私のトリセツ〜実話に基づく自分との対話〜15

相談をするということは、
周囲が思うほど
簡単にできるものではない。


なぜなら、
最初の一歩を踏み出すためには、
心の準備や勇気を伴うからである。




それまで
家に帰りたくないと
思ったことはなかった。



けれども
問題は起きていた。



私はそのなかで育った。



ひとつひとつの出来事によって、
自分の心や体に
どんな反応をきたしていたのか。



また
体験の積み重ねにより、

自分の体が
どんな影響を受けてきたのか…。



あの頃を振り返ると
私なりに必死に生きていたと思うが、

同時に
私だけでなく、

家族全員が
必死に生きていたのだと思う。



そんなことを考えていると、
涙が頬を伝ってくる。




成長するにつれ、

心がかき乱されるような出来事から
解放されたいと、

私は思うようになった。



気づいた時には、

安心感や安らぎといわれるものを
求めていたのである。




子どもの頃の私は、

冗談を言うなどして
友達を笑わせることが好きだった。



今思えば
人の笑顔を見たかったからだと思う。



人の笑顔を見ることで
心が和んでいたのかもしれない。




私は自立をし、
家から出るという選択肢を選んだ。



そして
そのための手段として
医療従事者の資格をとることにした。



資格をとるためには
学ぶ必要があり、

勉強をするためには
学費が必要…。



私は
学費を貯めるために、

比較的時給の高かった
工場で働くことに決めた。









つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?