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移住のための山林開拓プロセス ④

2020年10月に山林を取得してから現在に至るまでの開拓の大筋を時系列で。
当地は豪雪地帯であり、積雪時は除雪以外の作業はほぼできないので、実際の開拓作業の進捗はおおむね5月〜11月の間に限られる



開拓道具を格納するためのガレージを建設する

山林の開拓開始にあたり、まっ先に拠点となるコンテナハウス・『アラモの砦』を設置したわけだが、開拓に必要なさまざまな道具類は、仮設した年代ものの Coleman のトンネルタープ内部に格納しており、これは防犯上かなり心もとないばかりか、冬季の積雪を考えるともはや絶望的な状態であった。

そこで、雪が降る前にシャッター付きの格納庫(ガレージ)の建設が急がれた。

当初、「格納庫とはいえ森の雰囲気に合うデザインを」ということで、木造でイチから建設しようと地元の工務店さんに相談したところ、およそ12坪で700万円以上(時価)の見積となってしまい、これは早々に断念せざるを得なかった。

当時は折しもコロナ禍によるウッドショック全盛期だったのである。

2X4のキットガレージも模索し、数社見積をとってみたのだがやはりそれなりに高価。
さらに、豪雪に耐えられるかどうかが最後まで懸念となり、こちらも断念した。
なにしろオシャレなので、自身ですべて組みあげることに喜びを感じられるヒトにはアリなのでは


鉄骨鋼板構造のガレージはオシャレではない?

木造をあきらめた上で検討を開始したのが、鉄骨鋼板構造のガレージだ。
都会近郊の戸建住宅の脇でよく見かける、波板鋼板を貼り付けた感じの倉庫みたいなアレである。

2021年7月24日 鋼板ガレージの実物を見分するために札幌郊外の展示場に赴く。
当日は快晴のうえ札幌史上記録的な猛暑となり、炎天下で干からびるかと思った


これまでの鋼板ガレージの印象といえば、無骨でチャチくて安っぽく、オシャレとはほど遠いもので、当地のような白樺の森に似合うべくもないと思っていた。
このたびはコストの壁ゆえ苦渋の決断で「譲歩」したつもりではあったが、結果的にはなんの違和感なく森の風景に溶け込んでいるばかりか、安価かつ堅牢であり、実はベストな選択だったのではと振り返る。

総工費は、基礎を含めて400万円(時価)を若干切るくらい。同じ坪数で木造の半値近い建設費である。

2021年9月25日 ガレージ建設予定地を整地
2021年10月1日 生コンを打って基礎工事完了
2021年10月25日 ガレージの建込み開始
半日ほどで竣工、さっそく道具類を内部に収める。安心感がパンパない


鉄骨鋼板構造のガレージのメリット&デメリット

<メリット>
・建設費が安価
・規格のユニット式なので半日程度で竣工する(整地と基礎は別)

<デメリット>
・外板の熱伝導が高いため熱くて寒い
・塗装を傷めると錆びる
・デザインの自由度がない
・屋根勾配がほぼないので定期的な雪下ろしが必要

成り行き上、一応 <デメリット> も示したが、木造であってもなにかしらの制約が存在するからここは一長一短ありと見るべきで、コスト重視なのであれば間違いなく鋼板ガレージを選択するのが吉であると考える。

カスケードは北海道のメーカーさんなので屋根の積雪は1.5mまで考慮されている。
当地の積雪量は軽く2mを超えるので、少なくとも1シーズン3回は雪下ろしが必要だ


もっとも、今般の円安や現場の人手不足などにより、鋼板ガレージの価格も上昇の一途を辿ると聞く。
まったく、なにをするにも高コストに悩まされ、このままだと10円玉ハゲができそうな気配だ。


つづく

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