「先生になる」という社会貢献
column vol.1137
そんなユニークな記事に目を奪われました。
〈AMP / 2024年2月6日〉
こちらは、カンボジアの農村部の話。
同国では、首都プノンペンを始めとした都市部では経済特区が制定されインフラ整備が進む一方で、地方は後回しにされ地域格差が広がりつつあります。
農村部の貧困家庭の子どもたちは、児童労働を余儀なくされ、教育を受ける機会がないまま成長。
そのため、十分な収入を得られる仕事に就けないという「貧困の連鎖」が続いています。
そんな中、「学費をゴミで支払う」という新しい教育のカタチが芽生えようとしているのです。
前代未聞!?一石二鳥の教育システム
プノンペンから約110キロ離れたキリロム国立公園内にある「ココナッツスクール(Coconut School)」では、生徒はお金ではなくゴミで授業料を支払うことが義務づけられています。
それは、なぜか…??
実は、同国ではもう一つの課題として、ゴミ問題を抱えています。
回収やリサイクルのシステムは未だ課題が多く、市民の意識の低さも合わさり、大量のゴミが路上に放置されているとのこと。
これにより、大気汚染を始めとした、不衛生な環境による健康被害が深刻になっているのです。
「子どもの貧困」と「環境問題」。
この2つの課題を同時に解決するために、ココナッツスクールでは、集めたゴミと引き換えに授業が受けられるシステムにしたのです。
この地域で集められたリサイクルプラスチックやガラス瓶、古いタイヤは、学校の壁や床に建材として使用。
自分たちが住む地域から放置ゴミが減り、新しい資源として活用される過程を体験する。
これにより子どもたちは、教科書だけからは学べない「ごみに対する意識」を身につけることができるというわけです。
貧困を抜け出すための教育を受けつつ、環境リテラシーも向上できる。
そんな青写真が頭に浮かびますね。
このような支援の好循環は、日本の無料塾でも見られます。
高いレベルの教育を無償で受けられた恩を、大人になってから返していく。
そんな思い遣りの連鎖が生まれているのです。
誰もが「先生」になれる力がある
最近では、社会に直結するような教育も増えてきており、例えば、株式会社類設計室の教育事業部「類塾」が「こども起業塾 with BizWorld(小4〜高3が対象)」たるものを今年の春にローンチするようです。
(ちなみに同社では昨年「こども建築塾」を開講)
〈PRTIMES / 2023年12月21日〉
こうしたプログラムに興味を持っても、1回7,000円×12回(7ヵ月)という料金設定で断念する子どももいるでしょう…
そうした教育(体験)格差を少しでも和らげるための取り組みとして、先ほどの「ココナッツスクール」のような社会課題型の無償教育は、まさにヒントになると思います。
先生についても、地域の社会人がボランティアとして参加することもできる。
社会人とは、何かのプロフェッショナル。
例えば、営業職や販売職の方であれば、コミュニケーション術を教えることができますし、金融関係の方からは資産運用を学ぶことができます。
私のようなマーケターは「クラスで一目置かれるためのマーケティング戦略」というテーマなんかが面白いかもしれません。
まずは、手始めに「SWOT分析」を教えてあげたいと思っています(笑)
ちなみに、「ユダヤ人には成功者が多い(お金を稼いでいる)」というイメージがありますよね?
実際、ユダヤ人は、父親が「子どもに商売の方法を教える」ことを宗教上の義務としているのです。
〈PRESIDENT Online / 2024年2月7日〉
大人が子どもに「社会を生き抜く力」、「より豊かに生きていく力」を自然に継承している。
先ほどの「建築塾」や「起業塾」のような社会直結型の教育がますます増えていくことが予想される中、私たち社会人が先ほどのココナッツスクールのような仕組みで、子どもの体験格差を解消していく。
そんな風土が生まれると理想的だと思うのです。
子育て中は時間がないでしょうけど、その後に時間ができたら社会貢献の一環としてトライする。
私たち社会人も、そうした経験がスキルやノウハウの棚卸になりますし、セカンドキャリアにつながっていくかもしれません。
社チカした人には、ちゃんと社会が評価する。
そうした文化をつくる一助に自分もなりたいと思っています😊
「天才か」と話題の駅がある
最後は、とある教育に関する心温まる話で締め括りたいと思います。
新潟県の「えちごトキめき鉄道」の取り組みが、学生の心を射止めています。
駅といえば「待合室」ですが、何とこちらの会社では学生のための「自習室」を提供しているのです。
〈まいどなニュース / 2024年1月22日〉
同鉄道によると、ホームに自習室があるのは直江津駅と新井駅。
自習室に注目が集まったのは、昨年末のこちらの投稿がきっかけとなります。
直江津駅は2020年4月、新井駅は2023年2月から学生向けに開放。
直江津駅は同鉄道の妙高はねうまラインと日本海ひすいラインが乗り入れる拠点駅で、高校生の利用も多いそうです。
同社・鳥塚亮社長は
と、その熱い想いを口にされているのですが、この「熱さ」が学生たちの心を温めていることは間違いなさそうです〜
机や椅子、ホワイトボードが備えられたキレイな室内は冷暖房完備。
各席に電源も設置されているなど、まさに至れり尽くせりですね。
ここで勉強した子どもたちが、いつかまた次世代の子どもたちのために何かを貢献していく。
そんな未来予想図を実現できると良いですね😊
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
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