 正解にしていくんだ

          №53 名残

          №52 連絡

          同じころ 等しく子どもだったこと 同じ公園で 放課後待ち合わせ 同じ教室で 休み時間を過ごしたこと その見えない絆の糸は 今でも優しく僕の背に残り そっとゆれている

          №52 連絡

          №51 共有

          君が 僕にくれたその小さな半分は 空っぽを満たすには 結局小さすぎたけど ほんの一時 紛らわせて そっと息継ぎをする 心に重力を感じて 僕が僕に戻ってくる

          №51 共有

          50投稿できました

          間があいた時もありましたが、50投稿することができました。訪れていただいた方、ありがとうございます。まだまだ初心者で、詩といってよいものかわかりませんが、私なりに言葉を選んで、組み立て、投稿しております。 朝、といっても4時5時の早朝から、8時9時といったひとしきり活動を始めた後、など色々な時間帯に、ふと、昨日一昨日の出来事に言い残したことが浮かんできます。メモします。メモはなぜかずっとためていました。 それをまた少し形を変えて私の思う詩というものにしています。 小学生の

          50投稿できました

          №50 伝言

          手帳をひらき 一年前の今日を探す あの日の私に 会いに行く 肩を抱いて 大丈夫だよって伝えたい 目を伏せ歩いた桜の下を 今年は見上げて歩いている

          №50 伝言

          №49 刹那

          雨は止み 雲は流れ 晴れて私たちは 空と隔たりなくつながり 頭上遥かどこまでも 限界のない永遠らしきもの その長さを知ることなく 風にゆれ 一瞬輝くその光 きらり、と生きて、消えるまで

          №49 刹那

          №48 白日

          あの日 君がくれた 小さなお菓子 まだ食べないうちから 胸がいっぱいになった 甘い、のうらおもてを 知った後も 小さな包みに入ってる 素直な優しさを ひとくち 欲しい日もある

          №48 白日

          №47 出航

          よかったねと 素直に言えず 情けない自分の 振る舞いを恥じる 昨夜の空はただ曇り 雨も降らず 星もなく 白い木蓮の蕾が 街灯に照らされていた ごめんねと言って 手を振ってくれた君 またね と 笑ってくれたのに

          №47 出航

          №46 再起動

          新しい扉を開けて 慣れ親しんだその場所から 何も持たずに 出発しよう 許せない出来事や 悔やまれる失敗 恥ずかしい勘違い 持たなくていい責任感 謝りたかった気がかりも 忘れものにして 窓から差し込み反射する日差し 舞いあがる埃はきらきらとつもり すべてはゆっくり 輪郭を残して 色あせていく 今 あなたは全く新しく 輝いている

          №46 再起動