たつきち

或いは「達吉」/ 紹介するもの何もないんですよ、自分 / 100%創作垢 /毎日一本「…

たつきち

或いは「達吉」/ 紹介するもの何もないんですよ、自分 / 100%創作垢 /毎日一本「お話」アップ続けてます。20230814で1000本達成!/日記アカウント( https://note.com/tatsukichi_24_02)

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そういえば…(最終更新20240126)

はじめに この自己紹介以外、アップしている文章は全てフィクション・創作物です。 そのあたりのご理解よろしくお願い致します<(_ _)> ▪️▪️▪️ 自己紹介的なもの何も…

たつきち
3年前
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【てるてる坊主のラブレター】#毎週ショートショートnote

てるてる坊主のラブレター。私はそう呼んでいた。 携帯電話のなかった頃の話だ。 友人と長電話をしていると親に怒られるので、夜、テレカを持って近くの電話ボックスに行く…

たつきち
8時間前
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【68 たまご】#100のシリーズ

「卵、高くなったなぁ」 と言っても、ほぼ毎晩の厚焼き卵で一杯をやめるほどのものではない。 煙草をやめられない友人に「一箱いくらになったらやめる?」と訊いたら「千円…

たつきち
1日前
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【67 ダンゴムシ】#100のシリーズ

「ダンゴムシは平気だけどワラジムシはダメだ」 唐突に運転席に座る相方が話し出した。 ダンゴムシは頭に浮かんだがワラジムシってどんなのだっけ? 「ワラジムシ?」聞き…

たつきち
2日前
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【赤い傘】#シロクマ文芸部

「赤い傘の女?」 「そう。怪談というか都市伝説というか」 「ネットとかで流行っているのか?」 「いいや。ここいらの地域限定」 「そういうのってホントっぽいから嫌だな…

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3日前
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不審物

とある国の空港でKはFに会った。 「なんだ?結局おまえと一緒か?」 とFは言って確認したら、今回はお互い別の任務に就いていた。 Fは本部に、僕は日本に向かうべくその空…

たつきち
4日前
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和菓子屋 -【腐れ縁だから】#青ブラ文学部

付き合っている年数で腐れ縁と呼べるラインがあるとしても、さすが半世紀の付き合いとなったら「俺たち腐れ縁だから」と言っても誰も否定しないだろう。 「あきほ堂」とい…

たつきち
5日前
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【奇岩シューズ】#毎週ショートショートnote

最近流行りの奇岩シューズは、なんてことはない奇岩の写真の入っているシューズだった。それがなんで流行っているのかはわからない。コレクターは新しいシューズが出るたび…

たつきち
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【祈願上手】#毎週ショートショートnote

「祈願上手?おねだり上手とは違うのか?」 「そうだな…似て非なるもの。かな?」 西本はあたりめを炙りながら言う。 「上手に祈り願うのさ」 「何?お前の彼女って巫女さ…

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7日前
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【金魚鉢】もしくは『隣人005』#シロクマ文芸部

金魚鉢? 駐車スペースにそれは落ちていた。 置かれていたのかもしれない。 どちらにせよ「何でこんなところに金魚鉢?」である。 アルバイト先であるパン屋。 いつもは早…

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8日前
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【金魚鉢】#シロクマ文芸部

「金魚鉢・・・?」 宵月は目覚めにそう呟いた。 「変な夢だったんだ」 朝食のフレンチトーストを食べながら宵月が言う。 「珍しいじゃん?夢とか引きずるの」 野々隅が言…

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9日前
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【66 ポップコーン】#100のシリーズ

理想の休日ですか? うーん… 映画三昧ですかね? ミステリ映画が好きなんです。 だから、新作旧作お気に入り取り混ぜて合わせて最低3本は観たいですね。 映画館に行くの…

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10日前
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【65 ゴミ】#100のシリーズ

遺品整理屋が案内したのは元廃校。 「不要と言われるモノを不要となった場所に収めておく。ちょうどいいでしょ?」 そう言ってニヤリと笑う。 体育館にはまだ未整理の物が…

たつきち
11日前
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【人魚の尾鰭の先の色】#新色できました

馴染みのカフェに置いてあったオーストラリアの雑誌を眺めていた。 読んでいたとは決して言えない。 案外と紙面にある単語は自分の知っているものが多かった。 英語で読ん…

たつきち
12日前
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【山岳カルマ】#毎週ショートショートnote

登山仲間の葬式の後は約束などなくても皆いつもの店に集まる。 「なぜ山に登るのか?」「そこに山があるからだ」 それはあまりにも有名すぎるが、山を登る者にとってそれは…

たつきち
13日前
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【文学トリマー】#毎週ショートショートnote

出された名刺には「文学トリマー」とあった。 「え?編集さんですよね」 「そうです。この度担当させていただくことになりました」 歳の頃は30歳前後だろうと思われる、化…

たつきち
2週間前
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そういえば…(最終更新20240126)

そういえば…(最終更新20240126)

はじめに
この自己紹介以外、アップしている文章は全てフィクション・創作物です。
そのあたりのご理解よろしくお願い致します<(_ _)>

▪️▪️▪️
自己紹介的なもの何もしてませんでした<(_ _)>

「たつきち」と申します。「たつきち」は「達吉」とも書きます。
何処かのSNSでひょっとしたらお目にかかっているかもしれません。まぁ、あちこちに出没しております。
その昔は「鉄砲玉の達」と呼ばれて

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【てるてる坊主のラブレター】#毎週ショートショートnote

【てるてる坊主のラブレター】#毎週ショートショートnote

てるてる坊主のラブレター。私はそう呼んでいた。
携帯電話のなかった頃の話だ。
友人と長電話をしていると親に怒られるので、夜、テレカを持って近くの電話ボックスに行くことがあった。
3分10円で話していた頃のことだ。
電話ボックスには少しいかがわしい小さなチラシがベタベタと貼られていた。
私は友人との会話をしながらそのチラシをなんてことなく剥がしていた。
そのチラシの中に混じって、てるてる坊主が描かれ

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【68 たまご】#100のシリーズ

【68 たまご】#100のシリーズ

「卵、高くなったなぁ」
と言っても、ほぼ毎晩の厚焼き卵で一杯をやめるほどのものではない。
煙草をやめられない友人に「一箱いくらになったらやめる?」と訊いたら「千円超えたら考える」と言った。決して「やめる」ではない。考えるだ。
税込200円の卵。毎日2個ずつ使う。一日40円。煙草に比べたらかわいいものだ。しかも腹が膨れる特典付き。
「煙草と比べられても、卵も困るって」
そう。「たまご」と「たばこ」い

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【67 ダンゴムシ】#100のシリーズ

【67 ダンゴムシ】#100のシリーズ

「ダンゴムシは平気だけどワラジムシはダメだ」
唐突に運転席に座る相方が話し出した。
ダンゴムシは頭に浮かんだがワラジムシってどんなのだっけ?
「ワラジムシ?」聞き返せば「ゾウリムシ?」と相方もこちらに疑問形で返す。
「・・・」
「・・・」
しばしの沈黙の後、思い出した。地元では「ベンジョムシ」と呼ばれていたヤツ。だけど便所で見たことなど一度もない。
「わかるような気がする。あの集団でいるの嫌だよな

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【赤い傘】#シロクマ文芸部

【赤い傘】#シロクマ文芸部

「赤い傘の女?」
「そう。怪談というか都市伝説というか」
「ネットとかで流行っているのか?」
「いいや。ここいらの地域限定」
「そういうのってホントっぽいから嫌だな」
「なにビビっているの?苦手?怖い話」
「嘘だとわかりきっているのはいいけど」
「これだって噂だよ?」
「でもこの辺限定だろう?」
「全国的に見れば似たような話があるんじゃね?」

それは夜の踏切で女が立っているという話だった。

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不審物

不審物

とある国の空港でKはFに会った。
「なんだ?結局おまえと一緒か?」
とFは言って確認したら、今回はお互い別の任務に就いていた。
Fは本部に、僕は日本に向かうべくその空港にいた。
「休暇か?」
「お使いも兼ねてですがね」
「日本もいろいろ厄介だよな」
「島国ですから」
「ご近所さんは面倒な国が多いしなぁ」
話している内容はともかく、こうしてロビーで話をしているのを側から見れば、偶然会った顔見知りのビ

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和菓子屋 -【腐れ縁だから】#青ブラ文学部

和菓子屋 -【腐れ縁だから】#青ブラ文学部

付き合っている年数で腐れ縁と呼べるラインがあるとしても、さすが半世紀の付き合いとなったら「俺たち腐れ縁だから」と言っても誰も否定しないだろう。
「あきほ堂」という和菓子屋がある。
うちの親父とそこの店主は生まれた時からの知り合いなのだという。
「誕生日も一緒、生まれた病院も一緒、なんなら入院していた病室まで一緒」
とどちらも口を揃えていう。
父の友人であるあきほ堂の主人は三代目。早くに結婚していて

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【奇岩シューズ】#毎週ショートショートnote

【奇岩シューズ】#毎週ショートショートnote

最近流行りの奇岩シューズは、なんてことはない奇岩の写真の入っているシューズだった。それがなんで流行っているのかはわからない。コレクターは新しいシューズが出るたびそれを買い求める。有名メーカーのシューズであるから履き味ももちろんいい。
集めるだけでなく、その奇岩シューズを履いて、現物を見に行くのが正しいマニアの在り方とされている。だから、履くためのものと保存用と2足買うのもマニアのお約束だ。
「聖地

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【祈願上手】#毎週ショートショートnote

【祈願上手】#毎週ショートショートnote

「祈願上手?おねだり上手とは違うのか?」
「そうだな…似て非なるもの。かな?」
西本はあたりめを炙りながら言う。
「上手に祈り願うのさ」
「何?お前の彼女って巫女さん?」
「造り酒屋のひとり娘」
そうだ。今飲んでいる酒も西本の彼女の家の酒だ。
「彼女が願うがままに世界は回っている」
「まさか」
「今時男ばかりの4人兄弟の3番目で、実家が農業でもないのに興味本位で農業大学で糀の研究をしていた彼氏をご

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【金魚鉢】もしくは『隣人005』#シロクマ文芸部

【金魚鉢】もしくは『隣人005』#シロクマ文芸部

金魚鉢?
駐車スペースにそれは落ちていた。
置かれていたのかもしれない。
どちらにせよ「何でこんなところに金魚鉢?」である。
アルバイト先であるパン屋。
いつもは早朝の仕込みから焼きまで開店と同時に自分は上がる。
だけど今日明日は、従業員の成瀬くんが実家の法事でお休みなので、昼過ぎでの仕事だった。
午前中の成瀬くんの業務の中にパンの配達がある。
ドイツ料理屋とフランス料理屋。
ランチの前にパンを届

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【金魚鉢】#シロクマ文芸部

【金魚鉢】#シロクマ文芸部

「金魚鉢・・・?」
宵月は目覚めにそう呟いた。

「変な夢だったんだ」
朝食のフレンチトーストを食べながら宵月が言う。
「珍しいじゃん?夢とか引きずるの」
野々隅が言うと、宵月はコクリと頷く。
「金魚鉢って、家にあったことがないんだよね」
「金魚、飼ったことがない?」
「うん。ない」
そういえば生き物を飼ったことがない話をしていたな。と野々隅は思った。
「あ、でも、俺もないかも」
「何?」
「金魚

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【66 ポップコーン】#100のシリーズ

【66 ポップコーン】#100のシリーズ

理想の休日ですか?
うーん…
映画三昧ですかね?
ミステリ映画が好きなんです。
だから、新作旧作お気に入り取り混ぜて合わせて最低3本は観たいですね。
映画館に行くのもいいかもしれませんが、今ってどこも座席指定じゃないですか?隣とか前とか後ろに座った人が最悪でも席変われないのが嫌なんで、家で見ます。
配信でもいいんですが、気に入ったのは円盤買っちゃいますね。学生の頃から。
で、完全防音なんですよ。あ

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【65 ゴミ】#100のシリーズ

【65 ゴミ】#100のシリーズ

遺品整理屋が案内したのは元廃校。
「不要と言われるモノを不要となった場所に収めておく。ちょうどいいでしょ?」
そう言ってニヤリと笑う。
体育館にはまだ未整理の物が、そして教室にはカテゴリ分けされた物たちが整然と並ぶ。
「旦那が探しているものがあるといいんですが」
誰も住むことのなくなった家を解体する前に、家の中にあったもの全てを回収する。もしくは、遺族からの依頼を受けて、不要なモノを回収する。

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【人魚の尾鰭の先の色】#新色できました

【人魚の尾鰭の先の色】#新色できました

馴染みのカフェに置いてあったオーストラリアの雑誌を眺めていた。
読んでいたとは決して言えない。
案外と紙面にある単語は自分の知っているものが多かった。
英語で読んで英語で理解できるほど英語が堪能なわけではない。
読んだ文章を頭の中で和訳しようとしてしまう。
あっているのかあっていないのか不安になる。
もういいや…と写真を眺めていた。
アメリカの色合いよりも優しく、ヨーロッパの色合いよりも明るい。

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【山岳カルマ】#毎週ショートショートnote

【山岳カルマ】#毎週ショートショートnote

登山仲間の葬式の後は約束などなくても皆いつもの店に集まる。
「なぜ山に登るのか?」「そこに山があるからだ」
それはあまりにも有名すぎるが、山を登る者にとってそれはまさに真理だ。
「山本は山岳カルマと呼んでいたな」
「カルマ。業ねぇ」
「業は俺たちの業なのか?それとも山の持つ業なのか?」
「どっちにもあるんじゃねぇの?」
山の恐ろしさは誰もが知っている。知っていても、知っているからこそ登るのだ。しか

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【文学トリマー】#毎週ショートショートnote

【文学トリマー】#毎週ショートショートnote

出された名刺には「文学トリマー」とあった。
「え?編集さんですよね」
「そうです。この度担当させていただくことになりました」
歳の頃は30歳前後だろうと思われる、化粧っ気の少なめだが明らかに美人と呼べる担当は口元だけで微笑んだ。
「書籍化の際の、紙面の構成なども担当させていただきます」
小説も、作家が書いたものがそのまま本になあるわけではない。
担当が読んでわかりにくいところなどを指摘してもらって

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