見出し画像

AI生成でギリシャ神話イラストをはじめました

 私は画力はほぼ皆無で、子どもの頃、図工・美術はペーパーテストと比較的得意な工作・造形でとりあえず最悪な成績は免れていた……ぐらいの者です。これまでもPixiv などのイラスト投稿サイトでいろんな絵師さんたちの描いたイラストを凄いな……と眺めるだけでしたが、このたびPixAI. Art なら無料でイラスト生成できるということを知って、始めてみました。
 テーマは、私の大好きジャンルの一つである「ギリシャ神話」。ことに神話に登場する「美少女キャラ」。女神や人間の女性はもちろん、そもそも「ニンフ(ニュンペー)」という美少女限定のカテゴリーがあるぐらいなので、モデルには事欠きません。それだけにもともと自分のイメージをもとに目に見える姿で描けたらいいのに、と思っていたところです。

 ということで、ギリシャ神話に登場する美少女たちをAIイラスト生成で表現し、それとともに神話をいろいろ語っていきたいと思います。

 とはいうものの、伝統的に絵画に描かれてきた神々ならともかく、一般の登場人物には具体的な容姿が設定されていることはそうありません。ただ西洋風の美少女イラストを作って(日本人っぽく見えないように European girl と指定)ギリシャ風の衣装(Greek outfit とプロンプトに入れれば簡単)を着せ、背景をそれらしくして(ancient Greek landscape とは常にプロンプトに入れています)「これは誰々です」といって物語を語るだけでは面白味に欠ける気がしました。

 そこで考えたのが「その人物と縁のあるものを絵の中に採り入れる」方法です。
 具体的に言うと、こんな感じ。

エコー

 こちらは「ナルキッソスへの恋に破れて泣き崩れるエコー」をイメージして描きました。
 ポイントは、傍にナルキッソスが変身することになる水仙の花を配したこと。
 これによって、ナルキッソスに失恋したエコーの絵であることをアピールできるように思いました。
 物語の時系列的には、ナルキッソスが水仙に変身するのはエコーが恋に破れてやつれ果て、声だけの存在(=木霊)になった後のことなのでずれるのですが、イメージ重視ということであえて度外視します。

 これから取り上げる美少女たちも、オウィディウス『変身物語』で描かれるように「何かに変身した」ケースが多いので、そういう場合変身した姿も一緒に描く(ダプネ:月桂樹、カリスト:熊)といった方法も使います。「変身前後」というわけです。

 これは西洋の神話画での「アトリビュート」の手法にヒントを得たもの。
 ギリシャ神話の神々は基本的に人間とほぼ同じ容貌をしているので、そのままでは「神様を描いたもの」とはわかりにくい。そのため、それぞれの神々に縁のあるものを併せて描くことで、当の神であることを特定できるようにするという方法がしばしば使われます(聖書画の聖人にも同様の方法が使われます)。
 たとえばゼウスであれば、聖鳥である鷲。ヘラなら孔雀。アテナなら鎧兜。アルテミスなら三日月の飾り、といった具合です。
 こちらはロココの画家フランソワ・ブーシェ(1703~1770)の名画「ユピテルとカリスト」。

ブーシェ「ユピテルとカリスト」

 一見すると美女同士の(百合百合な!)睦みに見えますが、右側の女性が額に三日月の飾りをつけていることで、月の女神=アルテミス(ディアナ)であることが示されます。
 しかし、そのアルテミスの背後に鷲が描かれていることで、実はゼウス(ユピテル)がなりすました偽物であることまで示唆されています。これで、「アルテミスを慕うニンフのカリストを、ゼウスがアルテミスになりすまして誘惑する」シーンであることが読み取れるわけです。
 これを参考にして、その美少女にゆかりのあるものを一緒に配すれば、「この人物を描いたものである」ことが明示でき、それが一枚一枚の個性になる、と考えたわけです。

 ということで、この方法を活用して、今後ともいろいろとイラストとともにギリシャ神話を語っていきたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?