たつきち

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たつきち

或いは「達吉」/ 紹介するもの何もないんですよ、自分 / 100%創作垢 /毎日一本「お話」アップ続けてます。20230814で1000本達成!/日記アカウント( https://note.com/tatsukichi_24_02)

マガジン

  • 日記2024

    • 140本

    2024の日記・雑記です。

  • 掌編2024

    2024年の創作物です

  • 任務遂行中

    連作短編。上の方が古いお話です。

  • ふたりのはなし・番外編

    「ふたりのはなし」の番外編がだいぶ増えてきたので時系列で並べています。 上の方が幼い頃のお話です。

  • 殺し屋シリーズ

    副業殺し屋なのでprofessionalと呼べるか否か?

最近の記事

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そういえば…(最終更新20240126)

はじめに この自己紹介以外、アップしている文章は全てフィクション・創作物です。 そのあたりのご理解よろしくお願い致します<(_ _)> ▪️▪️▪️ 自己紹介的なもの何もしてませんでした<(_ _)> 「たつきち」と申します。「たつきち」は「達吉」とも書きます。 何処かのSNSでひょっとしたらお目にかかっているかもしれません。まぁ、あちこちに出没しております。 その昔は「鉄砲玉の達」と呼ばれていました。いやいや、決して他人様にご迷惑をおかけするような、そういう生業をいたし

    • 【文学トリマー】#毎週ショートショートnote

      出された名刺には「文学トリマー」とあった。 「え?編集さんですよね」 「そうです。この度担当させていただくことになりました」 歳の頃は30歳前後だろうと思われる、化粧っ気の少なめだが明らかに美人と呼べる担当は口元だけで微笑んだ。 「書籍化の際の、紙面の構成なども担当させていただきます」 小説も、作家が書いたものがそのまま本になあるわけではない。 担当が読んでわかりにくいところなどを指摘してもらって修正する。書籍化する際も改頁などにあたって読みにくい箇所は言葉を入れ替えることで

      • 特殊機関-【帰りたい場所】#青ブラ文学部

        旅鼠に関する情報が入って来た。 テロ組織レミング。 テロと言っても彼ら自体には主張する主義主張はない。 あえていうなら常に戦いを求めている。戦いの匂いを嗅ぐと外へ移動する。 傭兵部隊と思われがちだが、そこの組織に属することはない。あくまでも旅鼠は旅鼠として活動する。手段を選ばずではなく、選んだ末の破壊活動。 ゆえに清掃局には「旅鼠は無条件で排除せよ」という指示が出ている。 旅鼠に属する者たちは、生まれ故郷である国を捨て、自分の名前すら捨てている。 死後、身元を確かめると、祖国

        • 【白い靴】#シロクマ文芸部

          「白い靴を履いた男、ですか?」 「えぇ。ご存知ないですか?」 先週近くであった殺人事件の捜査だという刑事とここの社長の話を背中で聞いていた。 「目撃証言によると、走り去る男は夜でも目立つ白い靴を履いていたというんです」 「はぁ…いや。記憶にないです」 「そうですか…」 そのあとも二、三の質問をして刑事たちは帰って行った。 「なんだか物騒ですね。殺人事件とか」 「うん。5年前もあったんだよね」 「え?近所でってことですか?」 「うん。そう」 小さな印刷所の社長は改めてコーヒーメ

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        そういえば…(最終更新20240126)

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        記事

          立入禁止

          公園の遊具に黄色と黒のテープが巻かれてあった。 黄色いテープに「ちかづかないでください」と黒文字でプリントされている。 ジャングルジムと滑り台が一緒になった遊具だった。 ジャングルジムは元は何色だったのだろう?オレンジ色と水色がところどころに見えているが、ほとんどが赤黒い錆色だった。 緋村はそれをスマホで写している。 いや、その遊具を写すフリで、公園の反対側の道路にいるふたりの男を撮影していた。 これだけ離れると声は聞こえない。 しかし、この時間にふたりが会っていた証拠にはな

          立入禁止

          メッセンジャー

          久しぶりに筆が全く進まない状態だった。 とはいえ、連載が終了すると、必ずこの状態に陥る。 ほおっておいてもそのうち書けるようになるから、別に気にしてはいない。 それに、今、ちょうど、副業の依頼を受けたばかりで、いろいろ調べなくてはならないこともあって、書けないでいることが具合がいい塩梅でもある。 殺しの依頼の流れはまずはメッセンジャーから打診を受ける。 「期限は3週間後。誰某という三十代の男性ですが、受けていただけますか?」 最初の打診はこんな感じである。 写真がある時とない

          メッセンジャー

          午前3時13分

          我ながら器用だと思った。 キーボードに手を置いたまま寝落ちしていた。 その手の上にうっつぷすこともなく寝ていたようだ。 ノートPCはスリープ状態。 自分と同じく眠っていたようだ。 机の上のデジタル時計は03:13。 「やれやれ」 キーボードから手をどかし、両手を握り指の関節を鳴らす。 いい加減この癖はなくそうと思うが、ついポキポキと鳴らしてしまう。 首を回し、肩甲骨も「ポキリ」というまで動かしてみる。 そして、改めて、キーボードのエンターキーを叩くと、画面が明るくなった。 パ

          午前3時13分

          【二億斉藤】#毎週ショートショートnote

          「三億佐藤と二億斉藤?なんだこれは?」 「集めてほしい」 「ちょっと待て。日本人が今、どれだけいると思っているんだ?一億を切ろうとしているんだぞ?」 窓辺に立つ男は片眉を上げた。 「お前、三億の佐藤をどこに集めるつもりだ?」 「は?」 「情報だけでいい。確かな証拠があればいい。過去に遡って三億の佐藤と二億の斉藤」 「それに何の意味があるんだ?」 「お前が知る必要はない」男は冷たく言い放つ。 「・・・集めればいいのだな」 「ちょっと待って」 傍に立って話を聞いていた妹が私の前に

          【二億斉藤】#毎週ショートショートnote

          【冷凍記憶】#毎週ショートショートnote

          冷凍睡眠のコースはふた通り。 ひとつは肉体ごと、もうひとつは記憶のみを冷凍保存するもの。 「お勧めは?」 「条件によって変わります。星団船にお乗りになりますか?」 「あ〜、どうしようか悩んでいます」 「ご家族や親しい方とご一緒ですか?」 「いや。ひとりです」 担当は「でしたら、冷凍記憶コースがお勧めです」と言った。 記憶のみを冷凍保存する。冷凍はコールドスリープに対しての比喩であるが、時折解凍=再生して、記憶を確認してもらえる。 「肉体ごとですと、文字通り冷凍状態になります。

          【冷凍記憶】#毎週ショートショートnote

          探偵-【君に届かない】#青ブラ文学部

          I cannot reach you.I cannot reach you.I cannot reach you.I cannot reach you… A4用紙に何度も何度も繰り返す「I cannot reach you.」 「なんだこれは?」 探偵は思わず口にした。 「これが毎日届くんです」依頼人は言う。 郵便ではない。 住所の書かれていない封筒が毎日ボックスに入っているのだという。 その依頼人は蒾花町の探偵に紹介を受けたと言ってここへきた。 蒾花町の探偵。あれはちょっ

          探偵-【君に届かない】#青ブラ文学部

          【風薫る】#シロクマ文芸部

          「風薫るの薫といえばたいていは通じる」 「羨ましい」 「あぁ」 男3人がオープンテラスで頭を突き合わせている。 「俺は年配の人には割と説明は楽なんだけど、若い人に困るんだよなぁ」 「オレも」 「井上馨の馨です。で、あぁ…ってなる」 「イノウエカオルって?」 「大昔の政治家」 「ふうん…」 「って、お前みたいなリアクションの人には、女子レスリングの伊調馨選手の馨の字です。と」 そう言いながらテーブルの上で指で馨の字を書いてみせる。 「あぁ」 「ほら?伝わるでしょ?」 ふたりがウ

          【風薫る】#シロクマ文芸部

          madam

          「めっきり葬儀が簡素になって花屋も暇になったでしょう」 いつも嫌味を言いにくるマダムに「買い叩かれるよりかはいいですよ」と答えた。 花が高いのだ。 だけど葬儀屋は初めからこの値段でこの量で、と指定されている。 薄利どころか諸経費込みではマイナスになることもある。 近々、葬儀屋と相談しなくては。と思っていた。 マダムは片眉をヒクリと上げた。 20世紀のドラマに出てきそうなマダム。 フルネームは存じ上げないが、苗字は知っている。 だけど私はマダムと心の中で呼んでいる。 マダムは店

          北極熊と虎

          『北極グマとトラは一緒に戦うことはできない』 探偵はじっとそれを見ていた。 ネオン管で描かれた文字。 意味はあるのか?渡邊医師は探偵の背中越しにそれを見て思った。 「いやいや」 渡邊は首を振る。 芸術作品の意味を知るのは作った作家だけだ。 それを良い悪いと評価する外野は愚かしい…とは、目の前の探偵の台詞だ。 渡邊もその言葉に頷いた。 「珍しく、君と意見が一致したね」 探偵が嬉しそうに目を細めたのを渡邊は思い出す。 探偵は北極グマかもしれない。 渡邊は思った。 だけど、自分はト

          北極熊と虎

          殺し屋-永久欠番のあなたへ#青ブラ文芸部

          殺した相手に思い入れはない。むしろそんなものを抱いたら殺し屋なんてやっていられない。 「でも、覚えていますよね?殺した相手を」 「そりゃそうさ。当然だろう?」その人は少し呆れたような顔をした。 「その人がいなくなっても、その人がいた大概のところには別の誰かが入り込んでは、さも『最初から自分がいました』みたいな顔をする。死んだやつのことなんて家族でもなければさっさと忘れてしまう。だから、せめて俺くらい覚えてやってもいいだろう?」 誰も悪いとは言っていない。 同じ統括者から仕事を

          殺し屋-永久欠番のあなたへ#青ブラ文芸部

          【真夜中万華鏡】#毎週ショートショートnote

          「眠れない?じゃあ、これをあげよう」 差し出されたのは万華鏡だった。 「眠れない夜に覗いてみるといい」 断ったつもりだったが、気がつくと鞄の中に入っていた。 眠れない。 わざと難解な本を読んだ。少し前なら数頁も読まずに寝落ちていた。今はつまらないと思いながらも読み進めてしまう。 諦めて電気を消して本を置く。 本を置いた手に何かが当たった。 万華鏡だった。 「真夜中万華鏡とか言ってたな?」 定かではない。 暗闇で覗いても何も見えない。そう思いながらもそのまま万華鏡を覗き込んだ。

          【真夜中万華鏡】#毎週ショートショートnote

          【放課後ランプ】#毎週ショートショートnote

          放課後ランプが灯ったら、振り向かずにまっすぐ家に帰れ。 「さもなくば…」 「さもなくば?」 津田はノートを置くと「そこまでしか書かれていない」と言った。 「ランプと言ったら相当昔だよね」澤が言う。 「うーん」津田が唸る。 「どうした?」 「このノート、日焼けしてるけどそんなに古くないんだよね」 「そうなの?」 津田はミステリー研究家なだけでなく文具オタクだった。 この学校が廃校になったのは3年前。 「『放課後、ランプが灯ったら』ではなく『放課後ランプが、』だとしたら」 「放課

          【放課後ランプ】#毎週ショートショートnote