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#150 ハサミを使わない散髪屋

昨日、散髪に行きました。

以前から髪の毛を切りたかったことと併せて、
ローカルの散髪屋さんはどんなものか、
単純に興味があったこともあり、
散歩がてら出かけました。

ブラブラ歩いていると、
一軒の散髪屋の看板を見つけました。
コンクリートブロックでできた入口に
白い布がのれんのように掛けられていて
店の中が良く見えませんでした。
店の前で足を止めて中を覗こうとすると
店員の若いお兄ちゃんが出てきて
「ボンジュー」
と挨拶。

店の中に通されると、
3m四方ほどの大きさの部屋でした。
一面に鏡が備えられており
他二面には色々な髪型の男性の
顔写真のポスターが貼られていました。

店員は高校生くらいの若いお兄ちゃん。
「どうして欲しいんだ」
と聞かれても上手く説明できなかったので、
ポスターに描かれたウィル・スミス風の
男の写真を指差しながら、
「こんな髪型にしてくれ」
と注文。

座らされた椅子はリクライニングはなく
鉄筋を溶接して作られた回転椅子。
もちろん洗面台もありません。
椅子に座るなり黒い布で体を覆われました。

初めての東洋人というよりも、
初めての直毛に少し戸惑いながら、
店員はバリカンを準備し始めました。
右手にバリカン。
左手に櫛。

アフリカの田舎の散髪屋さん。
ウィル・スミス風を注文したので、
ワイルドに後頭部から刈り上げすると思いきや
バリカンの刃を下に向けて
上から下にやさしく撫でるように刈り始めました。

そんなやり方だと全然切れないのでは、
と思ったのですが、意外とフワリフワリと
切られた髪の毛が落ちてきました。

店員は足で椅子を押して回転させながら、
頭全体を常に上から下に撫でるように
切り続けました。

4~5周ほどして全体が刈り終わった頃
「髭はどうする?」
と聞いてきました。
ふと、横を見ると他のお客さんが
剃刀で髭を剃られているところでした。

感染症のこともあったので、剃刀を断ると
次は仕上げだ、とばかりに
左手の櫛をスポンジに持ち替えて、
最後の仕上げに入りました。

バリカンで刈り込んでは、
スポンジで払いのけ、それの繰り返し。
最後にバリカンで生え際を整えて
無事、散髪が終わりました。

出来栄えは、なかなかのもの。
左右対称で整えられ、髪の量も少なくなり、
目的は達成できました。
値段は、日本円で250円。


散髪屋さんはハサミを駆使し、
客単価は数千円、
というのが日本では一般的ですが、
そうではないところもあります。

今まで当たり前と思っていたことが
当たり前ではない、と気づかされること。
これが日本を出て生活をすることの
楽しみの一つです。

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