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「やりたいこと」は“相手”の中にある

column vol.849

昨日は夢を持って邁進する「夢組」の人たちだけではなく、その夢をもった人を支え、叶えるために尽力する「叶え組」の人たちも大切だという話をさせていただきました。

一方、

いやいや!自分はまだ何かは見つかってはいないものの「夢組でいたい!」という方も当然いらっしゃるでしょう。

では、いかにして夢組になるのか?

そのヒントを提供してくださるのが、ユーグレナ代表取締役社長の出雲充さんです。

新R25【「居心地の良い場所にいて、一生の仕事に出会うことはない」出雲充から令和のビジネスパーソンへのメッセージ】という記事の中で、「やりたいこと」の見つけ方を教えてくださっています。

〈新R25 / 2022年11月22日〉

「Get Out Your Comfort Zone」

出雲さんは

居心地の良いところにいて、自分が一生を捧げたいと思える仕事やテーマに出会えることはない

と指摘していらっしゃいます。

VUCA時代は、先のことは何もわからない。

昨日までの非常識が明日の常識になるかもしれませんし、その逆もあるかもしれません。

ですから、出雲さんは

行動するために「なんで?」と理由を追い求めること自体が意味をなさない時代

と考えていらっしゃいます。

ちなみに起業家教育で全米No.1「バブソン大学」では、とあることを一番初めに教えるそうです。

それが、「Get Out Your Comfort Zone」。

快適な場所から飛び出すことにより、自分の使命・天命・運命に出会うことができるという考え方になります。

実際、バブソン大学では、起業家を目指している学生を、自分が行ったことがない場所、友だちがいない場所、英語が通じない場所に行ってもらうようです。

そこで感じた怒りや、悲しみや、感動を通じて「自分はこんなことがしたい」とか「こんな社会課題を解決したい」という気持ちが芽生えるというわけです。

確かに、人類の歴史で考えてみても、文明は常に「不便」な想いの解消から発展してきました。

出雲さんも栄養失調で悩むバングラデシュに行ったからこそ、ミドリムシで食糧難を救おうと思ったというわけです。

ミドリムシは、あくまでも解決の手段。

救いたい人たちが目の前にいたことで「やりたいこと」が見つかったというわけですね。

「型」から見えてくる想い

いやいや、「快適じゃない所には行きたくない!」という方もいらっしゃると思いますので、逆に思いっきり「型」にはまりながら、自分のやりたいことを探る道についても言及いたします。

ヒントをくださるのは、TeaRoom代表取締役で裏千家茶道家の岩本涼さん。

若干25歳にして「岩本宗涼」という茶名ももつお方です。

〈Forbes JAPAN / 2022年11月22日〉

茶道、華道、武道。

「道」を極める上で「型」の重要性を教えてくださっています。

身体で型を作ると、思想が後から入ってくる実感を得られるというのです。

さらに、岩本さんはこのように解説されています。

型自体、身体表現の延長線上にあり、身体が一番動きやすいようにつくられてきました。一方、先人たちによって繋がれてきた型があるからこそ、自分なりに解釈して、その型の中で遊んでみることもできます。型という行動の解釈を自分なりに後付けすることで、型に意味がついてくる感じでしょうか。
型を続けることで、それが「なぜできたのか」「何のためにあるのか」と考え、そこから自分なりの考え方が生まれれば、自分なりの型が少しずつつくられていくものです。

つまり、数学の公式のようなもので、公式があるから応用も生まれます

そして、毎日抹茶を点てて、「今日は抹茶の点ち具合が悪いな」と感じることで、自分の心理状況の悪さにも気づる。

毎日、同じ型を続けるからこそ気づきがあり、変化も感じられるというわけです。

そして、茶会などを通じて、人と向き合う

相手に「喜んでもらう」ためにおもてなしをします。

つまり、茶道は「内省」「対話」もあるというわけです。

「道」を極めるには「守・破・離」という順番で、自分流が築かれていくという話をよく聞きますが、まさに型があるからこそ見えてくる「自分」なのではないでしょうか?

何に「向き合う」のか?

結局のところ、快適じゃない場所に飛び出すのも、今いる場所(型)で今あることに取り組むのも、「向き合う」という言葉が頭に浮かんできます。

岩本さんは起業に対しても

「自分にできること」と「社会が期待すること」の差分にやりたいことがある。

語っており、出雲さんもバングラデッシュで栄養失調で苦しむ人たちに向き合ったからこそ、ミドリムシに行き着いた話ととても似ていると感じます。

そう考えると、自分が「夢組」でいたいなら、何か選択肢を迫られた時、より厳しい道を選んだ方が使命・天命・運命に出会うことができるというのは理に適っています。

なぜなら、その道の方が困っている人が多いからです。

仮に自分で道を選べず、不本意な配置転換にあった場合も、逆にチャンスと捉えた方が得策かもしれません。

なぜなら、今までの生活では出会えなかったような困った人に出会えるかもしれないからです。

以前、知り合いのエンジニアが営業に配置転換されたことがあったのですが、彼は最初かなり落ち込んでいたものの、結局は大きなプラスになったということです。

営業は顧客(クライアント)の最前線。

お客さまが商品について何を求めているのかがよく分かったからです。

つまり、工場からは見えなくなっていた商品の向こうにある「困りごと」を知ることができた

そして、またエンジニアに戻れた時、それまでと全然商品づくりが変わったと話していました。

それまでは、ただ何となくつくっていた商品でしたが、営業経験を経て、届けたい人が具体的に頭に浮かび、自分の仕事を天職に思えるようになったというわけです。

仕事はその文字通り、誰かに「仕える事」

その対価としてお金を得ることがビジネスの基本となります。

趣味と違って「喜ばせる相手」がいなければ、お金を稼ぐことはできません

ですから、ビジネス上での夢ややりたいことを見つけるということは、詰まるところ「相手がお金を払っても良いと思ってもらえるほどの『喜ばせる』ことを見つけられたか」ということになりますね。

そう考えると、「仕える」という意味では夢組も叶え組も実は近しい

どちらであっても、いかに誰かと自分に向き合って、その仕事を前向きに楽しめているかが大きなポイントになるでしょう。

やりたいことが見つからなければ、まずは困っている人を見つけることから始めると良いかもしれませんね。

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。


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