布マスクの悲劇 #5

すっかり定着したマスク生活。
もはやパンティーと同じレベルで日常的につけるようになった。

そして、最近は不織布マスクと同じくらい、布マスクをつけてる人も多くなっている。

わたしも某衣料品メーカーの布マスクを使っている。

しかし最近、その布マスクに、困ったことが起きた。


臭いのである。


しかも、おっさん臭い。

これがまさしく加齢臭と呼ばれるものなんだろう。

小さい頃、よくじいちゃんが昼寝に使っていた枕と、同じにおいがするのだ。
よく言う、おっさんの耳の裏の臭いなんだろう。

悲しすぎる。
ミドサー、独身、彼氏なし、マスクが臭い。

さらに困ったことに、つけた瞬間は「くっさ~」とすぐに感じるのだけれど、しばらくすると、そのにおいに慣れて、感じなくなることだ。
これはまずい。
自分が臭いことに気付けない。

きちんと洗濯はしている。
そして、使いたての頃は柔軟剤のいいにおいがして気分がよかったのだ。

いったいいつからにおっているんだ!
そしてこのにおいはたぶん、身体全体から発せられていて、たぶん肌に密着している部分から布を通して発せられているんだろう。
下着やヒートテック。彼らが危険である。
新品のうちは柔軟剤のにおいが優勢でも、使っているうちに加齢臭が優勢となってしまうなんて。
いくらいいにおいのする柔軟剤を使っても、この悲劇からは解放されないのだろうか。

よく、ご夫婦でお揃いの布マスクをつけていたりするのを見かけるが、彼らは、例えば洗濯してあべこべになったりしないのだろうか。
その時、感じるのだろうか。「あれ?臭いな」と。
これは、妻が夫に思うのと、夫が妻に思うとでは話が違ってくる。
もしわたしが結婚していたとして、どっちが誰のマスクかわからなくなってしまった時、きっとにおいで判別するだろう。わたしはそういう人間だ。
その時、区別ができないなんて、悲しすぎる。
いやむしろ、わたしの布マスクだけがくさい可能性だってある。
そしてこっそり、くさくないマスクの内側に、自分の名前を書いておく。これでお互いの関係はフェアーだ。

歳をとったことは認める。
でも、自分からおっさんのにおいが発せられていることはまだ認めたくない。
けれど、現実問題として、マスクがおっさん臭い。
この現実からは、目をそらしてはダメだ。

とりあえず、また新しい布マスクを買って、少しでも加齢臭から解放される日々を増やすこと。
今のところ、これしか思い浮かばないのである。

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