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【詩】ドラマ

例えば 道で人とすれ違う時
相手を見てしまうと
そこにドラマが生まれる
心が引きづり出されてしまうような
それは とても疲れてしまうので
やはり 顔を上げられない

「この黒は白だ」と言ったり
「この白は黒だ」と言ったりして
多くのドラマは始まるわけだが
わたしの白は黒ではなく
黒も白ではなかった
ずっと
ドラマでないドラマの中で
過ごしている

ひとりの罪の中
「ありがとう」という拒絶の言葉に
こころが痛んでも
その度に寂しさに慣れるよう
顔を上げずにきたはずだ
ドラマどおりに生きようとする拙さは
自分の時計で見た時間
そんなドラマの裏切り方もあったのだろうか

花を飾り
自分のドラマを演じてみる
花が枯れる時までの
シナリオを準備して

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