「先生、こっち向いてよ」
まだ自分が小学生だった頃、転校生がやって来た。こんな田舎に転校生が来てくれるなんて久しぶりの事で、皆んな興味津々の様子だった。
転校する事に慣れているのか、はたまた度胸が座っているのか、転校してきた初日からよくお喋りをする子だった。
暫くたった頃、国語の授業で大切な人に手紙を書いてみようという授業があった。皆んな、それぞれに考えに考えて手紙を書いた。次の授業で発表する事になり、皆んながモジモジしてる中、その子が真っ先に手を挙げ、堂々と手紙を読み始めた。
「僕は転校してまだ少し