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エンジニアに高い目標を課さなかったら、勝手に楽しそうに成長してっちゃった話

私は経営をするうえで、「絶対にしない」と決めていることがひとつあります。
それは、背伸びした目標や、無理をした目標を立てること。 〇年後には売上〇億!とか、利益〇円以上!とか、ちょっとでも非現実的な目標は立てないようにしています。

そんな私が一応これだけ、といつも言っているのは、「10%成長しよう」ということ。
今日は手前みそではありますが、
「10%成長」という、少しの目標を課すことで勝手に成長していってくれる社員と会社の自慢話をしたいと思います。

1.急成長じゃなくていい、「10%成長しよう!」

いつも私が言っている、「10%成長しよう」という目標ですが、実はこの「10%」という数字も適当です。
みんな頑張ってくれているのに、こんなこと言ったら怒られちゃうかな。
でも、少しでも成長できているなら5%だっていいし、世の中が不況なら現状維持だっていいんです。 不況で苦しい中なら、赤字を出さず現状維持ができれば、それだけでものすごく立派なこと。

私が深く共感した、伊那食品工業の塚越さんの著書、『リストラなしの「年輪経営」』にはこんな一節があります。

年輪は、その年の天候によって大きく育つこともあれば、小さいこともあります。しかし、前の年よりは、確実に広がっている。年輪の幅は狭くとも、確実に広がっていくことが大切なのです。

『リストラなしの「年輪経営」』より

木の年輪のように、少しずつ確実に成長していく経営。私もこんな経営ができたらいいなと思っています。
そして、この「年輪経営」の最大の敵は、「急成長」だと言います。
急成長すると、必ずどこかでつまずいてしまうのです。

2.「10%成長」の目標が社員に与える影響

目標を立てるポイントは、「できそう」「やれそう」「やりたい」を揃えることだと思っています。無理をした目標は、必ずどこかで歪みを生んでしまいます。

私は、社員に無理をさせたくありません。
だから、無理をしなくても「できそう」「やれそう」な目標を立てる。そして、「やりたい」と思ってもらいたい。
「できそう」、「やりたい」と思ってもらえる目標をつくることは、本当に大切だと思っています。
「できそう」と思ってたことが「できない」ときには、社員が自ら問題意識を持ってくれます。

「できそうだと思ったのになんでできないんだろう」
「あれ、最初はできると思ってたんだけどな、、」

そんな風に、自分で振り返り、考えてくれるのです。

最初から、「こんなの無理だ、できない」と思っているのに無理やり背負わされた高い目標では、こうはなれません。

3.社員それぞれに寄り添いたい

無理をしない「10%成長」を目標にする理由はもうひとつ。
「社員に寄り添いたい」という思いがあります。

当たり前のことではありますが、会社は人でできています。
会社の成長というのは、人の成長の集合体なのです。
そして、人の成長というのは、必ずしもずっと一定ではありません。個人で波があるのはごくごく当たり前のこと。

ある年はものすごく成長できても、ある年は助走期間なんてこともあります。
この助走期間に、「なんで成長できてないんだ」なんて責めることは絶対にしたくない。
ひとりひとりの状況に合わせて寄り添いたいと思っています。

そもそも、うちの社員はみんな真面目だから、「10%成長しよう」って言うだけで、すごく頑張ってくれるんです。
「なんだ、10%でいいんだ」なんて手を抜く人はひとりもいません。

「10%成長しよう」と言いつつも、リゾームの売り上げはかなり順調に伸びています。
昨年は17億、今年は20億を達成。私の予想の範疇をはるかに超えています。
一応トップである私が、「10%成長しよう」しか言っていないのにこんなに伸びているのは、社員みんなの頑張りに他なりません。

社員も会社も、勝手に成長していってくれています。
いやあ、本当にありがたい。

4.「10%成長」で叶えたいこと

10%成長で叶えたいのは、「社員の幸せ」です。
本当に、それだけなんです。

着実に確実に、社員の幸せを守って、そして増やしていきたいと思っています。
急成長をせず、少しずつ成長していくことによって、不況に強くなりたい。
リーマンショックやコロナのような、突然の出来事が起きたときも、「この会社にいれば大丈夫」と思ってもらえるような会社でありたいです。

挑戦をしないのかというと、そうではありません。
挑戦はタイミングです。ここだと思ったタイミングで一緒にやる人がいてくれれば、迷わずもう一勝負、二勝負やっていきたいと思っています。

まずは、みんなにとっていい会社でありたい。 いい人が集まって、みんなが居心地よく、幸せに働ける会社をずっとつくり続けていきたいのです。

そのために今日も、「10%成長しよう」とだけ、みんなに伝えていこうと思います。

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