殴ることをやめられなかった

1998年1月4日(日)
水溜まりのそばに猿がいた。わたしは猿たちを情け容赦なく叩いていた。猿が何をしたというのか? 何も。
小さな手の、細い指を、角ばった棒で打ち据えながら、わたしはなぜこんなことをしているのだろう?と思った。わたしは怒っているらしく、乱暴せずにいられないようだ。
少し大きい薄茶の二頭は腰が抜けたようになりながら身を隠したが、小さな黒い猿はしゃがんでまるめた背を見せていた。その背を、わたしは打った。この子が最もひどく打たれつづけた。少しこちらに顔を向けた。悲しい目が見えた。
実際、棒で打っているのはわたしなのだが、訳がわからなかった。



2023年11月29日(水)
おねしょをした子を母親が打ち据えたんだな。
母親は怒りに乗っ取られ、解離していたのか?
母親と分離していない幼い人間は三つに分かれて、母親との二人組は身を隠し、核は母親を見つめていたの?
この子は全て見た?受けとめた?

アル中で寝転がってた母が突然ガバと起きたかと思ったら、あのどす黒い魔物の表情で、「あんたはそうやっていつもわたしを観察してるんでしょっ!!」って喚いた。
同じ15くらいのころ、茶の間で母の寝場所になったところの、戸の辺りで制服のまま転がっていた。目はあいていた。母が恐ろしくて離れたいのに、起き上がることができなくて、母の蔑みのことばは聞こえるし、蔑みの眼差しも刺さっているのに、目をあいたまま動けなかった。


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