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【ネタバレ感想】映画「トラペジウム」を観た

公式サイトで見られる情報と、「主人公がサイコらしい」という情報だけ入れて見てきました。で、久しぶりに思考がこれに憑りつかれてしまったので今考えていることをつらつら書きなぐっていこうと思います。記憶のデータ化です。
ちなみにまだパンフとか特典とか見てないです。見たら今のこの感覚のどこかしらが上書きされてしまう気がして、、

結論、良いか悪いかで言えば前者。ただ首を傾げるような箇所もあるので「良かった!」と手放しに人に薦められる作品ではない…といったところです。

さて、ここから考えたことをできるだけ時系列順に書いていきます


最初は電車のシーン。この電車、扉の開閉ボタンがついてたと思うんだけど聖地の千葉県館山市って雪国仕様の電車なの?

主題歌「なんもない」良かった。入りの映像が爽やかで明るい未来を予感させるような、つまりこの後の展開と大きくギャップを作るような、効果的なものだったと思います(ちなみに曲のアウトロが32拍だったので、たぶん原曲から多少こちょこちょしてる)
で、このへんで私の鑑賞中メモに「主人公は無力感を持ってる?」とあるんだけど何を見てそう書いたんだっけ…

ここから本編、主人公の東ゆうは、東西南北の星(かわいい子)を集めてアイドルユニットを結成しようと奔走する。
まずは南の星、聖南テネリタス女学院2年生、華鳥蘭子(CV.上田麗奈)。
友達になるまでの一連のシーンで何が良かったって、ここで「ん?」ってなる描写を「エースをねらえ予習しといてよかった…!」的な動作のみで終わらせているところ。おそらく事前調査で知っていたのだろう。
ここから終盤にかけて東ゆうの狂気性をだんだんと見せていくんだけど、その最初として本当にちょうどいい。視聴者の頭にひっかかるかひっかからないかの絶妙なところなんじゃないかな

次に西の星、西テクノ工業高等専門学校2年生、大河くるみ(CV.羊宮妃那)。
首元押さえてたのは門戸をくぐる前だっけ。ここからこのクセが出てくる。でも最後までこのクセが明確に活きてくるシーンは無かった気がする…あ、今緊張してんだな、くらいの記号でしかなくて、、
で、ここで大河くるみと初邂逅…とともに、写真好きのメガネ君、工藤真司くん(CV.木全翔也)とも連絡先交換。こいつが意外と有能なやつでしたね。

東ゆうのモノローグでキタ、ミナミ、ニシ、とか出てくるんだけど、南や西と知り合ってからのモノローグでも〇〇さん、とは語られず、方角で呼ばれてるのがやはり強く印象に残って、それがまた「コマ(駒)視」している印象を強めていて良い。
また、真司くんとはそんなに連絡をとってないことが読み取れる描写もあった…はず、メモにはそう残ってる

「奇跡が起きれば、1枚の写真からアイドルになれる」
これ完全に橋本環奈さんを指してるよね、、なんかこう、ハシカン本人やその周辺だけじゃなくて、全く関係ないところでその人の要素が出てくるのってすげぇな、、って映画と全く関係ないところで感動してました

次に北の星、城州北高校1年生、亀井美嘉(CV.相川遥花)。
この子は東ゆうが勧誘を計画していた子ではなく、街中の書店で偶然出会い、この子でもいいじゃん、と計画に加入させた子。高校名が判明したのってどのタイミングだっけ…
その後卒業写真を確認した東ゆうのノートに「整形→全然いい」みたいなことが書いてあってそれがまた「気にするのそこなんだ」感があっていい。
これがまた1人の人間をユニットのパーツとしてしか見ていない感を出してくる

この後に、東ゆうがアイドルを目指す理由を話すシーン。
どうしてアイドルになりたいの?
→初めてアイドルを見た時に「人間って光るんだ」って思ってから、自分も光る方法を探していた
なぜ自分も光ることにそこまで固執するのかは最後まで明らかにならない。アイドルを異常に神格化している理由も不明。
OP映像から察するに、小学校低学年頃にTVか円盤かでライブ映像らしきものを見た様子

亀井美嘉(黒ロング旧友)に誘われたボランティア活動に参加。内容は車いす登山。
東ゆうの目的は参加実績と4人での写真撮影のみ、という前提と、車いすの参加者とのコミュニケーションが(1人を除いて)全く描かれないことが合わさって本当にヤバい。東ゆうの目にはアイドルしか見えてないのが強く伝わってくる。
でも頂上で東ゆうが他メンバーを怒らせたと思ってたのはなんでなん?なんかやったか?

あと味噌汁のアリに対して「水死は辛いよね」ってのも後から何もリンクしてきて…ないよね?なんか関連描写あったかな

頂上にて1人で昼食をとる東ゆうだが、亀井さん…だったか?誰かの計らいで4人で一緒に食べることに。
華鳥蘭子(ですわお嬢)のあだ名の話から、それぞれの呼び名の話になり、ここで東西南北が集まっていることに3人が気づく。ここで東ゆうのヨシ!みたいな動作あり。
具体的な話の流れは
紹介するね、亀井美嘉さんです
→華鳥蘭子です
→えっ、ミナミさんじゃないの
→聖南なので…
だっけ?この会話の流れを予想して話を振ったとしたら東ゆうさん本当に怖いね…でも自己紹介する流れはまぁ普通にあるか
ここで東ゆうのノートにもあった「結束力」が高まる、と。

このあとが学祭パート。
登山の車いすの子と再会してしまいライブ参加計画は中止。マジで邪魔者にしか見えてなさそうで良い。あ、あのときの子だ、みたいなのも全く無し。
その後写真撮影に参加。こういうシーンって後から効いてくるような要素を間違いなく入れ込んでくるし、10年後、と聞いた瞬間オタクは全員身構えると思う。
この一連のシーンの中でかなり強めに義足を印象づけてたけど、その意図として私個人としての答えを出しました。
おそらく、あのシーンにおいて車いすの子は「未来東ゆう」から見た「今の東ゆう」で、 今の東ゆうは「未来の東ゆう」なんじゃないのか?
ひとりでは自立できず周りの人の補助により前進する今の東ゆうと、アイドルになれると言われ、なるよと返す未来東ゆう。この2者を重ねていたんじゃないのかな……というのが一旦の回答です。皆はどう解釈した?
あとはこのコスプレがそのまま未来の4人になってたのがエモいね。

ここからボランティアパート2へ。
両サイドのおじいちゃんの声、配役ミスってない?おばあちゃんだろ?しかも素人のやりそうなばーちゃん演技だな…なんて思ってたらどうやら高山一実さんと西野七瀬さんらしい。急に作品世界から引きはがされるから本当にそういうのやめてくれと言いたいが原作者が了承してるんだからまぁ…ええか……

このパートで亀井さん(黒ロング)が、ボランティア仲間じゃなくて友達と言ってほしい、と憤慨。東ゆうにとって3人は「アイドルになる自分の構成パーツ」。だけど3人、少なくとも亀井美嘉にとっては、一緒に活動する友達だったというその認識の差をこうやって見せてくるのね、、

ここで登場した関西弁ADねーちゃんの古賀萌香さん(CV.久保ユリカ)、いいキャラだったな…!演技も良かった
アイドルになるためのチャンス、そしてADとしてもキャリアアップのチャンス、ここだけ見たら爽やかな成長群像劇なんだよなぁ

で、確かこの後、大河くるみさん(ロボ研)と、、華鳥蘭子さん(ですわ)だったかな?このふたりのシーン。前向きに考える華鳥蘭子に対し大河くるみは「何が大切か悩んでる」と話す。ここで突き当りの二叉路を映して右と左に車が走っていくカットを入れるのがッハァ~~~~~良かったです、「分かれ道」、なんすよねぇ、、、
大河くるみはそのまま一緒にアイドルをやるんだけど、アイドルをやることに納得する、了承するような描写って無かった…よね?その後普通にアイドル衣装着てたから  あれ?悩んでたのどこいった?ってなっちゃったんだが

東西南北アイドルデビュープロジェクト、発足
TV局でのお披露目ライブ
ライブ前の円陣、並びが時計回りに北、西、南、東になってて東西南北裏返しになってたけどこれはなんなんだろう、普通は北、東、南、西の順にしないか?
ライブシーン良かった、3Dはまだかわいくできる気がするけど手書きとのブレンドも綺麗だったしよく動いて楽しいシーンでした

この次のシーンあたりから東ゆうの凡人コンプレックスがちょいちょい登場してくる。
まずはオーディションの話。東ゆう単体には輝ける魅力がないことがわかる。これがOPのノート紙芝居?で表現されてるのがヤバい。そんなん1回見ただけじゃわかんねーよ!!
次にファンレター。あれは強烈な表現だけど興奮しますね。実際の事務所も同様に渡してるのかな。さすがに多少配慮するか…?
この「普通の人間である」ことを描くことでその後の東ゆうのヤバさというか、アイドルになれないアイドル狂信者感を強めているのかな、などと

このあたりで亀井美嘉(黒ロング)の彼氏バレだっけ?東ゆうのあの表情良かったすね…顔を映すまでの間のとりかたも絶妙で、くるぞくるぞ…!って期待が膨らむ感覚が気持ち良かった。
それに、これきっかけに東西南北の活動が停滞しはじめる…みたいなやつで赤信号のカット入れてくれるのが本当に好きで…

新曲の話が持ち上がる。その作詞を東西南北でできないか、と東ゆうが立候補。お前ずっとひとりで決めてんな…
このへんから東ゆうの孤立が描かれはじめる。
確か華鳥蘭子と大河くるみで「流れに身を任せていれば」の話をしていた電車のシーンなんだけど、このふたりを上から映したカットが印象的だった。向かって右に座る大河くるみはでかいリュックを自分の隣に置いて、左の華鳥蘭子はキャリーケースを頭上のラックに乗せてる。わざわざ荷物を映すようなアングルにするかなぁ…?何か意図がありそう。
座る場所といえば、ロケバスの座席位置で4人の関係の変化を示していたのも悦んでしまいました、、

あとは大河くるみ演じる羊宮さんの演技がまぁ~~良かった話。「くるみがおかしくなる前に 開放して…」もそうだし発狂もだし。

その後東西南北は解散、CD制作の話がADさんから来て「ありがとう」。これも一瞬感情が迷子になる。え?東お前そんな感謝するようなムーブしてたっけ?発狂した大河くるみをあーあ、壊れちゃった、みたいな目で見てたやつが?このありがとうは解釈が難しいす。「どうでもいいけど…まぁ実績としちゃアリか…」くらい言うかと思ったんだけどな

東ゆうのノート「出口。私は」
これも解釈がむずい。わからん。アイドル活動終了、ここからどうしたらいい?ってことでいいのか?

その後亀井美嘉に会いに行ったりなんやかんやあって終了。そんなに書きたいことがないので省略。8年後ADねーちゃんのネックレス趣味悪くない?ってくらいかね

・そもそも東ゆうがあそこまでアイドルに固執する理由
・空中分解したのにいつの間に仲直りしたん?3人は東ゆうのこと恨んでてもおかしくないよね?
この2つが解消されてくれれば大幅に評価が上がったかな、といった感触です。
例えば東ゆうにはアイドルを目指していた姉がいて、でも志半ばで事故か何かで亡くなっちゃって、それが呪いとなり、私がアイドルにならないと…!みたいなバックボーンでもあれば理解できるんだけど…原作では何か書かれてるんかな


まとめ

この感情を共有したいので見てください。上映中はずっと集中して見られたし、少なくともこれだけぐるぐる考えさせられるんだから駄作ではないはず…!
宜しくお願いします

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