大きな大きなプレゼント
桜がほんのり実り始めた頃
〇:うぅ...晴れてはいるけど、日陰と風が冷たい
寒さに耐えながら学校へと歩いていると
トントン
〇:うん?
振り返ると頬をつつかれる
〇:うわ、何してるの?玲?
自分はわざとらしく聞く
玲:えへへ、おはよう〇〇君 まだ眠そうだね
朝から元気にイタズラされたのは同級生の大園玲
今この子と付き合っている
〇:おはよう玲、昨日は夜更かししすぎちゃって...まだ眠いんだよ
そう言いながらまた欠伸をし目を擦る
玲:もうだらしないなぁ
少しだけ頬を膨らませる
〇:うーん、あれ今日って課題あった?
玲:あるよ確か数学の課題が
〇:うぉぉ!忘れてたぁ!
玲:貸さないよ
〇:頼む貸s...って早いなぁまだ言い終わってないんだけど
玲:いつも貸してるから分かるよ
こうやって借りるのはいつもの事、その度に見せてくれるからどうせ今回も借りれると考えてる
〇:そこをなんとかお願いします!
玲:えー ジトー
目を細めてジーっと見てくる 彼女はこのジト目を良くする。
つまり今回は一筋縄では行かないという事だ
〇:どうしたら見せてもらえます?
玲:んーじゃあ、あの有名店の数量限定ケーキで
〇:あそこか...分かった用意します(用意できるかな…)
玲:やった!何時でもいいからさケーキはさ、それより早く学校行こ?
自分は痛い出費に落ち込みながら、彼女に手を引かれ走る
――――――――――――
そして時間は休み時間
スマホを弄りながら自分は悩んでいた
〇:(そういえば付き合ってそろそろ一年経つし、なんかプレゼントあげたいな)
調べてみたが今何を欲しいのか分からず、ずっと唸っていた
玲:ねぇ〜何唸ってるんの
〇:べ、別に何でもないよ それよりどうしたの?
自分は開いてたサイトを閉じ、彼女の方に体を向けて話を聞く
玲:今日さ寄り道して帰らない?
〇:いいけど今日はどこへ?
玲:うーん、ショッピングモールとかみたいかも
〇:ショッピングモールねぇ(もしかしたら良いの見つかるかも...)
玲:嫌だった?
〇:ううん?俺も行きたいかも
玲:本当?じゃあ放課後ね?
〇:おーう、分かった
――――――――――
放課後になり、校門前で待っていると 遠くから走って来るのが見えた
玲:ごめん!日直の仕事が長引いちゃって
〇:大丈夫だよ、そんなに待ってないよ
玲:えー...嘘でしょ 鼻と手が赤いしまあまあ居たよね ジトー
〇:まあそうかもしれないね
玲:も〜 優しいのはうれしいけど、無理しなくていいんだからさ
手を取り包み込むように握られる
玲:へへっ冷たいね
〇:おう...
玲:あれ、照れてるの?
〇:照れて無いけど...
玲:へへっ、えーでも顔赤いよ?
〇:な、なんだよ 赤くないし
玲:こことか特にホレホレ~ ツンツン
〇:うっさい、早く行こ!
自分は恥ずかしくなり逃げるようにして歩いて行った
――――――――――――
二人はその足でショッピングモールへと向かう
〇:着いたけど、何が欲しいの?
玲:何かぶらぶらしたいなぁって
〇:あ、見たいもの無いって感じね
玲:たまには良いかなって何も考えないで見るのも
〇:なるほどね、どっちから見る?
玲:いいね、じゃあ洋服から見よ?春服見たいから
今日1の笑顔を俺に向けてくれた事に自然と笑みがこぼれる
〇:なんか、すごい楽しそうだね
玲:それはね...えへへ〇〇君と一緒だからだよ
〇:俺も玲と一緒に居るから楽しいよ
玲:え、そんな面と向かって言わないよ...恥ずかしい
〇:真っ赤だね可愛いよ
玲:ねぇ~今褒めるのは反則だって
〇:アハハ、学校でやられたからそのお返しだ!
そんなやり取りをしながらお店を見て回っている時、彼女がふと足を止めて外からお店を眺めている
〇:もしかして何か気になるあったの?
玲:ちょっとね、入って見てもいい?なんかアクセサリー系のお店みたい
〇:いいよ、なにか掘り出し物的なのあればいいな
2人はアクセサリーショップへと入っていく
玲:うわぁ色々ある
〇:思ったより中が広い、てか数が多い
玲:ね、凄い楽しいかも どれも可愛い
〇:(可愛い...)
彼女はまるで宝見た子供のような無邪気な反応をしていた
玲:目移りしちゃうなぁ
〇:まあ時間あるしゆっくり見たらいいじゃん
玲:うん、そうする え〜どっから見ようかな
〇:(うん、めっちゃ可愛いわ)
玲:ねぇ、これどう?
見せてきたのは可愛らしいシンプル目なピアス
〇:いいんじゃない?
玲:本当にぃ?なんか適当に返してるよね?
疑いの目をしながら笑う
〇:い、いやぁ正直付けてないから分からないです…
自分はこういうのには疎く何が良い悪いがあんまり知らなかった
玲:これならわかるんじゃないかな?
そう言い髪をかき上げて耳のそばに当てて見せてくれる
〇:うん良く似合ってるわ、可愛い
玲:似合ってる?えっへへ これ可愛いから買っちゃお
るんるんな足取りで他のアクセサリーを見る
〇:それにしてもすごい数あるな、お!コレ...
玲:ん?何かいいのあった?
〇:あ、えっとリングもいいなぁって
玲:どんな奴?
〇:こういうの似合う気がする
彼女の薬指にリングをはめる
玲:これってさ...
〇:え、あ、ごめん無意識で
玲:私は...別にいいけど?
〇:えっ...と
玲:うそうそ、冗談だよ~
〇:そ、そうだよな...
玲:卒業したら...ね?
〇:(先越されたな)
彼女に大きすぎるプレゼントを貰った○○だった
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