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最初の1年を劇的に変えるために【前編】

4月から学校現場で働くみなさん。
教員採用試験の合格おめでとうございます!!(今さら)


試験を突破するために努力してきた皆さんなら、ここに書かれていることのイメージ化や事前準備を必ずやり遂げた上で現場に立てるはずだ。

「経験を通していろいろ学んでいくから、今しかできないことをやった方がいいよ!」というアドバイスがある。もちろん、それもいい。

しかし、これから教諭になる真面目な皆さんは、



「子どもや保護者とうまくやれるかな。」
「授業の流し方がよくわからない。」
「残りの日々でできることがあるなら、やっておきたい!」

やる気爆発


と思っているに違いないのでは?だからこそ、真剣に考えている人の力になりたいと思っている。これらの内容をイメージ化し準備ができれば、「不安」も必ず小さくなり、堂々と子どもの前に立てると信じている。


実際、当時のわたしは何の準備もしておらず、
「いや、いけるっしょ!」という謎の自己肯定感をもって教壇に立ち、あえなく玉砕した経験がある。


教科書を開くだけの授業、冷や汗、初任者担当教官のするどい目線・・・。
「事前準備はある程度必要だったじゃん!」
と悟った瞬間でもあった。子どもたちよ、すまなかった。


というわけで、皆さんにはわたしのような苦い経験はしてほしくない。
これから本題に入るが、今回はマインドセット編、授業編。次回は職員室編、保護者編の4つに分けて説明する。

それでは、レッツゴー!



マインドセット編

事前にマインドセットができていれば、不測の事態にも落ち着いて対処できるし、自信を保つことにもつながる。

マインドセットで軸づくり


①初年度は、自分のクラスを回せたら100点!

一生懸命に目の前の子どもと保護者に向き合うだけで、あなたは即戦力。ちなみに、まわりもそれ以上のことは求めていない。だから、あまり周りに気を遣わず自分のクラスに集中しよう。ただ、コミュニケーションは必要だ。

うまくいかないことももちろんある。そんな時は「まあ、いっか」の自己受容をお忘れなく!


②「笑顔」がなんだかんだで一番大切!
これを意識するだけで、不思議と子どもたちは安心してついてきてくれる。笑顔で楽しそうな人を嫌いな人は少ないと思う。それが子どもづたいに保護者にも伝わり、好循環を生み出すカギとなる。

授業中も保護者対応も、とにかく「笑顔」で!もちろん、子どもが帰った後は一息ついてがんばった自分を褒め称えよう!


③得意なことをフル活用せよ!
若い人は、ICT機器に明るいはず。これを駆使しないのはもったいない。むしろ、ICTをいろいろ試し、効果的に活用できたらベテラン勢だってぶち抜ける日は早い。

(例)プレゼンアプリ、Kahoot!などの学習アプリ

他にも、ギター、ピアノ、イラスト、マジック、占い、ダンスなど、自分の強みがあるのなら、それが一気に子どもを引き付ける武器になる。出し惜しみはせず、フル活用しよう。


④子どもを変えようとするな。自分を変えろ。
心に刻んでおいてほしいのが、「子どもの動きが悪いのは、すべて教師に原因がある」ということだ。つまり、子どもに見通しをもたせられなかった教師に非があるということ。

逆に、子どもが主体的に動いている姿があれば、それは教師が子どもに見通しをもたせられたことになる。常に「もっとできることはなかったか?」と自問自答し、自分を成長させよう。そうすることが、回りまわって子どもの成長にもつながる。


⑤遠慮なく先輩に頼りまくろう
「聞くは一瞬の恥、聞かぬは一生の恥」という、誰でも知っている言葉。これは、ベテランの方々も忘れないでほしい。そもそも、恥ですらない。

実は、教員の世界はマクドナルドのように仕事を手取り足取り教えてくれない。これは事前に知っておいてほしい。つまり、最初から自分の裁量で仕事をする場面が非常に多いということだ。研修はおまけ程度だと思っておくべし。

そういうわけで、分からないことだらけは確定。学校の細かいローカルルール、校務分掌、授業の流し方さえも。自分で考えることももちろん大切だが、分からないことは遠慮なく聞いてスピード感をもって解決しよう。ちなみにわたしは、よく聞いてくれる後輩の方が一緒に働きやすいと感じる。


⑥プライベートを充実させよう!
土日は出勤しないポリシーを今からつくっておこう。なぜなら、休日出勤をしてリフレッシュできていない疲れた状態で子どもの前に立っても、本来のパフォーマンスは出せないからだ。最初は勢いでできるかもしれないが、これが習慣になってしまうとキツい。給料も出ないよ。

というわけで、休日は仕事厳禁。自分の好きなことに時間を使いまくろう。プライベートの充実は、明日の笑顔につながる。笑顔の重要性は・・・もうお分かりのはずだ。


⑦本を読もう!YouTubeを見て学ぼう!
足りない経験年数は、実は本を読んだりYouTubeを見たりして学ぶことでカバーできることも多い。1日のどこか、短い時間からでOKなので積み上げよう。自己投資をしていこう。これは、担任になったあとも続けよう。

【おすすめの本】
・授業の腕を上げる法則 (向山洋一)
・子どもを動かす法則  (向山洋一)
・スペシャリスト直伝!主体性とやる気を引き出す学級づくりの極意 (赤坂真二)

【おすすめのチャンネル】
・村野聡チャンネル
・宮澤悠維教育研究所
・静岡若手の教え方
・吉田高志



授業編

毎日確実にある、仕事の軸ともなる「授業」。正解はないが、不正解はある世界。新任の方にやっていただきたいのは、「型をつくる」こと。まずは、真似から。オリジナリティは徐々に出せばOK。

授業こそがメインの仕事


①授業はユニット制にする

10分~15分で、3つくらいのユニットに分けて授業を組む考え方。活動がテンポよく変わるので、リズムが生まれ子どもの集中力も続く。

国語なら、
1:フラッシュ、漢字小テスト、間違えた漢字の練習
2:音読(読み方のパターンについては別の機会に)
3:本時の学習

算数なら、
1:フラッシュ
2:スピードゲーム(100マス計算のようなもの。5分で終了)
3:本時の学習

といったように区切る。こうすることで、教師側も子ども側も「次に何をやるのか」の見通しがもてて迷わない。

本時の学習については、それなりの事前準備は必要。とりあえず単元を流せたら、「やるじゃん自分!」で次へ。


②フラッシュのススメ
ほとんどの教科で導入にフラッシュを行う。アナログで画用紙に書いて作るのもよし。教室に大型モニターがあるのなら、デジタルでフラッシュアプリなどを使うのもよし。

短い時間で、集中力を高めながらインプット&アウトプットができる子どもも大好きな活動だ。

国語の例)
新出漢字、部首、対義語など

算数の例)
10の合成、九九、図形、単位換算など
社会の例)
地図記号、歴史の人物、県、方位など

理科の例)
季節の生き物、化学反応、天気図など

一度作ったら資産として残り、いつでも使い回せる武器となる。


③作業 ⇒ 確認 ⇒ 発言の順番を意識
子どもに発問したり課題を与えたりしたら、いきなり発表させるのはやめよう。これを続けていると、一部の子の発言だけで授業が進み、参加率が下がるからだ。

まずは全員が作業に入る。考えを巡らせ、ノートなどにアウトプットする。

次に、隣の子やグループなどでその考えを言葉で確認し合う。これで、全員が声に出して発言したことになる。クッション的な場になる。

そして、全体交流になる。2つの手順を踏んだことで、発言するハードルを意図的に下げているわけだ。


わたしの場合、「言える人は立ってください。」と言って立たせてしまう。立っている子は確実に発言できるという安心感をもつことができる。これをやると、高学年でもかなりの人数が立って発表するようになるのでお試しあれ。

ちなみに、立ったり座ったり、歩き回ったりなど、上下左右の動きを取り入れることはとても有効だ。また、挙手指名制にもメスを入れていこう。

列指名、班指名、指名なし発言など、様々なバリエーションがあるので調べてみてほしい。


④授業時間は必ず守るべし
たまに休み時間を削ってまで続ける方がいるが、確実に子どもに嫌われる。

子どもにアンケートを取ると、学校生活の中で好きな時間は80%「休み時間」と答えるらしい。(あとはほぼ給食)それくらい、子どもにとって休み時間は大切な時間なのだ。

担任にそれをつぶす権利はない。どんなにキリが悪くても、終了時刻になったらスパッとやめる潔さを忘れずに。



まとめ

ここには書ききれていないが、マインドセットにしても授業技術にしても数えきれないくらいの内容がある。ぜひ、本やYouTubeなどで主体的に調べてみてほしい。

「自分にできそう。やってみよう!」というものがあったら、今から、そして現場でどんどん試してみてほしい。その試行錯誤は確実に自分の力になるし、分かりやすい授業にもつながっていく。

1年目から、子どもの心をつかむことはできる。
1年目から、存在感を示すことはできる。
今から、教員人生の終わりなき旅はスタートしている。

先は長いが一歩ずつ


後編では、職員室編と保護者編について書く。こちらもよろしく!


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