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やる気に火をつける「学級経営」~学級目標編②~

こんにちは!長縄430回、漢字50問クラス平均99点以上、学校生活アンケートでの満足度95%以上の学級経営をしているオサリバンです!

このシリーズでは、子どものやる気に火をつける「学級経営」について自身のアイデアやマインドなどについて発信していきます。

ぜひアレンジして活用してほしいと思います。よろしくお願いいたします!



学級目標の掲示物

わたしは趣味で、放課後に他の先生方の教室をのぞきに行く。研究授業で他校に行った時も、全教室をのぞく。

目的はもちろん、「勉強するため」にほかならない。


見た結果、9割の教室に掲げてある学級目標は、「貼ってそのまま」のものだ。

これは、掲示物を見ただけの印象であって、指導についてどうこう言っているわけではない。先生によっては、折に触れて活用していることもあるだろう。


この掲示物。5月に子どもたちと作って掲示して、翌年の3月まで見た目がそのままだと変化がなさ過ぎてもったいない。本当にもったいない。


子どもに伸びしろがあるように、学級目標の掲示物にも伸びしろ(余白)を作ろう。要は、学級目標を子どもたちが育てていけるように演出する。


最初は、学級目標の合言葉とクラス全員の顔写真、そして目指す姿を表したキーワードくらいで十分だ。



学級目標の掲示物を育てる

基本的な部分を掲示した後は、日々の子どもの働きかけによって育てていくフェーズに移行する。

わたしは毎年、教室後ろのスペースを学級目標用にすべて空けている。ダイナミックに掲示物を育てて、成長を視覚化するためだ。


「どうやって育てるの?」と思うかもしれない。
例を挙げて説明する。


わたしは初年度、2年生の担任だった。学級目標は「グッジョブ2組」。
初任っぽいシンプルさが今では気に入っている。子どもたちの目指す姿は、

・自分のために努力しよう。
・人のために行動しよう。

というものだった。2年生という発達段階において、素晴らしすぎるぞ!

グッジョブ


ある時パッとひらめいた。
「グッジョブツリーを育てるとおもしろそう!」

思い立ったのが土曜日の朝、アイデアを形にするために休日出勤した。


まず、木の幹の部分だけを茶色い画用紙で作って掲示した。
次に、葉っぱをピンクと青の2色で大量に作った。


ピンクは「努力リーフ」
青は「友だちリーフ」
とした。


そして、子どもたちに趣意説明をした。

「みなさん、毎日グッジョブ2組を意識して生活していて素晴らしいです。
わたしは、そんなみんなのがんばりが見えるように残していきたいと思っています。そこで、みんなでグッジョブツリーを育てていきませんか?」


2色の葉っぱをみんなに見せながら、説明を続けた。


「ピンクは努力リーフ。青は友だちリーフ。これは自由に書いてよいものです。書いたものは、帰りの会で読み上げたあと、貼っていきます。

グッジョブツリーが育つ=みんなの成長というわけです。自分の努力や友だちへのやさしさが広がるこの取り組み、ワクワクしませんか?!」


子どもたちはキラキラした目で
「やります!先生!今リーフを書いてもいいですか?!」
と前のめりに意欲を示してくれた。

木が育つ

こうして、グッジョブ2組という学級目標を育てる活動が始まった。
たくさん書く子を中心にスタートしたが、最終的にはクラス全員が書くほど浸透していった。


この取り組みは道徳でも生きた。
パッと見ると、ピンクリーフの数が少ないことに気が付いた。
子どもに聞くと、

「友だちのことは書きやすいけれど、自分のことを書くのは恥ずかしいし自慢してるみたいだから。」


チャンスだ!と思ったわたしは、その年の研究授業をここに充てた。
子どもたちは自分のよさについて考えた。授業はそれなりにうまくいき、先生方にとても褒めてもらったことを覚えている。

この授業を境に、ピンクリーフの数は増えていった。


そして、3月。グッジョブツリーは天井まで大きく育っていた。
わたしは子どもの力の偉大さを感じたし、思いついたアイデアは確かにクラスを成長させたのだ。

大きな木


この時、わたしはまさかの行動をした。なんと、1枚1枚リーフをはがし、宛名の子にまとめ、画用紙にすべて貼って一人ひとりに返却したのだ。
画用紙の裏に、わたしが書いた唯一のリーフをそえて。


「いつでも見守っています。」

クローバー


メリット

  • 視覚的にクラスの成長を感じられるので、クラスへの愛着が沸く

  • 「自分たちで育てている」という当事者意識が育つ

  • 全員が主体的にかかわることができる

  • 読み上げることで、結果的に「コンプリメントの交換」をすることになり、クラスの雰囲気が良くなる。


これは一例だが、どんな学級目標でもデザイン可能だと思う。
ちなみに、研究授業などで他校の先生方がいらっしゃると、確実にわたしの教室の育った掲示物を見て、足を止めてマジマジと見ている。それくらい、レアな活動だと言えるし、子どもの学級満足度が高いことにもつながっていると信じている。


この取り組みが、波紋のように広がっていくことを願っている。

波紋

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