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いとこのかーくん

2005年7月29日の記事より~

毎年夏休みになると、兵庫県からヤンマー実家にひとりの男の子がホームステイにやってくる。歳の離れたヤンマーのいとこ、かーくん。今年で11年目だ。初めて来たのは4歳、今年中学3年生になる。

きっかけは母親の突然の他界。病気が発覚した時は手遅れだったという。だからかーくんは、4歳の時から母親を知らない。

幼稚園の七夕の時「おかあさんにあわせてください」と短冊に書き、星に願いを託した。その当時も切ない思いで聞いたが、母親になった今は、一層切なさが増す。

成長するにつれて難しい子になっていった。
わざと大人を困らせる。さみしいからだろうか。
1日中家に居たヤンマー母は、かなり振り回されていた。
そこに喝をいれるのがヤンマー父の役目で、それを言って聞かせるのがヤンマーの役目だった。
そんなうるさい沖縄の生活だが、毎年かーくんはやって来た。丸坊主でまゆはなく、かなりの体格なのでどこかの組のにーちゃんのようになってしまってはいたが、いつもと変わらず、今年もやって来た。

「かーくん、受験どうするのー?」
「みなみにいくよ。まあ、勉強せんと受からへんな。めちゃくちゃ内申悪し」
校長室呼び出しもしょっちゅうらしいから、かなり悪いのだろう。

「だ~宿題は~?はい、一緒にやろう~」
中学1年の「正の数・負の数」・・・全然わかっていない💦
「沖縄では、遊ばないで勉強しなさいね」
「そんなんいらん」
と席を立つと、我が子達と遊び始めた。

無邪気にじゃれあう我が子達。あの当時のかーくんの歳と変わらない。
4歳の幼い子を残して、この世を去らなければならなかった叔母の気持ちを思うと、胸が締め付けられる。

我が子の成長をずっとずっと見守りたい・・・。
変わらない親の願い。

叔母も空の上から成長するかーくんを見ていることだろう。

※本記事は2005年当時の内容です。
現情報と異なる場合があることをご了承ください。


この週末、かーくんから電話が来た。
初めての電話だった。
数年前から兵庫から沖縄に住まいを移し、会社を立ち上げたことを父から聞いていたが、会うことはなかった。

「姉ちゃん、いくつになった?おれは33になったよ」
近況を聞くと、かーくんは飲食店を三店舗経営しており、コロナ渦で厳しかったが、今、落ち着いてきたとのこと。

「姉ちゃん、ごちそうするから、来てよ。子ども達もつれて。おれ、やんちゃで迷惑ばかりかけたから、恩返しする番や。」
電話口のかーくんは、穏やかで落ち着いていた。

時を経て、変わらずかーくんは沖縄にやってきて、今は、沖縄で暮らしている。年明け、かーくんに会うのが楽しみだ。

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