大いなる力の 長い長いスケール その一目盛をさらに区切る 小さな狭間に 僕たちの時代がある 諦めに 希望という光が差しても 苦しみは消えずここにある 地に落ちているそれを 抱えて歩き出す力はまだない 何より大切なものだけを 一心に見つめることで 絶望から身を守り 過去も未来も見えない今は 昨日と明日の狭間の今日を 繰り返し生きる
生きてさえいれば いいのだと 小さくても 幸せを感じられれば それでいいのだと 道と信じる崖っぷちを 果てにぶつかるまで 背負う荷を下ろせず 右往左往 歩いている 誰か許して 私は ひとやすみしたいだけ こころを そっと取り出して 空っぽになりたいだけ
雨上がりの夕方 街灯がつく前 グレーの通りを帰る僕 明日の朝日と風が 街を乾かすまで 泥の跳ねたスニーカーも 畳んだままの傘も そのままに今日を終える
君が 何故泣いていているのか わかりすぎるほどわかるけど わかると伝えた瞬間に それは嘘になるし 誰にもわからない悲しみは どの鏡にも映らない 涙が止まるまで 君を待つだけ
バンジージャンプに踏み出すような やけっぱちの気持ちでは足りず かき集めた勇気を両手に 勢いよく歩いていく 知っている 追い詰められてると思ってもまだ 崖っぷちじゃない 見苦しく 詰みまで打って 恥をさらし 憐みの視線と蔑みの声に 感情が落下を始め 脳が自爆しかけたその時 ようやく 見える強い光 震える指が 再起動を指示して 僕の心が 希望をつかむ
今度きっと という嘘 ついた君は わずかな時間をやり過ごし 明日は明日 花か嵐か凪の日か 約束という嘘の櫂で 急な瀬の岩を 避けながら 西日の落ちる河口の先 暖かく染まる水平線まで ひとりゆく
桜のない道にころがる 風に運ばれた花びらも 舞い散ったあとは 綿菓子のように消えてしまい 上昇する気温とともに テンション高い季節が始まる その船に乗りたいんだと 勇気を出して 大声で叫ぼう 手を振ろう 僕はここにいる
僕の予定を知るはずもなく 散り始める花を 急いで見に行く 人生の節目に似合う季節の中を 普段着で 自転車に乗って ゆっくり走る 僕の選んだこと 今からそれを 正解にしていくんだ
同じころ 等しく子どもだったこと 同じ公園で 放課後待ち合わせ 同じ教室で 休み時間を過ごしたこと その見えない絆の糸は 今でも優しく僕の背に残り そっとゆれている
君が 僕にくれたその小さな半分は 空っぽを満たすには 結局小さすぎたけど ほんの一時 紛らわせて そっと息継ぎをする 心に重力を感じて 僕が僕に戻ってくる
間があいた時もありましたが、50投稿することができました。訪れていただいた方、ありがとうございます。まだまだ初心者で、詩といってよいものかわかりませんが、私なりに言葉を選んで、組み立て、投稿しております。 朝、といっても4時5時の早朝から、8時9時といったひとしきり活動を始めた後、など色々な時間帯に、ふと、昨日一昨日の出来事に言い残したことが浮かんできます。メモします。メモはなぜかずっとためていました。 それをまた少し形を変えて私の思う詩というものにしています。 小学生の
手帳をひらき 一年前の今日を探す あの日の私に 会いに行く 肩を抱いて 大丈夫だよって伝えたい 目を伏せ歩いた桜の下を 今年は見上げて歩いている
雨は止み 雲は流れ 晴れて私たちは 空と隔たりなくつながり 頭上遥かどこまでも 限界のない永遠らしきもの その長さを知ることなく 風にゆれ 一瞬輝くその光 きらり、と生きて、消えるまで
あの日 君がくれた 小さなお菓子 まだ食べないうちから 胸がいっぱいになった 甘い、のうらおもてを 知った後も 小さな包みに入ってる 素直な優しさを ひとくち 欲しい日もある
よかったねと 素直に言えず 情けない自分の 振る舞いを恥じる 昨夜の空はただ曇り 雨も降らず 星もなく 白い木蓮の蕾が 街灯に照らされていた ごめんねと言って 手を振ってくれた君 またね と 笑ってくれたのに
新しい扉を開けて 慣れ親しんだその場所から 何も持たずに 出発しよう 許せない出来事や 悔やまれる失敗 恥ずかしい勘違い 持たなくていい責任感 謝りたかった気がかりも 忘れものにして 窓から差し込み反射する日差し 舞いあがる埃はきらきらとつもり すべてはゆっくり 輪郭を残して 色あせていく 今 あなたは全く新しく 輝いている