見出し画像

良いGKとは

最近では、僕が中学高校の時代(10〜15年前)と変わり、GKコーチがいるチームが増えてきているように感じます。
対戦相手のアップにGKコーチを見かける機会が多いです。

また、所属チームにGKコーチはいなくとも、GK練習のメニューが簡単にYouTube等で見ることができる時代になりました。

人工芝グランドを保有するチームも増えて、GKにとっては環境が整いつつあります。
当然、欧州の様に天然芝の方が良くはありますが土より断然マシです。

キーパーグローブもどんどん進化していて、多くの高校生が1万円を超えるような、下手すると2万円近いグローブを普通に着用しています。
めちゃくちゃ羨ましい、、確かに高いグローブはキャッチしやすい。。

ですが、残念なことに僕が考える『良いGK』を見かける機会はあまり増えていません。

もちろん、上記の理由から全体的なレベルは向上しています。
一つの成果として、素晴らしいことだとは思います。

ですが、これだけの環境が整っているのであればもっと高いレベルでのGKの育成ができると感じています。

当然、GKの考え方は様々だと分かっています。
100人GKコーチがいれば、100通りの考え方があります。

ですので、あくまで一個人としての意見として、育成年代のGKにとって最も重要だと考えるポイントを2つお伝えしたいと思います。
※無論他にも大切なことは無限にありますが

それは、「準備」と「判断」です。
それぞれについて見ていきます。

①準備

GKだけではなく、人生においても最も重要だといっても過言ではありません。

僕が何故、準備を最も大切にするか。
それは、準備ができていなければテクニックもフィジカルもメンタルも無に等しい。意味が無くなるからです。

どんなに高いテクニックや、強靭なフィジカルや、安定したメンタルも準備ができていなければ発揮が出来ません。

準備とは具体的に何を指すかというと、
「正しいポジショニングで正しいタイミングで正しく構える」
ということです。

これは、当たり前のことですが本当に重要です。
ですが、できているGKは本当に少ないです。

少なくとも、毎年入学してくる新入生で出来てる選手は1人もいません。

というのも、僕の考える準備に対する水準は異常に高いので、その水準で考えると誰一人できていません。

準備が本当に大切だと考えているので異常な拘りがあります。準備オタクです。

なので、僕はこの「準備」をめちゃくちゃ練習します。特に1年生の間は。

準備の練習とは不思議なものですが、準備の練習をします。

実際に、準備を徹底して練習させるとかなり防げる失点が増えます。

何より、準備が出来てなかった時の失点に自分で気づくことができるようになり、自分で成長できるようになります。

GK練習でもかなり練習しますが、シュート練習やゲームの時にゴールの後ろから徹底的に準備についてボソボソ伝えてます。

②判断

GKが過酷だと思うのは、間違えれば失点に直結する究極の判断を一瞬でしなくてはならないことです。考える時間はありません。

なので、「判断」も訓練する必要があります。

先程の準備にも共通して言えますが、結果的に失点しなかったから「良い判断」だった。という評価はしません。

同様に、失点してしまったから「悪い判断」だったとも評価しません。

失点しない可能性が最も高い判断をする、というのが正解です。

では、どの様にして適切な判断を可能にするか。

「正しい判断をするための選択肢を与える」

シュート一つにしてもどこにポジショニングを取るのか、飛ぶのか飛ばないのか、掴むのか弾くのか、弾くならどこに弾くのか、など判断の要素は沢山あります。
止めたからおっけーではなく、今のポジショニングは正しかったのか、飛ぶ必要があったのか、弾く判断でよかったのか、弾く強さや場所はよかったのかを考えさせる必要があります。

そうすると、自然と選手への要求レベルが高くなり、選手がそれに応えようと成長します。

準備と同じく、今の判断が正しかったのがどうかを自分で少しずつ考えることができるようになり自分で成長します。

プレーに判断と選択肢を持ってるキーパーが少なく、結果的にプレーの質が下がっていると感じます。

この良い準備ができて、正しい判断をした上で、ミスが発生した時に技術・フィジカル・メンタルが足りなかったね。となります。

〜結論〜

環境が整いすぎて、情報が溢れすぎて、本当に大切なものを見失わないことが重要です。

例えば、高いグローブを買ってキャッチが上手くなるわけではありません。

上手いキーパー、少なくとも準備と判断が備わってるキーパーが高いグローブを着用することでより良いパフォーマンスになるとは思います。

YouTubeで見た、プロがやってるメニューをやるだけでは上手くなりません。

その映像を見て、何を意識して目的として練習するかが大切です。

心技体と言われる様に、どうしてもメンタルテクニックフィジカルに意識がいきがちですし、一時的には上手くなった様に見えます。

ですが、長い目で見てそれらを発揮するための『土台』(=準備と判断)をしっかり作るとより成長の伸びしろが出来ると強く実感してます。

僕自身もキーパーを始めて20年近く経ちますが、未だに土台練習は欠かせません。

このブログが伸び悩んでるGKやGKコーチの方の何かヒントになれば幸いです。

一緒に『良いGK』『良いGKコーチ』を目指していきましょう。

ありがとうございました。

写真は今年の自慢の3年生。と選手権勝ち進んだおかげでホテルご飯を食べ過ぎて肥えた私。

峯達也

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?