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クオバディス・ジャパン展示会レポート。バレットジャーナル用ノート3種類が3ブランドから登場

 5月29日~5月31日まで行われた、クオバディス・ジャパンの展示会をレポートする。
 同社のブランドとしては、バーチカル式手帳の元祖である「QUOVADIS」(クオバディス)をはじめ、「RODHIA」(ロディア)、それに「Clairefontaine」(クレールフォンテーヌ)、またインクと筆記具の「HELBIN」(エルバン)の各商品群がある。もともと紙のメーカーである本国のクレールフォンテーヌ社が、他の3つのブランドを有しており、クオバディス・ジャパンはクオバディスはもちろん、他のブランドも扱っている。

 今回の展示会のトピックはたくさんあった。
 たとえばQUOVADISブランドのオーガナイザー。システム手帳のジャンルに分類されるものだが、特徴的なのは、L字型ジップラウンドタイプであること。YKK製のジッパーは、下から横まで。全周を綴じるタイプとは異なり、ペンや収納した中のものにアクセスしやすいメリットがある。プロポーションも同ブランドを象徴するように正方形に近く、存在感がブランドのアイデンティティを表現している。mini6穴サイズ、バイブルサイズの2サイズが用意されている。

 今回最も注目だと感じたのが、バレットジャーナル向けのノートだ。
 文房具が好きな方はご存じのように、バレットジャーナルとは、アメリカ発祥のノート術で、プロダクトデザイナーのライダー・キャロル氏によって発案されたもの。
 その特徴は、ノートの種類を問わずに記入方法を工夫することで、タスクやスケジュールの管理を無理なく実現するというもの。日本でも『「箇条書き手帳」でうまくいく』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)や各種ムックで再三取り上げられている。ちなみにマイナビのこの記事は前掲書の書評だ。
 特定の手帳を前提とした手帳術とは違い、手帳・ノートの種類を問わず、記入方法と考え方だけで実践ができるのが大きなポイントだ。またInstagramで関連キーワードで検索すると、実践例が多数ヒットする。
 そのバレットジャーナル用のノートというとなんだか矛盾のような気もするかと思いきやさにあらず。
 3ブランドの各アイテムとも、それぞれのアプローチで、バレットジャーナルが実践しやすいような作りになっている。

 バレットジャーナルはもともと、ノートの各ページに役割を割り当て、発案者のルールをそのまま、またはアレンジしたりして使う。前述のようにノートの種類は問わないが、設定した方がいい項目はあり、それが最初から用意されていたら便利なのは間違いない。では順に見ていこう。
・いい感じのアレンジができそうな「gorlbook」(RHODIA)


 バレットジャーナルに慣れた人がいい感じにアレンジできそうなのが、「RHODIA」の「gorlbook」。これは、以下のページ構成になっている。すなわち
 1 インデックスページ
 2 パーペチュアルカレンダー(見開き6ヶ月ぶんのメモページ2種。1ヶ月、日付入り横罫タイプ)
 3 本文ページ。ドット方眼でページナンバー入り(上の写真)

 バレットジャーナルに必須の目次ページやフューチャーログ(向こう六ヶ月の予定)、マンスリーログ(月間予定)などにちょうど使いやすい構成になっている。そして、例えばハビットトラッカー(習慣をチェックするための記入法)を作りたかったらはドット方眼ページをアレンジすればいい。
 ちょっとした紙片や予備の名刺などが入るバックポケットも便利。表紙には「gorlbook」のロゴが型押しされている。
 サイズはA5版。色は12色展開。オレンジの縦バンドは全色共通。2800円+TAX。

・ビギナー向きにハードルが低い「LIFE JOURNAL INFINITE」(QUOVADIS)
 手帳が有名なQUOVADISブランドからは、「LIFE JOURNAL INFINITE」。3つの中ではこれが一番記入欄が作り込まれている。具体的には、
 1 インデックスページ・Key:横罫のテーマとトピック記入欄。Keyは進捗などを記入 2 イヤープランフレーム:合計12の記入欄。各月のイベントなどを記入
 3 マンスリーカバー:各月の表紙ページ
 4 マンスリーフレーム:いわゆる月間ブロック的ページ。日付記入式
 ハビットトラッカー用記入欄あり
 5 ウィークリーフレーム:いわゆるホライゾンタル的ページ。1週間の記入欄が見開きで用意される。これも日付記入式。日以外ののメモスペースあり(上の写真)。

 これが一番手帳に近いフォーマットで普通の手帳としても使える。バレットジャーナルは、ユーザーの自由度が高いノート術だ。反面、自由すぎてルールを飲み込むまでに時間がかかり戸惑うことも考えられる。「LIFE JOURNAL INFINITE」は、そういう層に向けて提案されているわけだ。
 これもサイズはA5版。色はローズとラベンダーの2色がある。縦バンドに入ったアクセントのラメが女子力高い感じだ。2700円+TAX
 もっとシンプルなものが欲しい人には、インデックスページと5mmドット方眼のみの「LIFE JOURNAL DOTS」もある。こちらもA5版。4色展開(ブルーベリー、プルーン、ミント、ピーチ)で、2500円+TAX。

・経験者向きである意味通好み「My.essentials」(Clairefontaine)
 今回の3種の中で一番シンプルなページ構成なのが「My.essentials」だ。
 これは、
 1 コンテンツページ(上の写真)、表紙ページ
 2 ドット方眼(下の写真)
 というページ構成。巻末には切り取り可能なページも用意されているし、収納ポケットもある。
 バレットジャーナルのやり方をすでに自分なりにマスターしている人向けに、アレンジの自由度を確保すべくシンプルな構成になっている。
 A5版で縦バンドがあるのは共通で、6色(ベージュ、ブラック、レッド、モスグリーン、ブルー、グレー)の展開。本体価格は2200円+TAX。また他の2種類が224ページなのに対し、これだけは192ページだ。Clairefontaineというブランドも、RHODIAやQUOVADISよりも通好みな感じだ。

 クオバディス・ジャパンが提供するバレットジャーナル用のノートは上記の3種類(厳密には4種類)ある。ユーザーが自分の好みや慣れに応じて選べるようになっている。

 はたしてこれらがバレットジャーナルのユーザーやその予備軍にどのように受け入れられるのか。今から楽しみだ。

2018/09/12追記
 クレールフォンテーヌの「My.essentials」は、在庫限りで廃番ということになったそうです。クオバディス・ジャパンからの情報です。

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