とどめ
中学校の数学の教科書を覗く機会があった。
お腹に育児嚢とおぼしき器官が備わっていることから、おそらく有袋類であること、そしてメスであることが窺える。
何かを考えているカンガルーに似た動物。
このキャラクターに名前がついていない。
教科書を通じて何度も登場するキャラクターに名前がない。
これはとても不便だ。
なぜ名前をつけないのか。
「考えるカンガルー」なら………
おっとっと。
危ない危ない。
あわや、スベらされるところだった。
お膳立てされてあとはトドメを刺すだけという状態にされてしまっている。
危ない。
この出版社、逃げやがった。
責任から。
ここまで敷いておきながら、最後の汚れ仕事はこちらに任せるってか?
くそっ。
だが、毎回毎回『いつも何かを考えている, カンガルーに似た動物』と呼ぶのはあまりにも、だ。
くっ...…
言うよ!
あぁ!
言えばいいんだろう!!
いつも『考えている』、『カンガルー』に似た動物!
お前の名前は、これから!!!
「イツモカンガエテルー」だ。
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